THE 虎舞竜改めTHE TRA-BRYU「ロード」最新章で復興支援

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高橋ジョージ(Vo, G)率いるTHE 虎舞竜が「THE TRA-BRYU」に改名。11月2日にニューアルバム「Tears☆2011」をリリースすることが決定した。

THE TRA-BRYUはTROUBLEとして1982年にメジャーデビュー。来年2012年でデビュー30周年を迎える。

THE TRA-BRYUはTROUBLEとして1982年にメジャーデビュー。来年2012年でデビュー30周年を迎える。

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アルバムには、およそ10年ぶりとなる代表作「ロード」シリーズの最新章「ロード~君のぶんまで生きよう」など合計11曲を収録。「ロード~君のぶんまで生きよう」は、「ロード~第二章」「ロード~第三章」「ロード」の3曲をコンパクトにまとめて1曲として構成したもの。東日本大震災被災地へ送る“真の復興支援ソング”として作られたものだ。

アルバムリリースに先がけ、来週10月12日からはモバイル、PC配信がスタート。なお「ロード~君のぶんまで生きよう」の印税は、被災地への義援金として寄付される。

THE TRA-BRYU「Tears☆2011」収録曲

01. Tears
02. ロード~君のぶんまで生きよう
03. Get Your Life
04. CROSS ROAD
05. Fight or Flight
06. 理由なき反抗
07. too young
08. flower~反戦花
09. who's bad!?
10. GO!!GO!! 50's
11. ラブ・ラブ・ラブ

高橋ジョージ ライナーノーツ

Tears☆2011 2011年8月 高橋ジョージ

2011年8月13日…俺は53回目の誕生日を家族とニューヨークで迎えた。気がつけば早いもので、俺にとって来年2012年はデビュー30周年を迎えようとしてる。セントラルパークにある一角、ストロベリーフィールズと呼ばれる場所に沢山の花が添えられた「イマジン」のレリーフを見て娘が不思議そうに聞いてきた。「なんでこんな公園の道に花が置いてあるの?」「それはね…」小さな娘の手をつなぎ、ゆっくりと歩きながら偉大なジョン・レノンについて偲びながら話した。そうやって話していると妙に不思議に思えた。娘に話している内容は悲惨な事件だし、皮肉にも彼が歌った平和とは逆に、この街は10年前のテロ事件で壊滅的な状況になってしまった。おそらく想像を超える数々のドラマがあったのかもしれないが今はとても静かで大惨事が起こった事など信じられないほど平穏だ。そのちょうど十年後の今年、東日本に起こった3月11日…あの大震災の悪夢の事を考えると、この街のようにいつか必ず平穏な時が訪れる日がくる事を真剣に祈っている自分がいた。そして現在(いま)になって尚の事、愛と平和を歌った彼の精神は永遠なんだと本気で思えた。

俺等にとって、オリジナルアルバムは実に10年ぶりの発表になる。2001年の「9.11」の同時多発テロ事件から作り始めた「flower~反戦花」は自分の叔母と父親の戦争の実体験がもとになっている。9年前に見たグランド・ゼロで、戦争の傷跡を見て茫然とし、復興作業の瓦礫の中に咲いている小さな花を見つけた時、そんなに遠くない昔に戦争の為に病死した叔母の話を思い出して作った。「9.11」は戦争だけではなく地球がいろんな危機にさらされている現実を知らされ「who's bad!?」を書き上げた。「FLOWER~反戦花」でも原爆の悲劇を訴えたけど、今だって危機が隣り合わせなんだと警鐘を鳴らすべきだと思っていた。そして今年、福島原発事故が起こり、この「who's bad!?」だけは直ぐに録音してYouTubeへアップした。

「too young」「理由なき反抗」は俺の苦い⻘春時代がテーマになっているパーソナルな曲で「too young」は中学の頃、学校の放火事件の犯人と疑われた俺が、街中からシカトされた実話だ。さらに「Fight or Flight」でも「イジメ」をテーマにして俺なりの体験を背景に書いた曲だ。ありきたりな言い方になるけど「とりあえずでも生きろ!」って励ましたい。

アナログマルチテープにメンバー3人で一発録音でぶち込んだ「GO!! GO!! 50's」は今の俺のモチベーションをそのまま曲にしたロックンロールだ。大人が元気じゃないと日本がしょぼくれたままだと思う。このレコーディングに使ったアナログのテープマシンは最高なんだ。16chしかないけど、ぶっとい音が録れるから今後もメインに使うだろう。「Tears」は俺が18歳の時から頭の中にあったメロディで、ずっと温めてきた曲だ。でも詩はずっと書けなくて「ロード~君のぶんまで生きよう」をプリプロしている時に完成した。大震災直後見た、あるテレビのドキュメンタリーの番組の中で、父親と息子だけが生き残った3組の家族の中の一人の少年がこう言った。「僕も悲しいけど、僕が泣いたらパパはもっと悲しむから」その一言で「Tears」の歌詞が生まれた。この曲と「ロード~君のぶんまで生きよう」は同時に生まれた兄弟なんだ。この2曲とも鎮魂の祈りを込めて…。録音はあえて敬愛するジョン・レノンと全く同じ機材で、同じ録り方をしてみた。

「CROSS ROAD」「Get Your Life」「ラブ・ラブ・ラブ」の3曲は過去に発表した曲で「CROSS ROAD」「Get Your Life」はシングルになっていたけど絶対にアルバムに入れたかった曲で特に「Get Your Life」はキーを変えて再録音をした。「ラブ・ラブ・ラブ」は⻁舞⻯唯一のカバーソングで「ザ・タイガース」は俺にとってフェイバリットな存在、日本で最もリスペクトしているバンドで今年40年ぶりに再結成したんだ。まさしく「愛こそすべて」だと思う。

2011年3月23日に俺は故郷仙台に向かった。まだ高速道路は閉鎖されていて、ひたすら国道を走り続けた。実際に自分の目で見た風景はニュース映像とは違い愕然としてしまった。本当に変わり果てた風景に言葉がでなかった。なんとか身内は無事だったけど、みんな困っていた。その時に見たニュースの中で中学生の女の子が津波で家族全員を失ってしまって泣いていた。その子が言っていたんだ。「いつも夕食の時に家族で軽い口喧嘩になる。それが家の普通の風景だった。でももう二度とあんな喧嘩ができない。歌の歌詞にもあった『何でもないような事がしあわせだった』、本当にそう思う。3月10日に戻りたい…」。その時「ロード~君のぶんまで生きよう」を作ろうと決めた。復興ソングって言ったら臭いし、俺が歌ったらいかにも偽善的だ。訪れた避難所の庭で「ロード」「ロード~第二章」「ロード~第三章」を歌わせてもらった時見た、沢山の人たちの、千年に一度の「涙」。そして「この歌、今だからこそ歌ってください」と言ってもらった東京への帰り道に歌う事を決意した、「ロード~君のぶんまで生きよう」「2001」から「2011」までの10年間かけてやっと完成したアルバムは、ほぼ録音は終わっている。まだ納得のいかない箇所は東京に戻ってから仕上げようと思う。最高傑作にする為に…。

セントラルパークを娘のRENON(レノン)と一緒に歩きながら、あのダコタハウスの前に立った時、RENONがこう言ったんだ。「パパの今度のアルバムのタイトルさぁ『Tears』は?」って。

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