=LOVE、通称イコラブの通算20枚目のシングル「劇薬中毒」がリリースされた。
TikTokなどで大きな広がりを見せ、グループの知名度を押し上げた「とくべチュ、して」を筆頭に、最近はキュートなアイドルソングのイメージが強い=LOVEだが、重い愛を歌ったシリアスな楽曲も彼女たちの得意分野。“解毒不能”な恋愛に溺れる姿を描いた「劇薬中毒」はまさにその路線のラブソングで、音楽番組「CDTVライブ!ライブ!」の生放送で初披露されたときから大きな話題を呼んだ。
音楽ナタリーでは今回もシングル発売に合わせて、メンバーを2組に分けてのインタビューを実施。「劇薬中毒」とカップリング曲「モラトリアム」「お姫様の作り方」の聴きどころを語ってもらった。さらに4月18、19日の「=LOVE 8周年ツアー『=LOVE 8th ANNIVERSARY PREMIUM TOUR』FINAL in 横浜スタジアム」、6月20、21日のMUFGスタジアム(国立競技場)での「=LOVE STADIUM LIVE」と、大型ライブを控える現在の心境も聞いた。
取材・文 / 左藤豊撮影 / YURIE PEPE
国立競技場でのライブ開催は「まだ現実味がない」
──まずは、MUFGスタジアム(国立競技場)での「=LOVE STADIUM LIVE」の開催決定、おめでとうございます。1月のライブイベント内で発表された瞬間、メンバーの皆さんもすさまじいリアクションをされていましたが、現在はどのような心境でしょうか?
佐々木舞香 発表のときは事前に一切知らされていなかったので、本当に驚きました。そして今でも実感が湧いていなくて、現実味のない状態です。MUFGスタジアム(国立競技場)は、たぶん私たちが想像している以上に大きな会場だと思うので、「大丈夫かな……」という不安もあります。まだリハーサルも始まっていないですし、過去に同じ会場でライブをされた方のステージ構成などを参考に「私たちの場合はどうなるんだろう」と想像している段階です。
山本杏奈 私も舞香と同じで、驚き、喜び、不安といろいろな感情が混ざり合っています。いろいろな方から「すごいね、おめでとう!」とお祝いの言葉をいただいて、そのたびに「本当にMUFGスタジアム(国立競技場)に立てるんだ」と徐々に実感が湧いてきているところです。そして、このことに心から感謝しなければいけないと感じています。昨年の富士急ハイランド コニファーフォレストでの公演では、メインステージ以外にも会場内にいろいろなステージがあり、大きな会場でパフォーマンスをする難しさを味わいました。今回はそれ以上の規模になるので、メンバーみんなでしっかりと気持ちをひとつにしなければいけないですし、どの席に座っても同じように幸せを感じてもらえるよう、精一杯がんばっていきたいです。
──前作「ラブソングに襲われる」のインタビュー時、大場さんと佐々木さんが「チケットが当たらないという声を最近よく耳にします」「もっと大きな会場でコンサートをできるようになるしかない」と、もどかしさを口にしていました。だからこそ、4月の横浜スタジアム、そして6月のMUFGスタジアム(国立競技場)での開催決定はうれしかったはず。
大場花菜 「いつかこんな大きな会場で単独ライブができたらいいな」という気持ちはあったものの、実際に開催するにはたくさんの方々に=LOVEを見つけて、好きになっていただかなければならないと思っていました。=LOVEのライブを観たいと思ってくださる方が増えているんだと考えると、ただただうれしいです。
音嶋莉沙 私はライブ開催が発表されたとき、とにかくうれしい気持ちが一番にありました。ライブに行きたくても行けない方がいらっしゃる状況だったので、とても広い会場であるMUFGスタジアム(国立競技場)でのライブ決定は喜びでしかありませんでした。
野口衣織 最近もチケット抽選に落選してしまったという声を多く聞きましたが、「さすがに今回はチケットが当たるでしょう!」と思っています。
佐々木 そうだね。友達をたくさん連れてきてほしいです。
大場 家族も全員連れてきてほしい。
野口 =LOVEを好きでいてくださる方全員が会場に集まれるといいですね。
──でも、横浜スタジアム公演のチケットは早々に完売していましたよね。
大場 すごくびっくりしました。横浜スタジアム公演の開催が決まったとき「本当に埋まるのかな」と不安だったんです。それが完売だなんて!
