乃木坂46の5期生がレギュラー出演する日本テレビの音楽バラエティ番組「超・乃木坂スター誕生!」のBlu-ray BOX第4巻が10月22日にリリースされた。
2022年春にスタートした「新・乃木坂スター誕生!」、その後およそ2年にわたって放送された「超・乃木坂スター誕生!」と、グループ加入から現在までの5期生メンバー11人の奮闘ぶり、成長ぶりを届けてきたこのシリーズもついに完結。Blu-ray BOX第4巻では、「超・乃木坂スター誕生!」全80回のうち終盤20回の模様がたっぷりの特典映像とともに楽しめる。本稿では乃木坂46を結成時から取材し続けているライター西廣智一がBlu-ray BOX第4巻の見どころを解説する。
文 / 西廣智一
番組とともに成長した5期生メンバーの足跡
乃木坂46 5期生が昭和・平成の名曲と最新ヒットソングをカバーすることで人気を博したテレビ番組「超・乃木坂スター誕生!」。2023年4月から2025年3月までの2年間にわたり全80回が放送されたこの番組の、終盤20回(#61~#80)が凝縮された映像作品「『超・乃木坂スター誕生!』Blu-ray BOX第4巻」が10月22日にリリースされた。2022年4月から1年間オンエアされた前身番組「新・乃木坂スター誕生!」を含めると、乃木坂46 5期生は約3年にもわたり「乃木坂スター誕生!」シリーズの歴史を引き継いできたことになるが、これは2022年2月にグループに加入した彼女たちの歴史とも重なる。そういう意味では、今回の「『超・乃木坂スター誕生!』Blu-ray BOX第4巻」に収録されたエピソードの数々は約3年間の集大成と呼べるのではないだろうか。
番組開始当初こそ初々しさや緊張感をにじませていた5期生の面々も、今や先頭に立ってグループを牽引する存在へと成長。今春にリリースされた38thシングル「ネーブルオレンジ」でダブルセンターを務めた井上和&中西アルノをはじめ、5期生の11人全員が選抜経験を持つなどその活躍ぶりには目を見張るものがある。そんな彼女たちが番組終盤ではもはやスター級の輝きを放っており、随所で堂々とした歌唱&パフォーマンスを堪能することができる。
グループ加入間もない頃はプレッシャーから涙するメンバーの姿も見受けられたソロ歌唱においても、RUI「月のしずく」(#65)を披露した冨里奈央はMCのオズワルドから「すごく歌がうまくなりましたね」と絶賛され、3年前とは違った涙を見せる場面も。小川彩は菅田将暉「まちがいさがし」(#66)を透明感のある歌声でストレートに表現し、五百城茉央は視聴者からのリクエストで披露した手嶌葵「テルーの唄」(#72)にて約40秒にもおよぶアカペラを堂々と披露。川﨑桜は松田聖子「SWEET MEMORIES」(#76)で大人びた表現を交えながら甘いボイスを聴かせてくれた。
また奥田いろはは、昨年11月に横浜アリーナで開催された「超・乃木坂スター誕生!LIVE」で歌唱する予定も体調不良のため披露できなかった平井堅「ノンフィクション」(#75)を、満を持してスタジオで熱唱。優しさの中にも強い意志や熱が感じられる彼女のボーカルに五百城が感涙するなど、スタジオが温かな空気に込まれた。
ほかでは見られない組み合わせ&豪華ゲストとのコラボ
さまざまなメンバーの組み合わせによる歌とダンスを楽しめるのも、この番組の見どころのひとつ。一ノ瀬美空や岡本姫奈、菅原咲月がパーティ感満載のダンスを見せるKEYTALK「MONSTER DANCE」(#61)、それぞれ個が際立つ井上&中西が互いに歩み寄りながら絶妙な調和を見せる米津玄師「Lemon」(#67)、五百城&冨里のダンスとともに奥田と菅原が豪快な歌声を轟かせるT.M.Revolution「WHITE BREATH」(#68)など、今回のBlu-ray BOXでも数々の名場面を楽しむことができる。
そんな中、「アイドルSP!」と銘打って放送された#62では、池田瑛紗が松田聖子「ピンクのモーツァルト」をキュートに歌い上げたほか、ハロー!プロジェクトの大ファンである菅原がハロプロ愛を熱弁。菅原は一ノ瀬や井上、小川、奥田とともにモーニング娘。「わがまま 気のまま 愛のジョーク」を熱のこもった歌とともにパフォーマンスする。川﨑と冨里はゲストの渡辺美奈代とともに、渡辺のヒット曲「PINKのCHAO」を当時の振付を交えながら披露し、時代を超越したアイドル性を見事に提示してみせた。
その渡辺をはじめ、「『超・乃木坂スター誕生!』Blu-ray BOX第4巻」にはさまざまなゲストアーティストとのスペシャルライブの模様も収められている。クレイジーケンバンドの横山剣(#61)、和楽器バンドの鈴華ゆう子&町屋(#68)との異色共演や、シェネル(#66)といった海外からのゲストを含む幅広い共演を楽しむことができる。中でも、s**t kingzのshoji&kazukiが登場した#70では、一ノ瀬と小川が「MORECHAU」にて高難度のダンスにチャレンジし、s**t kingzからも絶賛されるほどのパフォーマンスを披露。大のアニメファンとして知られる井上は、「マクロスF」の人気曲「ライオン」(#65)をプライベートでも親交のある声優の佐倉綾音と、大好きな作品「進撃の巨人」のエンディングテーマであるヒグチアイの「悪魔の子」(#76)を本人と熱唱するなど、大活躍ぶりを見せている。
このほか、「超・乃木坂スター誕生!LIVE」の舞台裏に迫った#74や、番組3年間を振り返る打ち上げパーティの様子を伝える#78、79といったスピンオフ的なエピソードでは5期生の素の姿や本音も垣間見え、本編とは違った趣を味わえる。加えて、メイキング映像や未公開映像、「超・乃木坂スター誕生!5期生の挑戦」などの特典映像も交えることで、5期生のタレント性や1人ひとりの個性を再認識できることだろう。こうした見どころ満載の映像をじっくり堪能することで、3年間のフィナーレを飾る#80にたどり着いたときには感動を禁じ得ないはずだ。
「乃木坂スター誕生!」の看板を3年間にわたり守り続けてきた5期生の奮闘ぶりを目撃することができる本作。文字通りのスターへと成長した彼女たちの勇姿を、このボックスセットを通じてたっぷり楽しんでいただきたい。
プロフィール
乃木坂46(ノギザカフォーティシックス)
2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」でメジャーデビューを果たした。2015年1月には1stアルバム「透明な色」をリリースし、同年末に「NHK紅白歌合戦」に初出場。2017年に17thシングル「インフルエンサー」、2018年に20thシングル「シンクロニシティ」で日本レコード大賞の大賞を2年連続で受賞した。2025年11月には通算40枚目となるニューシングル「ビリヤニ」をリリースする。

