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木ノ下歌舞伎「勧進帳」再び、杉原邦生「見つめ直し、必要あれば編み直す」

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木ノ下歌舞伎「勧進帳」稽古の様子。

木ノ下歌舞伎「勧進帳」稽古の様子。

木ノ下歌舞伎「勧進帳」が、3月1日から4日まで神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオで上演される。

歌舞伎の人気演目の1つである「勧進帳」をもとに、木ノ下裕一が監修・補綴、杉原邦生が演出・美術を手がける本作。木ノ下歌舞伎では2010年に杉原の演出で上演され、16年にリクリエーション版として再上演された。主宰の木ノ下は、その成果に対して16年度の文化庁芸術祭で新人賞を受賞するなど、高い評価を得ている。

今回のキャストにはリクリエーション版と同じく、リー5世坂口涼太郎、高山のえみ、岡野康弘亀島一徳重岡漠大柿友哉が名を連ねた。上演時間は休憩なしの約80分。3月1日にはKAAT神奈川芸術劇場芸術監督の白井晃と木ノ下、杉原、3日18:30開演回には木ノ下と杉原が登壇するアフタートークが実施される。

なお本作は18年7月から19年2月にかけてフランスで開催される「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画として、パリのポンピドゥ・センターでの上演も決定している。

杉原邦生コメント

2016年にリクリエーションし、4都市で上演した「勧進帳」を1年半ぶりに稽古してみて、我ながら感心しています(笑)。歌舞伎の「勧進帳」を出発点として、その元となった能の「安宅(あたか)」、さらに史実にまで遡り、丁寧にほどかれた補綴台本と補綴ノートを手に、その無数の糸を編み直していく──そんな途方もない作業をしたのだな! ということに。でも、その編み目にも、いま見るとちょっとしたほころびがあったりして、それらを改めて見つめ直し、必要あれば編み直す、そんな作業が稽古場で続いています。〈木ノ下歌舞伎と言えば「勧進帳」!〉そう記憶に残るような再演にしたいと思っています。ご来場お待ちしております!

木ノ下裕一コメント

ただいま「勧進帳」の稽古の真っ最中です。改めて杉原さんは「“疑う力”を持った演出家だなぁ」と感嘆しております。
再演といえど、とにかく演出が細かい。微妙な演技のニュアンスの違い、かすかな間のズレ、それら、ほんの小さな不自然さを見つけ出し、磨きをかけていきます。「本当に、これが最良の演出なのか。もっとクリアに、そして豊かにできないだろうか」という疑い。その疑いはきっと、「最良の演出をほどこせば、『勧進帳』に込めたメッセージは伝わるはずだ!」という、舞台芸術への信頼に裏付けされているのでしよう。
古典の奥深さと現代演劇の可能性を信じて、なにより信頼する俳優とスタッフ陣と共に作った「勧進帳」、私にとって一点の悔いもない作品に仕上がりつつあります。ぜひご覧ください。

木ノ下歌舞伎「勧進帳」

2018年3月1日(木)~4日(日)
神奈川県 KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ

監修・補綴:木ノ下裕一
演出・美術:杉原邦生
音楽:Taichi Master
振付:木皮成
出演:リー5世坂口涼太郎、高山のえみ、岡野康弘亀島一徳重岡漠大柿友哉

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