音嶋 私も現実味がないのですが、指原(莉乃)さんからよく「あなたたちは自分が思っている以上に注目されているんだよ」と伝えていただいているので、しっかりと自覚を持たなければと感じています。
野口 横浜スタジアム公演の完売もMUFGスタジアム(国立競技場)でのライブ開催決定も、正直まだ信じられません(笑)。
──まだ実感が湧いていませんか(笑)。
野口 はい。ファンの皆さんの反応を見ると「あの場で発表されるのは東京ドームだと思っていた」と言っている方が多かったです。私たちとしても、東京ドームに立つという大きな目標をずっと持っていたので、MUFGスタジアム(国立競技場)の発表を聞いたときは衝撃を受けました。
──目標として大々的には打ち出してはいませんでしたが、「笑顔のレシピ」のミュージックビデオを東京ドームの前で撮影するなど、皆さんの東京ドームに懸ける思いはずっと大きかったと思います。だからこそ、さらに大きなキャパシティを持つMUFGスタジアム(国立競技場)でのライブが先に決まり、不思議な感覚もあるのでしょうね。
山本 どちらもすごい会場で、それぞれの場所に特別な意味があると感じています。東京ドームは私たちにとって、これまでも、そしてこれからも意味のある場所であることに変わりはありませんし、この先も東京ドームに向かって走り続けます。もっとも、私たちの最終的な目標は、今応援してくださっているファンの皆さんを笑顔にすること。皆さんの日常に彩りを添えることが私たちのやるべきことなので、どのような会場であっても1回1回のライブを大切にしたいと思っています。
ダークな歌詞にこそ指原さんの言葉の強さを感じる
──そして、20thシングル「劇薬中毒」が4月1日にリリースされます。表題曲はここ最近の=LOVEの楽曲とは異なり、激情的な愛を歌ったダークなラブソングになっています。
佐々木 前々作(18thシングル「とくべチュ、して / 恋人以上、好き未満」)、前作とかわいい系の楽曲が続いていたので、昔から=LOVEを応援してくださっている方は、そろそろダーク系の=LOVEを欲していたんじゃないかと思います。逆に、最近=LOVEを好きになってくれた方には「こんな一面もあるんだ」と新鮮に感じていただけたらうれしいです。「劇薬中毒」はパフォーマンス面でとても難易度の高い曲ですし、今の私たちだからこそ歌えるラブソングだと感じています。
野口 指原さんが書く歌詞は、心に刺さる素敵なものばかりです。かわいくてキャッチーな歌詞ももちろん好きですが、今回のような重い愛を歌ったダークな歌詞にこそ指原さんの言葉の強さを感じます。指原さんの書かれた歌詞を歌えることがすごくうれしいです。
──特に気に入っているフレーズを挙げるとしたらどこでしょうか?
野口 たくさんありますが、特に印象的なのは「褒めてくれた リップだけが 減っていった それが答えね」です。この1フレーズだけで、楽曲の主人公にとって相手がどれだけ特別な存在なのかが伝わってきます。そして、「それがないと 私とはもう 会ってはくれないのでしょうか」という歌詞も刺さります。褒めてくれたリップばかり使ってしまうほどに“あなた”が特別なのに、「お酒を飲む」という理由がなければ会えない関係なんだなと……歌詞を読み込めば読み込むほど胸が苦しくなります。
音嶋 私はラストのサビの「私が失くしたあなたとの幸せ 他の何処かで生きていませんように」というフレーズが好きです。「CDTVライブ!ライブ!」で初披露したあとにSNSの反応を見たら、この歌詞に共感したと言っている方が多かったです。この部分はメンバーみんなで扇形に手を広げる印象的な振付になっていて、歌詞と合わせて気に入っています。
──先ほど佐々木さんから「難易度の高い曲」という言葉がありましたが、この楽曲を表現するにあたってどのような挑戦をされたのでしょうか?
