秦基博、初のアリーナツアー福岡で完遂「これからもいろんな場所に歌を届けに行きたい」

秦基博の初となるアリーナツアー「HATA MOTOHIRO 10th Anniversary ARENA TOUR "All The Pieces"」が、12月23日の福岡・マリンメッセ福岡にてファイナルを迎えた。

佐藤帆乃佳率いる8人編成のストリングス、All The Pieces Stringsが美しく厳かなサウンドを奏でる中、あらきゆうこ（Dr / smorgas、MI-GU）、鈴木正人（B / LITTLE CREATURES）、皆川真人（Key）、弓木英梨乃（G / KIRINJI）というおなじみのバンドメンバーと共に、秦がステージに登場。デビュー10周年記念ツアーの最終公演は「青い蝶」でスタートした。続けて始まった「キミ、メグル、ボク」「色彩」では客席が総立ちになり、序盤ながら会場の盛り上がりは最高潮。曲によって色が変化するLED電飾「V-TUBE」が数百本ステージに立ち並ぶという、豪華な照明演出が秦の歌声を彩った。

一旦ストリングスが抜けるとライブの雰囲気が一転。鈴木のベースとあらきのドラムによるグルーヴが妖しげな雰囲気を生む「赤が沈む」、ファルセットボイスが印象的な「ディープブルー」と、独特の世界観を持った曲が繰り出される。「福岡に来るのは、今年の『青の光景』ツアー以来です。1年に2回も福岡でライブができて幸せです」とうれしそうに話した秦は、新海誠監督アニメ映画「言の葉の庭」のエンディングテーマになった大江千里のカバー「Rain」を歌唱。まるで会場に雨が降っているかのように、「V-TUBE」が無数の青い線に変わった。

その後、客席中央に設けられたセンターステージへ移動した秦は、今回のツアーで行ってきた特別企画「ピースの窓口」を始めた。この企画は秦にゆかりのある著名人から質問や悩みがVTRメッセージで届くというもので、これまでの会場では、いきものがかり、KAN、レキシ、スキマスイッチ、森山直太朗、大沢たかお、優香といった面々からメッセージが到着。最終日は公私ともに交流のある平井堅がVTR出演し、「その豊かな毛量を保つ秘訣を教えてください」という平井からの質問に、秦は苦笑しながら「『いち髪』を使っています」と過去に自身がCMソングを歌った商品をアピールした。

秦はその後もセンターステージに残り、観客に囲まれながらアコースティックギターの弾き語りで「アイ」「Sally」を披露。メインステージに戻った後はバンドと共に、デビュー曲「シンクロ」や「Q ＆ A」「終わりのない空」などのアッパーチューンを連発し、弾き語りパートとの緩急をみせた。「スミレ」ではミュージックビデオに登場する“スミレダンス”を会場中の観客が踊り、一気に楽しい雰囲気に。本編ラストは皆川による美しいウーリッツァーの音色と共に、秦は最新シングル「70億のピース」を情感たっぷりに歌いあげた。

アンコールに応えて再登場した秦は、ストリングスのみのシンプルなアレンジで「朝が来る前に」を歌唱。その幻想的で美しい響きに観客は息をのんだ。秦はその後、アリーナツアー初日に発表されていた来年開催の神奈川・横浜スタジアム単独公演の日程が5月4日に決まったことを発表。そして「本来なら次の曲で終わるんですが、今日はクリスマスイブイブということで……僕から聖なる夜の贈り物をプレゼントします！」と言って、自身唯一のクリスマスソング「聖なる夜の贈り物」を丁寧に歌い上げた。最後に彼は「デビューして10年が経ちましたが、これからもいろんな場所に、歌を届けに行きたいです」と感慨深げにコメント。「ひまわりの約束」でデビュー10周年記念アリーナツアーを締めくくった。

横浜スタジアムでのワンマンライブのチケットは、秦のオフィシャルファンクラブ・Home Groundにて12月29日15:00から1月15日23:59まで先行予約の受付が行われる。