表情豊かな歌声で魅了したハナレグミ弾き語りライブ

ハナレグミが11月1日に東京・東京グローブ座にてワンマンライブ「弾きが旅ばっ旅 ～2015 ホール編～」を行った。

最新アルバム「What are you looking for」を携えて8月より「弾きが旅ばっ旅」と題した弾き語りツアーを展開してきたハナレグミ。この記事では追加公演として実施された東京グローブ座公演の2日目の模様をレポートする。

2部構成で行われたこの日のライブ。開演SEに合わせて永積崇が軽やかにステップを踏みながらステージに登場すると、客席から大きな拍手と歓声が上がる。彼はステージ中央に設置された椅子に腰を掛けて、おもむろにアコースティックギターを爪弾くと最新アルバム「What are you looking for」の収録曲「祝福」でライブをスタートさせた。続けて「あいのこども」や、くるりのカバー「男の子と女の子」といったメロウな楽曲が演奏され、温かで深みのある歌声がゆっくりと会場を満たしていく。開放感あふれる「音タイム」を歌い終えると永積はMCで、モロッコを旅行した際、ひょんなことからこの楽曲を現地の人々に弾き語りで披露することになったエピソードなどを話して会場のムードを和ませた。そして、大沢誉志幸のカバー「そして僕は途方に暮れる」や「きのみ」などしっとりとした楽曲を丁寧に歌い上げ、「あいまいにあまい愛のまにまに」では一転、ギターをラフにかき鳴らしながら力強い歌声を聞かせる。１部の最後に演奏された「明日天気になれ」では晴れやかな歌声をホールいっぱいに響かせ、満面の笑みを浮かべながら観客とコール＆レスポンスを繰り広げた。

ステージ2部はエレキギターの弾き語りによるキリンジ「エイリアンズ」のカバーで幕開け。サイケデリックな照明がステージを照らす中、永積はディレイを効かせた幽玄なギターの音色と繊細なファルセットボイスで幻想的な世界観を紡ぎ上げていく。スチャダラパー feat. 小沢健二「今夜はブギーバック」のラップパートを織り交ぜた「大安」や西岡恭蔵「プカプカ」のカバーで客席を陽気に盛り上げたのち、2部の中盤ではカーティス・メイフィールド「People Get Ready」やボブ・ディラン「Don't Think Twice, It's All Right」の日本語カバーをじっくり届けるなど、バラエティ豊かな選曲を通じて、持ち前の表情豊かな歌声で観客を大いに魅了した。本編最後に届けられた「おあいこ」では赤裸々な感情をあるがままに歌い上げるような迫真のパフォーマンスが展開され、観客はステージ上の彼の姿を息を呑むようにして静かに見守っていた。

アンコールの声に応え再びステージに登場した永積は、「今日のアンタたちも、いいぜ」という言葉から、女性の魅力について歌う「いいぜ」を披露。今回のツアーで編み出したという、男性客のみに「いいぜ」というフレーズを合唱してもらう演出を繰り広げて会場を盛り上げる。そしてアンコールの最後に「光と影」をソウルフルに熱唱しライブの幕を下ろした。

なおハナレグミは2016年1月20日の愛知・名古屋市公会堂を皮切りに全国9都市を回るバンドスタイルでのツアー「Tour What are you looking for」を実施。3月21日の沖縄・ミュージックタウン音市場公演でツアーファイナルを迎える。