柏木が29日に22歳の誕生日を迎えることを記念し、東名阪3都市で開催されたこのライブ。生演奏のバンドメンバーとして橋本しん(Sin)(Key)、裕木レオン(Dr)、門馬由哉(G)、小林修己(B)、さらに柏木が大ファンを公言する太陽とシスコムーンの小湊美和(Cho)が参加し、各会場を熱く盛り上げた。この記事では最終日より第2部の様子をレポートする。
開演時刻を迎え、純白のセットアップに身を包んでステージに飛び出した柏木が最初に歌い始めたのは、エビ中もカバーした椎名林檎の「自由へ道連れ」。パワフルな歌声で、会場に集まったエビ中ファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)と、生配信を通じて楽しむ視聴者を惹きつけていく。大サビの直前、柏木が十分に溜めてから「……柏木ひなた22歳、道連れしちゃうぞ!」と笑顔を見せると、飛沫防止のため声を出せない会場のファミリーはオレンジ色のサイリウムを全力で振ってその言葉に応えた。
続いて柏木は安室奈美恵「How to be a Girl」を大人びた声で歌いファミリーを魅了。「あっという間にラストとなりました。でも今はすごく楽しいので、このまま楽しい気持ちでがんばります!」とファイナル公演を迎えた心境を笑顔で語ると、1人ずつバンドメンバーを紹介し、小湊を紹介する際には「私の耳は毎日幸せです(笑)」と憧れの人を自らのステージに迎えた思いを表現した。
そんな満面の笑顔でのMCから一転、続いては「お願いジーザス」を真剣な表情で情感たっぷりに歌い上げる。「I'll be here」はピアノやギターをフィーチャーしたアレンジと小湊のソウルフルなコーラスが、柏木の歌声の魅力をさらに引き立てる。その後は米津玄師の「Lemon」、そしてYOASOBI「夜に駆ける」と、過去のライブでも披露したカバー曲でファミリーを楽しませた。
幕間には柏木と小湊が連想ゲームに挑戦するVTRが上映される。「○○と言えば?」というテーマに2人は和やかに答えていくが、「太陽とシスコムーンの曲と言えば?」と尋ねられると2人の様子は急変。小湊が「私は『これがないとな』というのがある」と探りを入れると、柏木は「どれもないとダメなんですけど……」とファンならではの発言を挟みながら悩み抜く。最終的に2人の回答は「月と太陽」で一致し、「危ない! よかったー!」と大喜びしていた。
その後、色違いのスーツに着替えて登場した柏木と小湊は、デュエットで「月と太陽」を披露。2人の妖艶な歌声が重なり、オーディエンスを酔わせる。柏木は「ホントにいい曲ですね」とうっとりした表情を見せ、小湊は「(柏木は)教えなくてもフリが踊れるんで(笑)」と笑顔を見せた。さらに「次の曲も、もしかしたらみんなが待っていてくれた曲かも」という柏木の紹介から「光年の愛」へ。イントロでは柏木と小湊がアカペラで力強いハーモニーを響かせ、ファミリーを圧倒した。T&Cボンバーの「HEY! 真昼の蜃気楼」を息もぴったりの振り付けとともにパフォーマンスしたあとは、エビ中の「イート・ザ・大目玉」。ステージ上のモニターに脚をかけて熱唱する2人の姿に、ファミリーは狂喜してサイリウムを振り上げた。
憧れの人とのコラボレーションを終えると、柏木は「たくさん夢を叶えてくださってありがとうございました! これ以上ないプレゼントです。好きです」と小湊に感謝を述べ、小湊も「告られました(笑)。こんな姿を見られて、私も出てよかったと思いました」と返した。そして再びステージ中央に1人で立った柏木の「今日のライブが皆さんの中で一番くらいの思い出に残るようにがんばります」という言葉からライブは終盤戦へ。Negiccoの「江南宵唄」をしっとりと歌ったかと思うと、「チャイム!」では元気いっぱいにパフォーマンス。ラストナンバー「愛のレンタル」はグルーヴィなロックアレンジで披露され、柏木はさまざまな表情を見せながら高らかな歌声を響かせた。
