新派130年 六月花形新派公演「黒蜥蜴―全美版―」が、明日6月2日に東京・三越劇場で開幕。これに先駆けて本日1日に同劇場で囲み取材が行われた。
昨年2017年6月に初演された
囲み取材には緑郎、雪之丞、秋山、春本、今井が出席。緑郎は今回の再演について「初演から大きく変わったのは、まず僕の頭です。前回はカツラでしたが、3月の自主公演『怪人二十面相』のときに地頭でやってみたら意外と好評で、今回はかぶっておりません!(笑)」と記者たちの笑いを誘う。続けて「新たに今井さんが入ったことで、警部のキャラクターが変わり、全体の相関関係も変化しました」と述べ、今井を「ダンディで優しくて稽古場を明るくしてくださる方。今井さんの歌にも注目していただきたいです」とアピールした。
今井は自身が演じる波多野警部について「明智をライバル視しつつ、一緒に黒蜥蜴を追い詰めながらも、明智と黒蜥蜴の不思議な愛を見守る役です」と解説。続けて「こんなにハードな舞台になるとは思っていなかったです。立廻りもかなりありますし、明智を追いかけて舞台裏を全速力で走るんですが、北村さんは元陸上部なので足がすごく速くて追いつけない……。痩せるかもしれません(笑)」と笑顔を見せた。また歌唱シーンについて「大きい劇場ではマイクを通していますが、今回は生歌なので、じっくり聴いて欲しいです」と観客に呼びかけた。
続く雪之丞は再演について「いろいろな場面で、前回よりパワーアップした部分をお見せできると思っております」と自信をのぞかせる。また春本は「同じ役をやるのは初めてですが、少しずつ変われているんじゃないかなと。前回とは違った早苗を観ていただきたいです」とコメント。そして秋山は「黒蜥蜴を一途に愛し、明智にライバル心を燃やす役です。『作品を新しくしたい』という思いがあり、前回をなぞらないように作っていくのに苦労しました。観る、というより体感していただけるような作品にできれば」と意気込みを語った。
そして「一番最後に出来上がったのは(雪之丞と踊る)タンゴのシーンだった」と回想した緑郎は、「今回のタンゴは、前作よりショーアップして8小節長くなっています。気を抜くと癖が出て日本舞踊になってしまうので、一番緊張するんですよ(笑)」と苦笑い。これを受けた雪之丞は「前田清実先生が振付をしてくださいました。前回『(タンゴのシーンを)もうちょっと観たかった!』というお客様の優しいお言葉があったので、長めに、派手な振付になっております」とエピソードを明かした。
最後には緑郎が「ドラマの部分もさらに深く掘り下げて、演劇人冥利につきる自信作になりました! ぜひ劇場にお越しください」と観客に呼びかけ、取材を締めくくった。公演は6月23日まで。
新派130年 六月花形新派公演「黒蜥蜴―全美版―」
2018年6月2日(土)~23日(土)
東京都 三越劇場
原作:江戸川乱歩
脚色・演出:
キャスト
名探偵・明智小五郎:
女盗賊・黒蜥蜴:
岩瀬家一人娘・岩瀬早苗:
岩瀬家女中・春:
黒蜥蜴の手下・雨宮潤一:
警部・波多野十三郎:
ほか
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- 2018年6月・三越劇場『花形新派公演』 | 公演情報 | 劇団新派 公式サイト
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