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KAATの2017年度ラインナップ発表、演劇にダンスの新制作、美術展も

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KAAT神奈川芸術劇場2017年度ラインナップ発表会より。上段左から白井晃、高山明、長塚圭史、ラサール石井、谷賢一。下段左から三浦基、三瀬夏之介、森山開次、矢内原美邦、小野寺修二。

KAAT神奈川芸術劇場2017年度ラインナップ発表会より。上段左から白井晃、高山明、長塚圭史、ラサール石井、谷賢一。下段左から三浦基、三瀬夏之介、森山開次、矢内原美邦、小野寺修二。

神奈川・KAAT神奈川芸術劇場の2017年度ラインナップ発表会が昨日2月9日に行われた。

会見には同劇場芸術監督の白井晃のほか、三浦基、三瀬夏之介、森山開次矢内原美邦小野寺修二高山明長塚圭史ラサール石井谷賢一が登壇。白井の進行により、各作品の紹介が行われた。

地点の三浦は、初戯曲「みちゆき」でAAF戯曲賞を受賞した松原俊太郎の書き下ろし「忘れる日本人」を演出する。三浦は「崩壊しそうな家族なんだけど崩壊はせずぬくぬくしてて、でもテレビの向こうは大変なことになっている、という今の日本人感が描かれている作品。それを僕が演出するとどうなるのか楽しみです」とコメントした。

「KAATキッズ・プログラム」では森山の演出・振付・美術による「不思議の国のアリス」を上演。「すでにいろんな作品のモチーフになりいろいろな形で作品化されているものですが、今回はダンスを基本として綴っていきます。その中で、(ロロの)三浦直之さんのお力をお借りして、言葉とダンスの関係も考えていきたい」と意気込む。

また、今年活動20周年を迎えるNibrollの矢内原は「この20年でダンスがどう変わってきたかを考えなければいけない」と言い、昨年2016年に犬島で創作した経験を踏まえながら「今ある風景が一瞬で壊れてしまう可能性がある、そのことをダンスにしていきたい」と決意を語る。

カンパニーデラシネラの小野寺は、昨年文化交流使としてベトナムを訪れた際に「ものすごくワクワクした」と述べ、「今の日本人に足りてないこと、忘れかけていた捕まえなきゃいけないものがベトナムにあるのではと感じた」とベトナムとの国際共同制作プロジェクトにかける思いを述べる。

ルイージ・ピランデッロの「作者を探す六人の登場人物」に「作家としても演劇人としても惹かれた」と語る長塚は、本作を「ダンスの方と俳優の方を集めて、(劇中の)俳優と作品中の登場人物の違いを表現したい」と構想を明かす。

今年創立20周年を迎え、代表作「三月の5日間」のリクリエーションを行うチェルフィッチュは、海外から主宰の岡田利規がビデオメッセージを寄せ、24歳以下限定で募集したキャストについて「しっかりした考え方や演劇的だけでないスケールの大きな野心を持っている人たちがいっぱいいるので、彼らを観てもらい、驚いてもらいたいと思っています」と期待を煽った。

谷は「三文オペラ」を演出。「久々に読み直して、民衆の力をピックアップした上演にしたいなと。近年はポピュリズムの考え方が問われる時代になってきている。そのことを改めて考えてみたい」と語った。

このほか、高山が久々の劇場公演でワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」に焦点を当てた作品を上演。ラサール石井は2015年に初演されたミュージカル「HEADS UP!」、木ノ下歌舞伎は「勧進帳」の再演を行う。さらに劇場での美術展「KAAT EXHIBITION」には三瀬ら日本画の作家たちによる現代美術作品が出品される。

2017年度主催公演、主なラインナップ

KAAT×地点「忘れる日本人」

2017年4月13日(木)~23日(火)
KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ

KAATプロデュース / 白井晃演出作品「春のめざめ」

2017年5月5日(金・祝)~23日(火)
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ ※京都・福岡・兵庫公演あり

KAAT EXHIBITION 2017「かたり(語り / 騙り)の空間」

2017年4月30日(日)~5月28日(日)
KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ、大スタジオ、アトリウム

KAATキッズ・プログラム2017 / 宮本亜門演出作品(再演)「ピノキオ~または白雪姫の悲劇」全国ツアー

2017年7月
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ ほか全国11カ所

KAATキッズ・プログラム2017 / 森山開次振付演出作品「不思議の国のアリス」

2017年7月22日(土)~8月6日(日)
KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ

KAATキッズ・プログラム2017 海外招聘2作品

THE LAST GREAT HUNT(オーストラリア)「アルヴィン・スプートニクの深海体験」、劇団コープス CORPUS(カナダ)「ひつじ」

2017年8月
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ、アトリウム

KAAT Dance Series 2017×Nibroll「作品2017(仮)新作」

2017年8月
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

KAAT Dance Series 2017×小野寺修二(カンパニーデラシネラ)「日越国際共同製作プロジェクト『Without Signal!(信号がない!)仮』」

2017年9月
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

KAAT×PARCOプロデュース / 白井晃演出作品「オーランドー」

2017年9月中旬~10月中旬
KAAT 神奈川芸術劇場 ホール

KAAT×高山明(PortB)「ワーグナープロジェクト(仮)」

2017年10月
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

KAATプロデュース / 長塚圭史演出作品「作者を探す六人の登場人物」

2017年10~11月
KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ

KAAT×チェルフィッチュ「三月の5日間 リ・クリエーション(仮)」

2017年11~12月
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

KAATプロデュース / ラサール石井演出作品(再演)ミュージカル「HEADS UP!」

2017年12月
KAAT 神奈川芸術劇場 ホール ※2018年3月に東京・TBS赤坂ACTシアター公演あり

KAATプロデュース / 谷賢一演出作品「三文オペラ」

KAAT 神奈川芸術劇場 ホール
2018年1月

そのほか

・KAAT Dance Series 2017関連(ラップとダンス「ありか」、KAAT de CINEMA、ワークインプログレス、シンポジウム など)
・古典関連プログラム(女流義太夫 竹本駒之助公演、若手舞踊公演「SUGATA」)
木ノ下歌舞伎「勧進帳」
・劇団四季 ミュージカル「オペラ座の怪人」
・教育普及プログラム

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