第42回菊田一夫演劇賞の授賞式が、本日4月28日に都内で行われ、受賞者の
大賞に輝いた麻実は「『8月の家族たち August: Osage County』ではケラリーノ・サンドロヴィッチさん、『炎 アンサンディ』では上村聡史さんから豊かなご本をいただき、カンパニーにも恵まれ、お客様に支えていただき、この受賞が叶いました。心から感謝しております」と感謝の思いを述べ、「桜の咲く季節に宝塚で初舞台を踏んでから47年目の春を迎えています。この先どうなるかわかりませんけれども、今回いただいた勇気を持って改めて歩き出したいと思います」と挨拶した。
続いて演劇賞を受賞した中川、小池、新橋、藤田が挨拶。中川は「『ジャージー・ボーイズ』という作品と出会ったことで、今日こういうステージに立たせていただけました。最近ミュージカルがさまざまな方に求めていただける時代に入ってきていると実感しています。これもエンタテインメントの世界を牽引してこられた先輩方のおかげです。僕は18歳でデビューし、19歳のときに『モーツァルト!』という作品で初めてミュージカルに出演しました。これからは自分がミュージカルをさらに盛り上げていける一員になれるよう、何をすべきなのかということを、この賞をきっかけに深く考えていきたいです」と決意を示した。
小池は「僕はなかなか演劇の賞に無縁な役者でしたので、素晴らしい賞をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです」と謝辞述べる。続けて「俳優業と歌手業をやってきましたが、ミュージカルというジャンルはなかなか難しくて、悩んだこともたくさんありました。それが間違ってない道だったと、この賞が自分の背中を押してくれたような気がします。これからの活動を通して恩返ししていけたらなと思います」と語った。
文学座「食いしん坊万歳!~正岡子規青春狂詩曲~」での演技で受賞した新橋は「ミュージカルとはジャンルが違う新劇なので、初めは(受賞が)嘘じゃないかなと思っておりました。」と笑いを誘い、「文学座は今年80周年を迎えました。私は在籍48年になります。今まで先輩たちの胸を借りてやってまいりました。今後は文学座の良さってなんだろうとつくづく考えながら、体に気をつけてやってまいりたいと思います」と述べた。
続いて登壇した藤田は、自らが演出した「ジャージー・ボーイズ」について「菊田一夫先生と共に日本のミュージカルを作られてきた東宝のみなさんと仕事をさせていただき、キャストやスタッフの質の高さを実感する日々でした。その中で演出の信念を通しました。終わらない青春、客席と舞台上を一体化するようなミュージカルを作りたいという思いを伝え、フォー・シーズンズのハーモニーを奏でたいという一心でした」と熱く語った。同じく演出作の「手紙2017」については「日本人だからこそできるオリジナルミュージカルを1から作るという挑戦でした。稽古場はまるで戦場でした。犯罪者の家族がまるで犯罪者のように扱われる日本社会の矛盾と向き合いました。できた作品は多少いびつな形のハーモニーだったかもしれませんが、それこそ僕たちの日常を描いていたと思います」と続けた。さらに間も無く一周忌を迎える師・
長年の舞台照明デザインにおける功績に対して特別賞を受賞した勝柴は「僕が半世紀近く舞台照明の仕事に関わってきたことを、この賞が認めてくれたんじゃないかとうれしく思います。今まで一緒にやってくれたスタッフにも感謝しています。でもまだ引退しませんので、これからもよろしくお願いします」と述べ授賞式は締めくくられた。
式典後には囲み取材が行われた。1999年度にも演劇賞を受賞していた麻実は「今回の大賞受賞は思いがけないことだった」と振り返りつつ、「歳を重ねるごとに、いただくご本も難しくなっていくので戦いもありますが、共演者にも恵まれてずっと幸せだったなと思います」と述べる。今後の目標については「私はすごく不器用なので、時間がかかりますが、私らしく1歩1歩、自分の食指が動いたら飛び込みたいです」と語った。
第42回菊田一夫演劇賞
菊田一夫演劇大賞
菊田一夫演劇賞
菊田一夫演劇賞特別賞
勝柴次朗(永年の舞台照明デザインにおける功績に対して)
関連記事
麻実れいのほかの記事
リンク
- 菊田一夫演劇賞 -映画演劇文化協会
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
タカラヅカ歌劇ポータル │ 宝塚歌劇・宝塚OG情報を発信中 @zukazuka_info
菊田一夫演劇賞授賞式、麻実れい、中川晃教、小池徹平ら喜びを語る - ステージナタリー https://t.co/55t6ZHo5dv