フジファブリック山内総一郎、ソロライブで提供曲セルフカバーも披露「愛おしい日々を作っていきたい」

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山内総一郎(フジファブリック)の初のソロライブ「山内総一郎 HALL LIVE『歌者 -utamono-』」が、4月9日に東京・昭和女子大学人見記念講堂にて開催された。

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)

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3月にアルバム「歌者 -utamono-」をリリースし、ソロ活動を本格始動した山内。今回のライブではアルバム収録曲のほかカバー曲も多数披露し、豊かな表現力で観客を楽しませた。

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)[拡大]

開演時刻を迎えた会場が暗転すると、1曲目「歌にならない」のイントロがゆっくりと流れ出した。ステージの緞帳が上がるとそこには山内と、バンドメンバーの名越由貴夫(G)、砂山淳一(B)、伊藤大地(Dr)、皆川真人(Key)の姿が。山内は大きなシャンデリアの下でマイクを握り、哀切な歌声を力強く響かせた。独特の浮遊感とポップネスに満ちた「地下鉄のフリージア」では山内がマイクを手にステージを行き来し、オーディエンスを喜ばせるひと幕も。山内は「『歌者 -utamono-』ライブへようこそ!」と挨拶し、この日のライブについて「“歌者”をテーマに、アルバム以外の曲もいろいろやっていこうと思います」と説明。バンドメンバーを紹介して「今夜はみんなで最高の夜にしましょう!」と意気込みを見せた。

続いて披露されたのは、中島愛への提供曲として山内が作曲を、フジファブリックの加藤慎一(B)が作詞を手がけた「サタデー・ナイト・クエスチョン」。山内もギターで加わり、オリジナルよりもロック色を強めたパフォーマンスを繰り広げる。さらに花澤香菜への提供曲「マイ・ソング」をまっすぐに歌い上げ、場内の熱気を高めた。曲が終わると、山内はセルフカバー2曲について「『歌者 -utamono-』をリリースした今の気持ちにリンクしているというか、同じ人が書いたんだとすごくわかるというか(笑)。なので今回やらせてもらいました」と紹介。そしてアルバム「歌者 -utamono-」に込めた思いを「1人の人間として、バンドマンとして、フジファブリックを愛する人間として、バンドを前進させる覚悟で魂をすべて歌に注ぎ込んだアルバムです」と熱く語った。

山内総一郎(撮影:森好弘)

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「今までたくさんの素敵な思い出を作ってこれたなと思うけど、そんな思い出に背中を押されて進んで行く人を歌にしました」と山内が紹介した次の曲は「大人になっていくのだろう」。山内はアコースティックギターをかき鳴らし、笑顔を交えながら美しい情景を歌った。ここでバンドメンバーがステージを離れ、1人残った山内によるアコギの弾き語りへと入る。ここでは山内が敬愛するアーティストたちの楽曲をカバー。スピッツ「チェリー」、奥田民生「息子」、THE YELLOW MONKEY「SO YOUNG」、くるり「ロックンロール」といった楽曲を、それぞれへの愛やリスペクト、感謝を語りながら披露していった。

一息ついた山内は再びバンドメンバーを迎え入れ、それぞれとの出会いのエピソードを和やかに語り合う。そして「たくさんの出会いや別れがあっても、変わらない思いや目標があるのは幸せだなと最近気付かされています」と自身の思いを明かし、「青春の響きたち」の壮大なメロディを歌い上げた。「風を切る」を疾走感たっぷりに披露したあとは「最愛の生業」のエモーショナルなアンサンブルで会場の一体感を高めた。

左から山内総一郎、名越由貴夫。(撮影:森好弘)

左から山内総一郎、名越由貴夫。(撮影:森好弘)[拡大]

山内は「アルバムが届けられて、ライブができて本当によかったなと思っています」と話し、来場者や配信を通じて楽しんだファンへの感謝を述べる。そして「改めて、フジファブリックに感謝したいと思います。ありがとう」と自身のバンドへの思いを明かした。「心を込めて歌いたいと思います」という言葉に続けて最後に披露されたのは「白」。山内は時折宙を見上げながら、丁寧な歌声を届けた。

アンコールでは1曲目に名越のギター、皆川のピアノをバックに「あとがき」をしっとりと聞かせる。観客の温かい拍手を受け、山内は「『歌者 -utamono-』に入っている曲はすべてやりました。とてもすがすがしい気持ちです」と笑顔を見せた。そして「最近は悲しい争いが起こっていたりちょこちょこ地震があったりして、何が起こるかわからない不安の中にいると思います。心の居場所がなかなかないような日々を過ごしている人もいると思います。でも今日の空間を少しでも愛おしいと思えたなら、それがあなたの居場所です」と語りかけ、「5月からフジファブリックはツアーやイベント、フェスもあります。この先もあなたたちの居場所、遥か彼方の日々につながるような活動をやっていきたいと思っています」と真摯に語った。

「山内総一郎 HALL LIVE『歌者 -utamono-』」の様子。(撮影:森好弘)

「山内総一郎 HALL LIVE『歌者 -utamono-』」の様子。(撮影:森好弘)[拡大]

そして山内はほんの数日前にできたという新曲「日々の産声」を披露。「愛おしい日々というものがあなたの居場所なら、その日々がどんどん生まれるような音楽を作っていきたいと思って作りました」という情熱のこもったバラードナンバーで、初のソロライブを締めくくった。

このライブのアーカイブ映像は4月16日23:59まで配信中。視聴チケットは16日21:00まで販売している。

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山内総一郎 HALL LIVE「歌者 -utamono-」2022年4月9日 昭和女子大学人見記念講堂 セットリスト

01. 歌にならない
02. 地下鉄のフリージア
03. サタデー・ナイト・クエスチョン(オリジナル:中島愛)
04. マイ・ソング(オリジナル:花澤香菜)
05. 大人になっていくのだろう
06. チェリー(オリジナル:スピッツ)
07. 息子(オリジナル:奥田民生)
08. SO YOUNG(オリジナル:THE YELLOW MONKEY)
09. ロックンロール(オリジナル:くるり)
10. 青春の響きたち
11. 風を切る
12. 最愛の生業
13. 白
<アンコール>
14. あとがき
15. 日々の産声

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