今年も「フジロック」の季節がやってきた。
我が家にとっては夏の一大イベントである「FUJI ROCK FESTIVAL」。2016年に思いがけずフジロックデビューを果たした筆者は、その魅力に取り憑かれ、それ以降毎年のように苗場に足を運んでいる。コロナ禍で開催が断念された2020年を経て、2021年は参加を検討したが、初夏に妊娠が発覚したため、大事を取って東京で留守番。家のバルコニーでラムチョップを焼きながら配信で楽しんだ。
そして2022年末に第1子が誕生。まだほやほやの赤子を連れてのフジロックへの参加は無謀かと思われたが、友人たちの後押しもあり、なんと0歳7カ月の娘を連れて「FUJI ROCK FESTIVAL '23」に参加した。もちろん昨年も現地に足を運び、今年も前夜祭から4日間参加する予定だ。大人だけで楽しむフジロックはとんでもなく楽しいが、子供と一緒のフジロックもまた違った楽しみ方がある。筆者なりの子連れフジロックの楽しみ方をここで紹介したい。
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子連れフジ、何を持っていく?
まず前提として、筆者はアウトドアが苦手だ。そのためキャンプ組とは少し勝手の違う話になることを許してほしい。仲間たちと近隣の宿を取ってフジロックを楽しんでいることもあって、赤ん坊のコンディションがいいときだけ会場に行き、あとは宿で配信を観て楽しめばいい。そう割り切って、0歳7カ月の娘を連れたフジロックに踏み切った。
歩けない赤子を連れたフジロックは抱っこ紐が必需品。筆者はMiaMilyというメーカーのヒップシート付き抱っこ紐で赤ん坊を抱え、前夜祭から苗場入りした。10kgにも満たない赤子でも1日中抱っこはさすがにキツい。そんなときに役立つのが悪路もスイスイ進める3輪ベビーカーのエアバギーだ。レジャー用と割り切ってメルカリで中古品を購入した。GREEN STAGEとWHITE STAGEの間の根っこがぼこぼこ出ている通路だって、ガタガタのボードウォークだってエアバギーならスーイスイ。積載量はあまりないが、リュックと併用してなんとか必要なものは積み込めた。
子供のライブ観覧には、防音効果のあるイヤーマフも欠かせない。1歳の頃まではMUMBAの防音イヤーマフを着用し、場内を回った。注意事項として挙げられるのは、子供にいきなり渡しても着けてくれない可能性が高いこと。我が家では日頃からおしゃれアイテムとして取り入れ、当日もしっかり着用してくれたので、安心してフジロックを楽しめた。フジロック以外にも使っていたためうちのMUMBAはかなり年季が入ってきてしまい、2歳になった今年は3Mのイヤーマフを購入。MUMBAよりもホールド感がある3Mの防音イヤーマフは、かわいらしいフォルムがコーディネートのアクセントにもなりそうだ。
歩けるようになってからの足元はKEENに頼りっぱなし。ニューポートというモデルはかかとからつま先までしっかり覆ってくれるため安心感がある。昼間は素足で履いてそのまま川遊びができるし、日が落ちて寒くなってきたらソックスを合わせておしゃれな足元に。カラフルなアイテムは避けられがちだが、いろんな色が入っているほうが意外とどんなコーディネートにもはまる。
フジロックの夜は想像以上に暗い。幻想的なライトアップや、サイケに光る装飾はあるものの、懐中電灯を使って周囲を照らしながら移動するほどの暗さだ。そんなときに子供が喜ぶのが、光るアイテム。ポキっと折って光るケミカルライトもいいが、筆者のオススメは光るシュシュ。物珍しさからか着けてるだけで人気者になれるし、とにかく目立つため、暗い場所で我が子が目印に。エアバギーもデコトラのごとくがっつりLEDライトで装飾して、毎回エレクトリカルパレード状態にしているため、友達から見つけてもらいやすく、そういった点でも“デコベビーカー”はとてもオススメだ。
そのほかの必携グッズは、お菓子、水筒、ウェットティッシュ、小さな椅子、レジャーシート。余力があれば子供用のサングラスもオススメしたい。娘はこども ビームスで購入したIZIPIZIのベビーサングラスを0歳から愛用しており、今年は新たにハート型のサングラスをZARAで購入した。それとおむつなどの衛生用品と暑さ&雨対策さえできれば、申し分なし。
子連れで楽しめるエリアは?
