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稽古も“高速で”展開中、Nibroll×KAAT「イマジネーション・レコード」

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KAAT Dance Series 2017 Nibroll結成20周年 KAAT×Nibroll「イマジネーション・レコード」稽古の様子。

KAAT Dance Series 2017 Nibroll結成20周年 KAAT×Nibroll「イマジネーション・レコード」稽古の様子。

8月29日から9月3日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演される、Nibroll「イマジネーション・レコード」。ステージナタリーではその稽古場に潜入した。

取材に訪れたのは、稽古開始から7日目の7月下旬。毎日少しずつ更新される台本をもとに、出演者たちは高速でセリフを話し、稽古場を走り、踊っていた。北京五輪の新体操全日本強化選手だった経歴を持つ浅沼圭、クラシックバレエの素養があり、Nibroll「リアルリアリティ」「世界は縮んでしまってある事実だけが残る」にも出演した石垣文子、Nibroll「see/saw」金沢公演と矢内原美邦が振付で参加した映画「ピンクとグレー」にも出演したBATIKの大熊聡美は、脚上げも軽やかに、しなやかな動きで稽古場に風を巻き起こす。そんな彼女たちの動きのスピードに、セリフの速度で追いつこうとするのは、新国立劇場演劇研修所を経て本作が初舞台の中西良介、名古屋を中心に活動してきた俳優の藤村昇太郎、ナイロン100℃の皆戸麻衣、やなぎみわ演出「日輪の翼」などに出演している村岡哲至だ。

振付・演出の矢内原は自身のTwitterで「ニブロール稽古はつめこむだけつめこんだ。ダンスですが今回は全編に台詞があります。もちろんダンサーだって台詞があり、役者にもダンス振付ます」とコメント。その言葉通り、稽古場ではダンサーも俳優も一緒になって動きと言葉を、作品の中に詰め込もうとしていた。

作中では、さまざまな時間や記憶が断片的に立ち現れ、走馬灯のように流れていく。高速、かつ同時多発的に進むシーンの様子を、矢内原は演出席から立ち上がってじっと見つめていた。そして5分程度進むとぱっと稽古を止め、キャストの動きや小道具の位置、セリフのスピードや発し方を確認し、細かい指示を出す。迷いなくテキパキと発せられる矢内原の指示を、キャストたちは、上がった息を整えつつ真摯な表情で受け止めていた。

1時間ほど稽古が進んだころ、皆戸のモノローグシーンの稽古が始まった。そこでは皆戸以外の女性キャストがそれぞれの動きを見せる予定だったが、矢内原が突然、「彼女たちの動きを真似して踊ってみて」と男性キャストに呼びかけた。「えっ」と戸惑いながらも、女性キャストの後ろに1人ずつ立って、見よう見まねでポーズをとり始める男性キャストたち。彼らのぎこちない動きに、矢内原は「役者ってすごいなあ。驚くほどカッコ悪くなる!」と苦笑していたが、女性キャストがリードを取り、徐々にユニゾンらしい動きに変わっていった。そして5回ほど繰り返すころには3分程度のシーンができあがった。ここから8月29日の初日まで、稽古はさらに深化する。

「イマジネーション・レコード」は、今年2017年に結成20周年を迎えるNibrollと、KAAT神奈川芸術劇場による共同制作作品。なお、明日8月4日の18:00から神奈川・黄金町 かいだん広場にて、ヨコハマ・トリエンナーレ関連プロモーションイベントとして「『イマジネーション・レコード』ショート・パフォーマンス」が行われるので、こちらも併せて観てみては。

KAAT Dance Series 2017 Nibroll結成20周年 KAAT×Nibroll「イマジネーション・レコード」

2017年8月29日(火)~9月3日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

振付:矢内原美邦
映像:高橋啓祐
音楽:SKANK/スカンク
出演(五十音順):浅沼圭、石垣文子、大熊聡美、中西良介、藤村昇太郎、皆戸麻衣、村岡哲至

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