大場 レコーディングではスタッフさんから「情熱的な歌い方をしてほしい」と言われました。私はこれまでスッときれいに歌うパートを担当することが多く、感情を前面に出して歌う経験があまりありませんでした。Dメロの「だってあなたに もらったものが大きすぎるよ」という部分は、「もっと感情的に、もっと情熱的に!」とディレクションをいただいてレコーディングしたのですが、それがもう……すごく楽しくて! 「マイクの前でこんなに眉間にシワを寄せながら歌っている自分は初めてかも!」と思いました(笑)。今まで自分が蓄積してきたものを一気に解き放ったような感覚があります。
山本 振り入れをしたときには、その映像を観た指原さんから「もっと感情的にパフォーマンスしてほしい」というフィードバックをいただきました。全力で踊っているつもりでしたが、客観的に動画を確認すると「確かにこれじゃ伝わらないかも」と感じて、そこからみんなで徹底的に練習を重ねていきました。改めて私が感じたのは、パフォーマンスにおいて技術はもちろん、気持ちも大事だということ。「CDTVライブ!ライブ!」で披露した際、メンバーのみんなから気持ちの強さがすごく伝わってきて、私も一層気合いが入りました。
──今回、新曲の初披露の場が生放送の音楽番組という珍しい形でした。
山本 みんなとても緊張していました。楽屋の隅っこでセンターの1人である衣織がずっと歌い込んでいて、心の中で「がんばれ!」と思いました。また、重要なハモリパートを担当している(齋藤)樹愛羅が音程を確認している姿からも、必死に自分と戦っていることが伝わってきてカッコよかったです。本番ではDメロの舞香、花菜ちゃん、樹愛羅と(諸橋)沙夏のハモリと、歌声をつないでいく流れが最高で、一緒にパフォーマンスしながら震えました!
指原さんからの「ここ強めに踊ってください!」というリクエスト
──指原さんはXで、メンバーに「ここ強めに踊ってください!」とリクエストした、と明かしていました。それはどの部分なのか教えていただけますか?
佐々木 Dメロの最初、「嫌いになんて」のところの振付です。私以外のメンバーが首を振る動きをするのですが、そこについて「もっと激しく!」とリクエストいただきました。リハーサル時からみんなすごく気合いを入れて首を振っていて、本番の映像を観たらすさまじい勢いでした(笑)。本番後、沙夏が「Dメロ、すごく感情が入った! (出だしの)舞香の歌が今までで一番よかったから、こっちも感情が入ったよ!」と言ってくれて、お互いに高め合える関係でいられることに、私も喜びを感じました。
──感情をしっかりと込めて、皆さんとしても手応えを感じられた初披露だったんですね。
音嶋 実は私は昔からダーク系の楽曲の表現があまり上手ではなくて……。自分では真剣な表情を浮かべているつもりでも、どこかほほえんでいるように見られがちなんです。こういったシリアスな楽曲はひさしぶりなので、前作までのかわいい雰囲気とのギャップを見せられるよう、情熱的なパフォーマンスに取り組んでいます。
大場 莉沙のパートに「何も望んではいけない」というフレーズがあるのですが、ここのミュージックビデオのカメラワークがカッコいいです! 莉沙を中心にしてメンバーが手を伸ばすところを上から撮っていて、すごく臨場感のある映像になっているのでぜひ注目してほしいです。
──MVは劇薬を生成する研究所を舞台とした、ストーリー仕立ての映像になっていますね。
佐々木 研究所では、私の「幸せな記憶」を抽出して薬を作っています。その薬を飲むと幸せな気持ちになれる、という設定です。メンバーが研究員に扮して薬を生成しているのですが、その怪しい研究所に目をつけているのが、警察官の衣織です。
野口 私は潜入捜査官として研究所に潜り込みます。研究員たちに紛れて働くうちに秘密を知ってしまい、最終的に研究員の側に寝返る、というストーリーになっています。
山本 MVではアクションにも挑戦しました。
野口 私は銃の持ち方、構え方、歩き方などを指導していただきました。また、さなつん(諸橋)が吹き飛ばされて段ボール箱に倒れ込むシーンがあって、ここはかなり練習していました。
山本 あのシーンは沙夏じゃなきゃ、あそこまでうまくできなかったと思います。
野口 沙夏自身もアクションを楽しんでいたよね。本当にすごかったです。
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互いに褒め合う佐々木舞香と野口衣織