アンコールを求める手拍子に応えて再びステージに姿を現した柏木は、この季節にぴったりの「春休みモラトリアム中学生」を熱唱。柏木と小湊の息のあった掛け合いで、フロアは大いに盛り上がった。温かみのあるアレンジに乗せてBUMP OF CHICKEN「ray」を歌ったあとは、エモーショナルなエビ中ナンバー「涙は似合わない」。柏木は目をうるませながらも、笑顔で会場の隅々までその声を届けていた。
これですべての曲が終わったかと思いきや、柏木は「まだ終わらないんです! ここで今日初披露の曲をやりたいと思います。私のオリジナル曲ができました」と新曲の初披露を宣言し、ファミリーを驚かせる。「誕生日に皆さんの前で披露できるのがうれしい」と話した柏木が歌った新曲「Take your Original」は、ロイ-RoE-が作詞を手がけたというR&Bチューン。自身のパーソナリティを反映した歌詞を柏木はクールに歌い上げ、生誕ライブを締めくくった。
「緊張した! カッコよかったでしょ?」と柏木は安堵の表情を見せ、バンドメンバーやファミリーとともに記念撮影を行った。メンバーを送り出し、1人ステージに残った彼女は「私はライブがすごく好きだけど去年は全然ライブができなくて、みんなに会える機会もなかなかなくて。自分にとってライブは『生きてる』って感じられる場所です」と、コロナ禍でライブの機会を奪われた昨年を振り返る。そして涙をこぼしつつ「私は自分に全然自信がないけど、ステージに立っている瞬間だけは輝いていると思っています。やっぱり歌うことが大好きだとこの生誕祭で感じることができました。今回、自分が音楽にすごく救われた分、自分が作る音楽や歌う歌で皆さんに恩返しができればと思っています」と熱い気持ちを語り、大きな拍手を浴びていた。
最後に柏木は「今年、エビ中には新メンバーが入って新しく生まれ変わります。新しく入ってきてくれる仲間と一緒に、エビ中として大きく成長していきたいです」と、新メンバーオーディション中のエビ中の今後についても意気込みをアピール。涙を拭いて笑顔を見せると、大きく手を振りながらステージをあとにした。
柏木ひなた生誕ソロライブ「over the moon」2021年3月29日 Zepp DiverCity TOKYO 第2部 セットリスト
01. 自由へ道連れ(オリジナル:椎名林檎)
02. How to be a Girl(オリジナル:安室奈美恵)
03. お願いジーザス(オリジナル:私立恵比寿中学)
04. I'll be here(オリジナル:私立恵比寿中学)
05. Lemon(オリジナル:米津玄師)
06. 夜に駆ける(オリジナル:YOASOBI)
07. 月と太陽(オリジナル:太陽とシスコムーン)
08. 永遠のトリニティー(オリジナル:てんかすトリオ)
09. 光年の愛(オリジナル:おひたし)
10. HEY! 真昼の蜃気楼(オリジナル:T&Cボンバー)
11. イート・ザ・大目玉(オリジナル:私立恵比寿中学)
12. 江南宵唄(オリジナル:Negicco)
13. チャイム!(オリジナル:私立恵比寿中学)
14. 愛のレンタル(オリジナル:私立恵比寿中学)
<アンコール>
15. 春休みモラトリアム中学生(オリジナル:私立恵比寿中学)
16. ray(オリジナル:BUMP OF CHICKEN)
17. 涙は似合わない(オリジナル:私立恵比寿中学)
18. Take your Original全文を表示※記事初出時、本文中「HEY! 真昼の蜃気楼」のタイトル表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
関連記事
リンク
あなたにおすすめの記事
J_ROCKNews @J_ROCKNews
エビ中柏木ひなた、憧れの小湊美和と誕生日デュエット「これ以上ないプレゼントです」 https://t.co/kF1aFDIHya