再生数急上昇ソング定点観測 (2026年4月1週目) [バックナンバー]
timeleszは「完璧ではない日常」を肯定する / MAZZELが歩んだ軌跡と、その先に広がる未来 / 乃木坂46が突き付ける「努力=報われる」の崩壊
今、盛り上がっている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2026年4月3日 18:30 1
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで3月20日から3月26日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、1位に
BTS「SWIM」ミュージックビデオ
6位には
Snow Man「BANG!!」ミュージックビデオ
36位に登場したのは
星街すいせい「プリマドンナ」ミュージックビデオ
39位には
Ado「AiAiA」ミュージックビデオ
ボーイズグループ、アイドル、女性ボーカリストなど、さまざまなアーティストの新曲が並んだ今週は下記の3曲をピックアップする。
timelesz「GOOD TOGETHER」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場5位
今作は「一瞬一瞬を大切にしながら、みんなで勢いを増して進んでいく」というアルバムのコンセプトを体現した1曲だ。歌詞で描かれているのは「完璧ではない日常」を肯定し合える関係性の尊さ。「最高で最低で平凡で特別な今日」というフレーズに象徴されるように、喜びや不安が入り混じる日々そのものを受け入れ、「一瞬も、永遠も、楽しんでいこう」と前向きに歌い上げる姿勢が印象的だ。将来への悩みや気分の浮き沈みも、誰かと共有することで軽やかに変化していく。
さらに「以心伝心」や、七夕の彦星として知られる「アルタイル」といったモチーフが、離れていても通じ合う絆をさりげなく補強している。騒がしくも輝く時間を分かち合いながら、かけがえのない“今”を更新し続けていくことを歌った「GOOD TOGETHER」は、今のtimeleszを体現するポジティブな共生の物語として響いている。
なお筆者は、timeleszの
MAZZEL「Get Up And Dance」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場19位
MVは、グループの「これまで」と「これから」を詰め込んだボードゲームを舞台に展開される。「予定通りじゃないストーリー / でも全てが思い通り」という歌詞の通り、思いがけない出来事さえ味方に変えながら、前向きに進み続ける姿が描かれている。さらに、「ポンキッキーズ」のキャラクターである
パフォーマンス面では、
MAZZEL「Get Up And Dance」THE FIRST TAKE
乃木坂46「最後に階段を駆け上がったのはいつだ?」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場21位
一方で歌詞の主題となっているのは、「報われる保証がない世界で、それでも行動する意味」だ。象徴的に用いられる「階段」は人生の比喩であり、自分の足で登るしかなく、どこへ続くかもわからない不確かな道を示している。中でも「努力しても夢が叶うとは限らない」と明言することで、成功を前提とした価値観を否定し、現実の厳しさを冷静に描き出す点が特徴的だ。それでも主人公は立ち止まらない。行動の動機は結果や報酬ではなく、「何もせずにいることは生きていないのと同じだ」という切実な実感にある。
さらに後半では「もう失うものはない」という開き直りに近い覚悟がにじみ、再び踏み出す意志が示される。ラストの問いかけは、成果ではなく“最後に本気で動いた瞬間”をリスナーに突き付け、この楽曲が行動そのものの価値を問う作品であることを強く印象付けている。
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
バックナンバー
- (2026年3月4週目) NiziU「Dear…」にあふれる西野カナへの思い / ふみの「ホットライン」は何を歌っているのか / Vaundy「呼び声」が肯定する“半歩の前進”
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音楽ナタリー @natalie_mu
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