筆者の子連れオススメエリアはKIDS LAND、ところ天国、Gypsy Avalon、Sky Grass、PYRAMID GARDENの5つ。KIDS LANDはその名の通り、子供が遊ぶためのスポットで、滑り台やお絵描きボード、ちょっとした楽器などなど、さまざまなお子様ホイホイが待ち構えている。今年もあるかはわからないが、例年ここにある小さなメリーゴーランドが娘のお気に入りで、夕方以降は穴場なのかガラガラで何度も何度も乗っていた。レトロな雰囲気もかわいい。
ところ天国ではもちろん川遊び。フジロック名物であるゴンちゃん(※アーティストのロバート・ゴードン・マクハーグ三世が生み出したフジロックのキャラクター。カラフルにペイントされた石に目が描かれている)を探したり、水をかけ合ったり、子供と楽しい時間を過ごすことができる。ところ天国のフードエリアには、ラーメンやナポリタン、ポテトなど、子供が喜ぶフェス飯がそろっているのもありがたい。川のせせらぎとWHITE STAGEからの音漏れを聴きながらごはんを食べるのもまた一興だ。
WHITE STAGEのそのまた先にあるGypsy Avalonはアコースティック編成のアクトがほとんどのため、子供たちの耳にも優しいステージがたくさん。2025年は2日目の11:00から「エビカニクス」でおなじみのケロポンズがくまモンとともに登場。3日目はNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の楽曲も手がけるレ・ロマネスクがトップバッターを務める。傾斜に座ってライブを観覧する作りになっているため、小さな子供でもしっかりとステージを観ることができるのもうれしいポイントだ。ただしこのステージ、めちゃくちゃ暑い。日陰を陣取るか、暑さ・日焼け対策を万全にして臨んでほしい。またこの付近では子供向けのワークショップも複数展開されており、娘は昨年、オリジナルのバッグを作って楽しんでいた。
RED MARQUEEの奥地にはドラゴンドラというゴンドラの乗り場がある。これに乗って行けるのがSky Grass(旧:Day Dreaming)というエリアだ。25分ほどかけ、たどり着いたSky Grassは、シャボン玉が飛んでいたり、虎や河童の着ぐるみがはしゃいでいたりと、降り立った瞬間から「ここは音楽フェスの会場なのか……?」と思うほどの異空間。民族楽器やキッズ向けのDJを体験できる子供向けのコンテンツはもちろん、大人はレストラン アルムのエアコンが効いた室内で食事を楽しめるのもうれしい。注意点は、乗り場までの坂がとにかくキツいのと、山の上なので電波が弱く電子マネー決済にエラーが出やすいこと。現金を持って坂道を上り、ドラゴンドラに乗れば、そこは天国です。
PYRAMID GARDENも常設の遊具で遊べたり、子供向けのワークショップがあったりと、子供に手厚いスポット。代々木公園エリアで人気のLittle Nap COFFEE STANDが提供するコーヒーは至福の一杯だ。クラフトビールやイカ焼き、エスニックフードなども販売されており、のんべえにもたまらないラインナップがそろっている。
おむつ交換や授乳はどこでできる?
KIDS LANDはもちろん、救護テントでもおむつ交換や授乳は対応可能。0歳の頃は救護テントに本当に助けられた。GREEN STAGEやWHITE STAGEの横、OASIS付近など、さまざまな場所にある救護テントに「おむつ交換したいのですが……」と声をかければ、スタッフが快くベッドを空けてくれる。ベビーカーを押した状態のトイレ問題も、優先トイレに一緒に入れば解決。ただし優先トイレの数は少ないため、さっさと立ち去るのが鉄則。譲り合い精神を大切に。
たいしてライブを観られないのになぜ毎年行くのか
アウトドアが苦手な筆者が、子連れで思うように回れないのになぜ毎年フジロックに行くのか。それは夏のレジャーを一気に楽しめるからに尽きる。外で音楽を聴き、酒を飲み、子供たちが大声を出して遊んだって誰からも怒られない。家の近くではできない体験がたくさんあり、フジロックに来るだけで夏の思い出をしっかりと作れるからだ。宿さえあれば、大人が交代で子供を見守り、夜中のライブを観に行くこともできるし、おいしいごはんを好きな時間に食べることもできる。こんな経験ができる場所はなかなかない。だからこそ、前夜祭の前日までになんとか仕事を納め、筆者は7月末の週末、苗場へと向かう。15歳以下は無料なのもありがたい。子供が嫌と言うまでは毎年の恒例行事としてフジロックに足を運びたい。
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つっち〜(๑・̑◡・̑๑) @bdapt_
0~2歳と行く「フジロック」の楽しみ方 https://t.co/oeYiulR0t7
これ読んだら来年長女だけでも連れてフジロック行き手ェ〜