12月27日に東京・日本武道館にて、音楽事務所MAVERICK DC GROUPによる年末恒例の忘年会イベント「JACK IN THE BOX 2011」が開催された。
2002年の初開催から10回目を迎える今回は、MAVERICK DC GROUPの歴史を彩った名曲の数々を、出演アーティストたちがバンドの枠を超えてセッションするMDC History Sessionが展開され、所属アーティスト7組とセッションバンド7組を含め計14組が、約7時間にわたり競演した。
トップバッターの大役を務めたのはムック。定刻と同時に暗転すると、ミヤ(G)の哀切たっぷりのギターが響きわたる。そして火炎が飛び交う中で始まったのは「路地裏 僕と君へ」だ。さらに「蘭鋳」「アゲハ」と攻撃的なナンバーが畳み掛けるように演奏され武道館はあっという間にムックの世界に染め上げられる。さらに「踊れるか?」という逹瑯(Vo)の煽りから、ライブはダンスモードにスイッチ。レーザーが飛び交いきらびやかな空気が漂う「フォーリングダウン」、メンバーの躍動的な動きにあわせて観客がジャンプした「ファズ」と場内の熱気は上昇し続けた。この日は持ち時間が60分あったことから、歌心を感じさせる「最終列車」や「ホリゾント」など「JACK IN THE BOX」ならではの名曲群がオーディエンスを酔わせていく。濃密なステージの最後を飾ったのは、初披露となる新曲「ニルヴァーナ」。4人は生音とデジタルが融合した高揚感あふれるサウンドで会場を満たし、トップバッターにふさわしい圧巻のパフォーマンスで「JACK IN THE BOX 2011」の幕開けを飾った。
2番手のギルガメッシュは、左迅(Vo)が「今日はサディスティックロックバンドということで、攻めて攻めて攻めていきたいと思います」と宣言したとおり、演奏前にスクリーンで全曲新曲で構成されたセットリストを公開するという挑戦的な試みを実施。ストライプのジャケットをまといステージに現れた4人は、アッパーかつキャッチーなナンバーを投下し、オーディエンスの心をたちまちつかんでいく。終盤では夏に開催された「JACK IN THE BOX 2011 SUMMER @ nicofarre」で、観客とともに生レコーディングを行った新曲をプレイ。「た、た、た、たつろー」と逹瑯の名前を繰り返すフレーズを、観客が合唱するというユニークな光景が繰り広げられた。
3番手として登場したBUGのパフォーマンスは「NEW WORLD」から始まった。激しく重いサウンドと浮遊感あるメロディが交錯し、kyo(Vo)が歌い上げる妖艶な歌声と力強いシャウトが独特の世界を作り上げる。続く「Gothic Romance」ではTakeshi(Dr)の叩く乾いたドラムに乗せ、kyoが切ない歌声を響かせた。ここでkyoは「どうもBUGです! 一緒に騒ごうか!」と観客に挨拶。その後はデジタルサウンドを前面に押し出した「bugnoid」、ストレートなロックチューン「PROMISE」を披露し、オーディエンスを熱狂させた。
続いてはMARVERICK DC GROUP主催のオーディションを通じて結成された5人組新人バンド、
BeepSpreeのフレッシュなステージから一転して、「JACK IN THE BOX」の目玉となるセッション第1弾がスタートする。まずは、ギルガメッシュのメンバーとTAKASHI(B / BUG)によるDIE IN CRIES「WEEPING SONG」のコラボレーションが実現。大先輩へのリスペクトを込めた左迅の力強い歌声と、TAKASHIの安定感のあるベースが絡みあい、オーディエンスを熱狂へと導いていく。2曲目は80年代に活躍したREACTIONの名曲「JOY RIDE」のセッションに。ここではREACTIONのベーシストYUKIが貫禄たっぷりのプレイを披露し、それに応えるようにkyoはシャウト混じりの熱い歌声を、Яyo(Dr)と弐(G)は激しくスピーディなアンサンブルを響かせた。続いてのセッションはメンバーの事前アナウンスがないまま、暗闇の中で突然スタート。ステージが徐々に明るくなり、逹瑯、ミヤ、TAKASHI、yukihiro(Dr /
大御所たちの名曲セッションのあとは、MAVERICK DC GROUPの重鎮
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出演バンドのトリとなる
シドのあとに行われたセッションコーナー後半戦では、結成20周年を迎えたL'Arc-en-Cielの楽曲をさまざまな組み合わせで演奏していく。最初の「REVELATION」は、SATOち(Dr / ムック)、ゆうや(Dr / シド)、ユウキ(Dr / BeepSpree)のトリプルドラムに合わせて、明希(B / シド)がベースを弾き、逹瑯が歌うというスタイルでド迫力のパフォーマンスを展開した。続いての「flower」ではken(G / L'Arc-en-Ciel)の名前がアナウンスされ、場内は大熱狂。しかしkenはイントロや間奏のブルースハープをマオのマイクに向けて吹くのみ。あとは花道でスモークを発射するなどのやりたい放題っぷりを発揮し、観客を笑わせた。最後のセッションバンドではついにhyde(Vo / L'Arc-en-Ciel)が登場し、会場からは悲鳴に近い歓声が沸き起こる。そんなhydeは「すいません、リハ行けなくて」と、Shinji(G / シド)、YUKKE(B / ムック)、シュンジ(G / BeepSpree)、テルヤ(G / BeepSpree)、コータ(B / BeepSpree)、ユウキ(Dr / BeepSpree)らのバンドメンバーと一緒に歌うのがこのステージが初めてであったことを明かし、「古い曲を歌いたくなって」という自身のリクエストによる初期のナンバー「The Rain Leaves a Scar」「Inner Core」を熱唱。オーディエンスを圧倒した。
