先日リリースしたニューアルバム「WINDOW」を携えて野音のステージに立ったスペアザ。当初この日の天気予報は雨だったが、晴れバンドの彼らの力か昼過ぎから晴れ間も覗く天気に恵まれ、開演時刻を迎える頃には空に三日月が浮かぶほどの野外ライブ日和となった。
おなじみのSEをバックにメンバーが姿を見せると観客は総立ちになり、大歓声を上げる。最新のアーティスト写真と同じシックな装いで登場した4人は、楽器を手にすると挨拶代わりにセッションを開始。ほどよくリラックスしたムードを作り出したところで、柳下“DAYO”武史(G)のアルペジオが曲の幕開けを告げる「SPE TRAIN」を奏で始めた。メンバーは視線を交わしながら陽気なアンサンブルを紡ぎ、オーディエンスの体をゆっくりと揺らしていく。さらに芹澤“REMI”優真(Key)が奏でる旋律が高揚感を誘う「Good Morning」、柳下がかき鳴らす歪んだエレキギターが疾走感たっぷりに響くスペアザ流ロックチューン「Tomorrow」などを続けて届けた。観客の盛大なクラップが響き、野音に一体感が作り出された「PB」では、普段はクールなプレイで魅せる又吉“SEGUN”優也(B)が激しい動きとともに、太いグルーヴを作り出した。
MCは自ずと天気の話になり、芹澤は「お足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます」と雨など降っていない空を見上げ、「降水確率70%ってだいたい雨ですよね?」と続ける。宮原“TOYIN”良太(Dr)が「皆さん、(雨雲を)吹き飛ばしておきましたから」と口にすると、芹澤は「2兆くらいかかりましたから!」と続けて観客を笑わせた。トークで観客を和ませたところで4人は1st SETのラストナンバーとして「Good Luck」をプレイ。宮原の「2nd SET楽しみにしててください」という言葉とともにインターバルに入った。
2nd SETのオープニングナンバーは、曲の展開とともに加速していく「I'LL BE BACK」。続く「BEN」は、ほんのりミステリアスなフレーズを盛り込んだアレンジで披露され、“最新のSPECIAL OTHERS”サウンドが観客に届けられた。さらに、芹澤の吹く鍵盤ハーモニカの音色がノスタルジックな空気を会場にもたらす「AIMS」とライブの定番曲が続いた。
「スペスペのアザアザの野音野音ですね!」と宮原は上機嫌で話し出すと、「晴れバンド伝説守ったね!」と満面の笑みを浮かべる。芹澤は「雨で俺らも流されるのかなと思ったけど、俺らもまだまだ持ちそうだね」とユーモアを交えながら今後の飛躍を誓い、又吉は「天気、もってよかったね。これもみんなのおかげだね」と感謝の思いを観客に伝える。さらに宮原は「私たちがオジさんになっても野音に来てくれるの? 派手な動きはとても無理よ。若い子には負けるわ」と森高千里の「私がオバさんになっても」の歌詞を引用しながらトークを繰り広げ、観客の笑いを誘う。そして4人は、オレンジのライトがステージを柔らかく包む中で本編のクライマックスを「LIGHT」で彩った。
アンコールの声に呼ばれステージに戻ってきた4人は、来年迎えるデビュー10周年に向けての意気込みや、来たる全国ツアーへの思いを語ったのち、「Laurentech」で再び野音に熱狂をもたらす。メンバーの歌声にあわせて、観客のシンガロングも響きわたり、心地よい余韻を残してこの日のライブはフィナーレを迎えた。
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SPECIAL OTHERS「QUTIMA Ver.19 SPECIAL OTHERS 野音2015」
2015年10月17日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト
1st SET
01. SPE TRAIN
02. Good Morning
03. Tomorrow
04. STAR
05. PB
06. Good Luck
2nd SET
07. I'LL BE BACK
08. BEN
09. IDOL
10. AIMS
11. LIGHT
<アンコール>
12. Laurentech
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志池 一利 @cazoo_ck
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