フォトグラファー・飛鳥井里奈プロデュースのもと、2024年10月に始動した5人組アイドルグループ・Chalca。韓国語でシャッター音を意味するグループ名を冠し、「一瞬も見逃せない」「心のシャッターを切りたくなる」存在を目指す彼女たちが、活動1年半の集大成となる1stアルバム「IN COLOR」をリリースした。
メンバーは工藤みか(ex. 群青の世界)、望月愛実(ex. DESURABBITS)、月永凜音(ex. nanoCUNEほか)、月嶺はるか(ex. SAIGO NO BANSAN)、YUINA(ex. WAgg、ex. CARRY LOOSE、ex. 2期BiS、ex. EMPiRE)の5人で、それぞれが異なるキャリアを歩んできた。音楽ナタリー初登場となるChalcaに、グループのコンセプト、「IN COLOR」の制作エピソード、5月20日に控える東京・UNITでのバンドセットワンマンへの意気込みなどをじっくりと語ってもらった。
取材・文 / 田中和宏撮影 / YOSHIHITO KOBA
あえての“ライブ撮影NG”「心のシャッターを切ってほしい」
──Chalcaはプロデューサーの飛鳥井里奈さんがカメラマンということもあり、写真にまつわるコンセプトが非常に徹底されていますね。まずはグループ名やコンセプトを初めて聞いたときの印象から教えてください。
YUINA Chalcaは韓国語で“カシャッ”というシャッター音を意味しているんですけど、最初に聞いたとき、純粋に「おしゃれだな」って思いました。
月永凜音 確かに、おしゃれだよね。
工藤みか 私はロゴがすごくかわいいなって思いました。デザインが洗練されていて、これから始まる活動へのワクワク感がありましたね。
月嶺はるか ロゴがかわいいっていうのは、私も最初に思いました。コンセプトも「一瞬も見逃せない、シャッターを切ってもらうような存在」ということで。楽曲の中に「カシャッ」っていう実際のシャッター音が入っていたり、振付の中にもカメラを構えるような仕草がちりばめられていたりして、視覚的にも聴覚的にも“写真”を感じさせる工夫がたくさんあるんです。
──今のアイドルシーンでは「ライブ中の写真撮影OK」というグループも多いですが、Chalcaは基本的にNGとしています。これにはどのような意図があるのでしょうか。
望月愛実 ファンの皆さんには、レンズ越しではなく「心のシャッター」を切って、私たちのパフォーマンスをしっかり目に焼き付けてほしいという強い思いがあるんです。今の時代、どうしてもスマホの画面越しにライブを観てしまいがちですけど、Chalcaのライブではその瞬間、その空間でしか味わえない熱量をダイレクトに感じてほしくて。
みか そうなんです。基本的には撮影NGにさせていただいています。その代わり、公式から出す写真や映像にはこだわっています。プロデューサーがカメラマンですから、スマホではなくプロのカメラで撮った、最高にカッコいい状態の私たちをSNSなどではお届けする。それがChalcaのスタイルです。
Chalcaには「1人でトイレに行けない子がいない」
──メンバーの皆さんは、それぞれ異なるグループでのキャリアを経て、Chalcaに集結しました。この5人がそろったとき、率直にどう感じましたか?
愛実 私は正直、ガッツポーズしました(笑)。オーディションのときはみんなのことを詳しく知らなかったんですけど、いざレッスンが始まって歌声を聴いたとき、「あ、このグループなら間違いなく上を目指していける!」と確信したんです。みんな基礎的なスキルが本当に高くて、プロとしての安心感がすごかった。
──キャリアがあるからこそのプロ意識のようなものは、普段の活動でも感じますか?
凜音 すごく感じますね。Chalcaはいい意味でみんな自立しているんです。「1人だとトイレに行けない」みたいな、常に誰かと一緒にいないと不安っていう子が1人もいない(笑)。
みか 確かに!(笑) みんなそれぞれが自分の世界を持っていて、自立しているよね。
凜音 みんな自立した考えを持ちながら、グループに寄り添い、自分の役割を理解している。馴れ合いではなく、根本的な価値観が似ているプロ集団、という感覚が強いかもしれません。
はるか ベタベタしすぎないけど、ステージの上では誰よりも信頼し合っている。その絶妙な距離感が、Chalcaのパフォーマンスの強さにつながっているんだと思います。
矢継ぎ早なボーカルリレー、ストイックな楽曲展開
──Chalcaの楽曲を聴いて驚くのが、歌割りがほぼ全編ソロパートのリレーで構成されている点です。これはかなりストイックな構成ですよね。
凜音 そうなんです。ユニゾンが全然ないんですよ。
はるか 基本的には1人ひとりが歌いつないでいくスタイルです。たまにペアで歌うことはありますけど、5人全員で合唱するパートはかなり少ないですね。
──なぜそのような、難易度の高い歌割りになっているんですか?
みか 全員がメインを張れる歌唱力があるからこそ、里奈さんがそういう挑戦的な歌割にしてくれているんだと思います。1人ひとりの声の個性を消したくない、という意図も感じますね。
凜音 私は逆に、もともと歌が苦手で、最初は1人で歌うパートが多いことにすごく葛藤がありました。Chalcaとして活動する中で「歌わざるを得ない状況」に追い込まれて、必死に向き合っていくうちに、今では歌うことがすごく楽しくなりました。これまで、自分の歌に特徴がないことがコンプレックスだったんです。でも、このメンバーに「りんちゃんの歌はまっすぐでいいよね」と言ってもらえて。捉え方1つでこんなに変わるんだなと思ったし、自分の歌に自信が持てるようになりました。
YUINA 私は以前いたWACKのグループで、全員が強制的に作詞をするようなストイックな環境を経験してきました。Chalcaでもその熱量は変わらなくて、1人ひとりが自分のパートに責任を持って、魂を込めてバトンをつないでいく。その緊張感が、Chalcaの楽曲に独特の熱量を与えているんだと思います。
──カミヤサキさんによる振付がかなりハードと伺いました。
凜音 明らかに難易度がおかしいです(笑)。アイドルの枠を超えて、ダンサーレベルの動きを要求されます。サキさんにはしっかり楽曲のこと、メンバーのことも考えながら振付をしていただいて。
みか サキさんの振付は、やってることの細かさが指先まですごく高いレベルにあるんです。特にアルバムに入っている「VI」は、「歌いながら踊るの?」っていうくらい激しいダンスなんですけど、意地でも踊らなきゃいけない。
凜音 初期の曲を振り返ると“ひよこちゃん組”に見えるくらい、新しい曲ができるたび、どんどん振付が難しくなっていて。特に「VI」はChalca史上最高の難しさですね。歌いながらこれを踊るのは、もはや今の私たちからすると意地です(笑)。でも、その限界ギリギリのパフォーマンスこそが、Chalcaの「革命の先駆者」というコンセプトを体現しているんだと感じています。



