「レビュー夏のおどり」は、2014、16、17年に続き今回で4回目となる、東京・新橋演舞場で行われるOSK日本歌劇団の公演。本公演をもって同劇団を退団する、トップスター・高世麻央のさよなら公演でもある。上演されるのは、構成・演出・振付を西川箕乃助が手がける第1部「桜ごよみ 夢草紙」と、名倉加代子作・演出・振付による第2部「One Step to Tomorrow!」の和洋ショー2本立てだ。
安孫子は「OSKは今年で96周年を迎える歴史のある劇団です。レビューの文化は難しい時期にきていますが、OSKは溌剌としたダンスによってすばらしい舞台を構築しています。ぜひ多くの方に観ていただき、レビューの素晴らしさ、楽しさを知ってもらえたら」と挨拶する。
高世は「OSKが96周年を迎えさせていただきましたこと、歴史ある新橋演舞場に立たせていただけること、本当にうれしく思います。私は2003年の劇団解散危機のときにいたメンバーの1人ですが、(04年に存続の会旗揚げ公演を)大阪松竹座で上演できると聞いたときの、あの信じられなかった思いを今でもよく覚えています」と感慨を述べる。また「いろいろありましたが、こんなに長く大好きな舞台をOSKでできると思っていなかった」と述べ、「私は今回がラストステージになりますが、OSKはさまざまな魅力を持っていますので、4年後の100周年に向けて、東京での公演も増やせるように、もっともっと皆様に観ていただけるチャンスを増やせたら」と希望を語った。
桐生は「さっき控え室で、『こんなふうに一緒に会見に出るのはこれが最後だね』と高世さんがおっしゃって、確かにそうだなと……。高世さんは私の1期上で、本当に長い時間を一緒に歩んできました」と話しながら高世と目線を交わす。さらに桐生は「『舞台が好き』という高世さんの思いは、言葉で言わずとも姿を観ているだけで感じることができました。私だけではなく、大阪にいるメンバーの思いも感じながら、『夏のおどり』の5日間をがんばりたいです」と熱い思いを語った。
楊は「高世さんはどんな思いで舞台に立っているのだろうと、改めて今回、隣で踊りながら考えています」と言い、「高世さんは舞台でも楽屋でも今回、『幸せでしょうがない』と話していらして、センチメンタルより幸せを感じていらっしゃるんだなと。そんな高世さんのラストステージをみんなで力を合わせて盛り上げていきたいです」と笑顔を見せた。
「私と白藤は劇団の一時解散後にOSKに入ったのですが、今この場に自分がいることが当たり前ではないことは、よくわかっています」と真摯に話すのは真麻。高世に対しては「一緒に舞台に立てるのはこれが最後なので、自分自身もお客様も楽しめるように精進できたらと思います」と決意を述べた。
舞美は「いろいろな思いがあふれますが、『夏のおどり』に出演できなかったメンバーの思いも感じて舞台に立ちたいと思います」、白藤も「高世さんへの自分の思いを込めつつ、観てくださる方に幸せになっていただくことを目標に、千秋楽まで舞台に立たせていただきたいです」と心境を語った。
記者から、トップスターとして得たことについて質問が寄せられると、高世は「トップ就任のときには大変うれしくありがたく感じると同時に、歴史ある劇団ですので重みと責任と、自分がどういう役割を果たせるかということをよく考えました。その後、歴代のトップさんたちの姿を思いつつ、あがきながらもがきながら、今の形ができたのではないかと思います」と答える。また「よく私はOSKとの出会いを、『自分の人生において宝物を得た』という言葉を使うんですが、本当にそういう思いですね」と述べ、穏やかな表情を見せた。
さらに高世が思う、メンバーそれぞれの魅力については、「桐生くんは、自分にはない男らしいところ、カッコいい部分があります。また表現の中で私がのびのびとやったことをちゃんと受けてくれますし、特に言葉で話さなくてもすっと思いを感じてくれました」「楊さんはいろいろな意味で枠に捕らわれないことが良いことかなと(笑)。まだまだ魅力があると思いますので、素敵な男役になっていってほしい」「真麻くんはダンスが大好きで、普段はシャイなんだけど踊りになると別人になる。きっとまだまだ内に秘めたものがある人なので、『夏のおどり』では違う一面もみたいですね」「舞美ちゃんはOSKの娘役さんの特色である可憐さと、男役をも従えてしまうようなカッコよさのどちらも持っている。これから素敵な花をもっともっと咲かせていけるように」「白藤さんは私が下級生のころからOSKの舞台を観ていて、OSKに対してとても情熱を持っている。娘役さんなのにここまでトライする?って思うところもあり、舞美ちゃんとはまた全然違う色を持っています」と、それぞれを紹介。
さらに「ここにいるメンバーはみんな、これから劇団を引っ張っていってくれる存在だと思うので、そこをもっと追求していってくれれば」と期待を述べた。その高世の言葉を聞きながら、メンバーは恐縮したり、照れ笑いを浮かべたり、さまざまな表情を見せ、劇団員同士の仲むつまじさを感じさせた。
最後に、改めて後輩に託したいことについて問われた高世は「OSKの魅力は、みんなの舞台に臨む思いにあると思っています。96年間で先輩方が培ってくださったことを、私も最後の最後まで繋いでいきたいですし、お客様にも何度でも観たいと思っていただけるようになりたいです」と答え、会見を締めくくった。
OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」は7月5日から9日まで、東京・新橋演舞場にて。
OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」
2018年7月5日(木)~9日(月)
東京都 新橋演舞場
「桜ごよみ 夢草紙」
構成・演出・振付:西川箕乃助
「One Step to Tomorrow!」
作・演出・振付:名倉加代子
出演:
OSK日本歌劇団「レビュー春のおどり」
2018年5月19日(土)~27日(日)※公演終了
大阪府 大阪松竹座
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