下北沢SHELTER の看板。

店長たちに聞くライブハウスの魅力 第1回 [バックナンバー]

東京・下北沢SHELTER

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この連載は、全国のライブハウスの店長の話を通して、それぞれの店の特徴や“ライブハウスへ行くこと”の魅力を伝えるもの。初回は東京・下北沢SHELTERを訪れ、6代目店長を務める義村智秋氏に話を聞いていく。

ライブハウスやレコードレーベルを運営するLOFT PROJECTの系列店である同店は、1991年10月に東京・新宿LOFTの姉妹店としてオープン。昼と夜のライブタイム、そして深夜のパブタイムと時間をわけて営業している。

取材・/ 酒匂里奈(音楽ナタリー編集部) 撮影 / 小原啓樹

店長就任の経緯

「2007年から11年まで神奈川・F.A.D YOKOHAMAでブッキングスタッフとして働いていて、もう辞めようというタイミングで当時のa flood of circleのマネージャーに『SHELTERの店長にならないか?』と声をかけていただきました。もうライブハウスで働くつもりはなかったのですが、漠然と“SHELTER”という名前に惹かれて引き受けることにしました。音楽は昔からSTOMPIN'BIRDやlocofrankなどのメロディックパンクが好きですね。店長就任当時のSHELTERはそのシーンのバンドの出演数が減っているから呼び戻してほしいと言われていて、若手のメロコアバンドやF.A.D YOKOHAMAでお世話になった先輩バンドを呼んでいました。オープン当初のSHELTERと言えばHi-STANDARDなどパンク色が強いアーティストが出演している印象がありましたが、今はオールジャンルに近い。ライブハウスは働いている人が変われば色も変わると思っています」

下北沢SHELTERが位置する下北沢駅旧南口前。

下北沢SHELTERが位置する下北沢駅旧南口前。

下北沢SHELTERの入り口。

下北沢SHELTERの入り口。

下北沢SHELTERの6代目店長、義村智秋氏。

下北沢SHELTERの6代目店長、義村智秋氏。

出演者の傾向

「昔は昼にオーディションライブをすることが多かったですが、最近は昼にイベントを行うことも少なくありません。昼の出演者としては、若手バンドはもちろんハードコアバンドやアイドルも多いです。出演希望の依頼を多くいただけるのは週末の夜。でも店としてもコケることができないので慎重にブッキングを行っています(笑)。その一方で平日の夜はお客さんが来ないかもしれないと気にするアーティストが多いです。実際は本当にそのアーティストが好きだったら平日でも来ると思います。それに平日はほかのイベントと被りづらいから、気軽に楽しい企画やライブがどんどんできたらいいですね」

フロア入り口の扉。

フロア入り口の扉。

下北沢SHELTERのステージ。

下北沢SHELTERのステージ。

パブタイム

「夜のライブが終わったあとは、打ち上げと平行してパブタイムがスタートします。フードメニューはスタッフが考えることもありますが、結局昔から出している“ごまピリちくわ”が人気です(笑)。ドリンクはキンミヤ焼酎がよくボトルキープされています。パブタイムには常連客もいて、多いのは音楽業界の方。今は彼らのコミュニティの場として使われているのかもしれません。若い人にも来てほしい気持ちもあるんですけどね。あと最近は下北沢で深夜営業している場所が少なくなって“下北沢の夜”が元気がない気がします。飲みに行くお店がないからうちに来る人もいますが、もっと下北沢の夜全体が盛り上がればいいなと思っています」

下北沢SHELTERのドリンクカウンター。

下北沢SHELTERのドリンクカウンター。

下北沢SHELTERのドリンクカウンター。

下北沢SHELTERのドリンクカウンター。

思い入れのあるアーティスト・KEYTALK

「彼らがUstreamで配信した番組『KEYTALK TV SPECIAL[2013最重要告知会見スペシャル]』はSHELTERからの生中継でした。この配信中にメジャーデビューの発表と新しいアーティスト写真の公開をしたのですが、そのときのアー写をダンボールに貼り付けて、メンバーにサインをもらったことが思い出に残っています。このアー写は今でもフロアの壁に飾っていますよ」

KEYTALKのサインが入ったアーティスト写真がフロアに飾られている。

KEYTALKのサインが入ったアーティスト写真がフロアに飾られている。

KEYTALK

KEYTALK

注目のアーティスト・FINLANDS

「彼女たちが初めてSHELTERに出演したのは3年前。たぶん塩入(冬湖[G, Vo])さんには嫌われていると思いますが、片思いみたいな感じでどんどん好きになりました(笑)。バンド名が“FINLANDS”ということからいつも厚手の冬物コートを着てライブをしています。ライブは男っぽいけどメロディはキャッチーなので、ぜひいろんな人に聴いてみてほしいです」

FINLANDS

FINLANDS

ライブハウスの魅力

「最近はバーとフロアが扉で隔てられている“逃げ場”があるライブハウスが多くなりましたが、せっかくライブハウスに来たのであればフロアで音楽やアーティストと向き合ってほしいと思っています。フロアにずっといるとうるさいとは思うんですけどね。目当てのアーティストのライブが終わったら帰るのもいいですが、対バンの知らないアーティストの音楽にも触れてみてほしい。ひょっとしたら新しい世界が開けるかもしれない。そうした新たな出会いやきっかけが生まれることが、ライブハウスの魅力だと思っています」

下北沢SHELTERの店内。

下北沢SHELTERの店内。

店舗情報

下北沢SHELTERのロゴ。

下北沢SHELTERのロゴ。

住所:〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-6-10仙田ビルB1
アクセス:小田急電鉄小田急線・京王井の頭線下北沢駅南西口より徒歩5分
営業時間:15:30~28:00 ※公演により異なる
定休日:不定休
ロッカー:なし
駐車場:なし
再入場:原則不可
キャパシティ:200~250人
ドリンク代:600円
フリーWi-Fi:あり
貸切:可
※情報は10月31日時点のもの。

義村智秋

2011年に長年ブッキング担当として勤めていた神奈川・F.A.D YOKOHAMAを退職。2012年、下北沢SHELTERの6代目店長に着任した。TOKYO FM「RADIO DRAGON-NEXT-」内のコーナー「the RECOMMEND PARTNER」に、番組オフィシャルレコメンダーとして月1回レギュラー出演中。

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読者の反応

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オートマチック限定 @orzTTorz

お笑いライブ好きな人には、ミネルヴァの向かいの地下って言えばわかりやすいかな?
色んなバンド聴いたなぁ… https://t.co/uKecRSoOQw

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