「JACK IN THE BOX 2011」を締めくくるのは、出演者たちが一堂に会するMAVERICK DC SUPER ALL STARSの大セッション。まずはスクリーンに過去の「JACK IN THE BOX」の名場面が「永遠の街-THE "NOISE" CITY-」にあわせて映し出され期待感を高めていく。そしてムック、シド、ギルガメッシュ、BeepSpreeら若手たちが順番にステージに姿を見せ、マオの「先輩呼んじゃおうかな?」という期待を込めた言葉でhydeを呼び込む。彼の「Are you ready?」という叫びを口火に、L'Arc-en-Ciel「READY STEADY GO」の前のめりなイントロからセッションへとなだれ込んだ。
熱い歌声によるマイクリレーがファンの視線を集める横で、出演者たちはサインボールを客席に投げ込んだり、スモークを噴射したりとファンサービスに興じ、お祭り騒ぎに拍車をかける。そして紙吹雪を浴びながらhydeが「よいお年を!」と挨拶し、PAULが「See you!」とオーディエンスとの再会を約束。出演者たちが去ったあとも、場内には忘年会イベントにふさわしいにぎやかな空気が漂い続けていた。
「JACK IN THE BOX 2011」セットリスト
ムック
01. 路地裏 僕と君へ
02. 蘭鋳
03. アゲハ
04. フォーリングダウン
05. ファズ
06. 最終列車
07. ホリゾント
08. アルカディア
09. 名も無き夢
10. ニルヴァーナ
ギルガメッシュ
01. 新曲
02. 新曲
03. 新曲
04. 新曲
BUG
01. NEW WORLD
02. Gothic Romance
03. bugnoid
04. PROMISE
BeepSpree
01. Placebo
02. 希-nozomi-
03. farewell
MDC History Session #1
MDC HISTORY SESSION A "DIE IN CRIES 1991-1995"
01. WEEPING SONG
MDC HISTORY SESSION B "REACTION 1983-1989"
01. JOY RIDE
MDC HISTORY SESSION C "D'ERLANGER 1983-1990 2007-"
01. LA VIE EN ROSE
02. LULLABY
44MAGNUM
01. SOULS
02. I JUST CAN'T TAKE ANYMORE
03. STREET ROCK'N ROLLER
04. IN THE END
05. SATISFACTION
TETSUYA
01. EDEN
02. TIGHTROPE
03. 魔法の言葉
04. lonely girl
05. Roulette
06. Are you ready to ride?
シド
01. 証言
02. Dear Tokyo
03. ワイフ
04. 日傘
05. いつか
06. 冬のベンチ
07. 歌姫
08. one way
09. Sympathy
10. 眩暈
11. 2月
MDC History Session #2
MDC HISTORY SESSION D "L'Arc-en-Ciel 20th Anniversary Session #1"
01. REVELATION
MDC HISTORY SESSION E "L'Arc-en-Ciel 20th Anniversary Session #2"
01. flower
MDC HISTORY SESSION F "L'Arc-en-Ciel 20th Anniversary Session #3"
01. The Rain Leaves a Scar
02. Inner Core
MAVERICK DC SUPER ALL STARS
01. READY STEADY GO
MAVERICK DC HISTORYセッションメンバー
MAVERICK DC HISTORY SESSION Aメンバー
Vocal:左迅(ギルガメッシュ)/ Guitar:弐(ギルガメッシュ)/ Bass:TAKASHI (BUG)/ Drum:Яyo(ギルガメッシュ)
MAVERICK DC HISTORY SESSION Bメンバー
Vocal:kyo(BUG)/ Guitar:弐(ギルガメッシュ)/ Bass:YUKI(REACTION)/ Drum:Яyo(ギルガメッシュ)
MAVERICK DC HISTORY SESSION Cメンバー
Vocal:逹瑯(ムック)/ Guitar:ミヤ(ムック)/ Bass:TAKASHI(BUG)/ Drum:yukihiro(L'Arc-en-Ciel)
MAVERICK DC HISTORY SESSION Dメンバー
Vocal:逹瑯(ムック)/ Guitar:シュンジ(BeepSpree)/ Guitar:テルヤ(BeepSpree)/ Bass:明希(シド)/ Bass:コータ(BeepSpree)/ Drum:SATOち(ムック)/ Drum:ゆうや(シド)/ Drum:ユウキ(BeepSpree)
MAVERICK DC HISTORY SESSION Eメンバー
Vocal:マオ(シド)/ Harp:ken(L'Arc-en-Ciel)/ Guitar:ミヤ(ムック)/ Guitar:シュンジ(BeepSpree)/ Guitar:テルヤ(BeepSpree)/ Bass:コータ(BeepSpree)/ Drum:ユウキ(BeepSpree)
MAVERICK DC HISTORY SESSION Fメンバー
Vocal:hyde(L'Arc-en-Ciel)/ Guitar:Shinji(シド)/ Guitar:シュンジ(BeepSpree)/ Guitar:テルヤ(BeepSpree)/ Bass:YUKKE(ムック)/ Bass:コータ(BeepSpree) / Drum:ユウキ(BeepSpree)
(写真撮影:今元秀明、田中和子、石井亜希)
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