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本作は、オランダ国立バレエが昨年10・11月に上演した「ジゼル」を映像化したもの。スミルノワは、ボリショイ・バレエ団の元プリンシパルで、ロシアによるウクライナ侵攻開始に伴い、祖国ロシアとボリショイ・バレエ団を離れ、オランダ国立バレエへ移籍した。本公演ではアルブレヒト役を、スミルノワと同じくボリショイ・バレエ団を離れたイタリア出身の
吉田はスミルノワとティッシの共演に触れ「この2人のアカデミックかつ端麗な踊りによって『ジゼル』の悲劇が説得力を持って迫ってくる」と述べ、草刈は「神々しいまでの存在感」と称賛。上野は「人間や現実を超えた異次元の表現が空間を満たす」と感慨を語った。またスミルノワは「私が戦争の最前線に出ていって状況を変えるようなことはできませんが、それでも私は芸術の力を信じています」と思いをつづった。
さらに公開記念イベントとして、「バレリーナ・中村祥子が語る『ジゼル』の世界」が3月9日に東京・Bunkamura ル・シネマで行われる。「オリガ・スミルノワのジゼル in cinema」は8日からBunkamura ル・シネマほか全国で順次公開される。
オリガ・スミルノワ コメント
まさか戦争が起こるとは誰も予想もしていなかったし、それが2年も続くとは思ってもいませんでした。多くの人が命を落とし、街が破壊され家を離れることを余儀なくされています。
私が戦争の最前線に出ていって状況を変えるようなことはできませんが、それでも私は芸術の力を信じています。様々な支援活動の一環でガラコンサートなども開かれていて、多くのダンサーが参加しています。私自身、先日ロンドンで行われたガラコンサートに参加しました。集まった支援はキーウで今もバレエを続けているダンサーたちの元に送られることになっています。
また、今なお続く戦争を風化させないためにSNSの発信を続けるアーティストたちも多くいます。私は今後も開かれたダンサー、アーティストでありたいと思っています。
吉田都 コメント
スミルノワとティッシの待望の共演。
この2人のアカデミックかつ端麗な踊りによって「ジゼル」の悲劇が説得力を持って迫ってくる。
意欲作を生み出し続けるオランダ国立バレエ団による「ジゼル」、ここにあり。
草刈民代 コメント
神々しいまでの存在感。しかし、その根底にあるのは、アーティストとしての謙虚さだ。
オルガ・スミルノワ演ずる素朴で純粋なジゼルは、とてつもなく大きな選択をし、踊りに邁進している彼女の人生が滲み出ているようだ。
そのジゼルを見つめるオランダ国立バレエのダンサーたち。彼女への尊敬が込められた眼差しに心打たれた。
「素晴らしい」という言葉では表現できないものがある。多くの方々にそれを体験していただきたい。
上野水香 コメント
「ジゼル」というバレエは好きだなと改めて思いました。
1幕の人間ドラマと、2幕の幻想は双方ともバレエによる表現世界の凝縮。
美しいオリガ・スミルノワ、ジャコポ・ティッシの2人による白眉は第2幕のデュエット。
人間や現実を超えた異次元の表現が空間を満たすさまが素晴らしく、終幕にかけてどんどん引き込み、感動的。
最後にウィリが消えた瞬間に人の生、そして移りゆく時間の神秘に目覚め、余韻に浸っています。
針山愛美 コメント
国境、言葉の壁に関わらず伝えることが出来るバレエ。
「オリガ・スミルノワ」のジゼルは、そんな壁を越えて魂に届く踊り。
学校時代から抜きん出た才能があった彼女の生徒時代の教師「コワリョーワ」先生に、私自身ジゼル全幕の指導を受けた経験がある。バレエで人間の心を動かすことができる、そう感じた。
ステージナタリー @stage_natalie
「ジゼル」公開に向け、オリガ・スミルノワらコメント 吉田都「悲劇が説得力を持って迫ってくる」(コメントあり)
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