ステージナタリー - 舞台・演劇の最新ニュースを毎日配信

中村勘九郎「真田十勇士」再演は「大河ドラマを食う」勢いで取り組む

1387

「真田十勇士」製作発表会見フォトセッションの様子。

「真田十勇士」製作発表会見フォトセッションの様子。

真田十勇士」の製作発表会見が、本日7月27日に都内にて行われた。

本作は中村勘九郎主演、堤幸彦演出、マキノノゾミ脚本によって2014年に初演された「真田十勇士」の再演版。“天下に知られる名将”という虚像と実像のギャップに悩む真田幸村を、10人の家臣が立派な武将に仕立て上げようと奮闘するさまが描かれる。公演と同時期には映画版が公開され、小説本も出版されるなどメディアを横断して行われる作品展開が話題を集めている。

会見には初演と映画版で主人公・猿飛佐助役を演じた中村勘九郎をはじめ、加藤和樹篠田麻里子高橋光臣村井良大駿河太郎荒井敦史栗山航望月歩青木健丸山敦史石垣佑磨山口馬木也加藤雅也浅野ゆう子、脚本を担当したマキノノゾミ、演出の堤幸彦が登壇。それぞれが意気込みを述べた。

勘九郎は「自分で言うのもなんですが、初演は大好評でした。その『真田十勇士』がパワーアップして帰って参ります!みなさん、再演ですよ!」と高らかに呼びかける。そして「再演は初演と比較されるものですが、その必要がないくらい、ものすごいことになると思います。脚本も大体の筋は一緒ですが、所々に悪い冗談が入っているのでそこも楽しみにしていただけたら」と見どころを語った。

また先日参加した阪神タイガース対読売ジャイアンツ戦のファーストピッチイベントで、勘九郎が「現在放送中の大河ドラマ『真田丸』は『真田十勇士』のパクりなのでは」と漏らした件について、後日三谷幸喜から「こっちが先。(2004年放送の)『新選組』が終わった時点で『真田丸』やるって決まってたんだもん」とメールが届いたというエピソードを披露。勘九郎は「三谷さん本当にすみません!」と平謝りしつつ、「真田イヤーに乗っかって、大河を食う勢いで舞台と映画をやりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と作品のアピールにつなげた。

初演と映画版で、十勇士の1人である由利鎌之助を演じた加藤和樹。今回、佐助の相棒である霧隠才蔵を務めるにあたり、「役が変わると聞いたときは驚きましたが、監督とプロデューサーの思いを受けて、自分にしかできない才蔵を演じていきたいと思います。勘九郎さんの無茶ぶりにも応じていければ」と述べ、相棒を笑顔で見つめた。

AKB48を卒業後の初舞台となる篠田は、敵方の佐助に思いを寄せる女忍者の火垂役。映画版で火垂を演じた大島優子からは「舞台がんばって。観に行くからね」と励ましの言葉をもらったという。「同じ作品を映画と舞台で一緒に盛り上げられるのはうれしいこと」と述べ、春に出演が決まってから体力をつけるためにマラソンや体幹トレーニングを始めたと明かし、くノ一役に全力で取り組む覚悟を語る。

初演と映画版で十勇士の筧十蔵を演じる高橋は、「初演では突然ゲイキャラに転向となりまして」とコメント。「初演や映画版からほかのキャストが変わっていて、僕もまだどなたに恋心を抱けばいいか今ひとつわかっていませんが、全力で取り組みます」と自らのキャラを押し出した。

村井は初演と映画版で十勇士の1人・海野六郎に扮したが、今回は根津甚八と豊臣秀頼の2役。「役が変わるということで非常にさびしかったのですが、これは自分にとって大きなチャレンジ。再演ではありますが、僕の中では新作のつもりでお力添えできたら」と意気込む。また2役に挑戦することと舞台上で繰り広げられる戦場をなぞらえ「舞台袖での衣装替えも僕にとっては戦場。止まることなくずっと走り続けていきます」と決意を語った。

初演と映画版で三好清海を演じてきた駿河は「十勇士の中で一番年長で、今年で38になります。体が持つか心配」と自らの年齢を懸念。また初演では開幕10日後に左脚を捻挫し、テーピングで上演に臨んだエピソードも披露し、「今回は絶対に怪我をせんとこう」と自らに誓った。映画版から引き続いて三好伊三に扮するのは荒井。「映画では関西弁に相当苦労しました。今回も関西弁。兵庫公演に向けて、兄役の(駿河)太郎さんに教えてもらいながら取り組んでいきたい」とイントネーションの課題に触れた。

村井から海野六郎役を引き継ぐことになった栗山は「初参戦なので村井さんを頼りながら、精いっぱい真田家譜代の家臣を務めていきます」、映画版から真田大助を続投する望月は、初舞台を踏むことに対して「映画でご一緒させていただいた方々とまた同じ時間を過ごせることがうれしい」と出演が決まったときの感想を紹介。

初演と映画版で望月六郎を演じた青木は「剣術指南役としての威厳や品格を、今回の再演ではより打ち出して演じていきたいと思います」、今回の再演版から参加し、初演と映画版で加藤和樹が演じた由利鎌之助に扮する丸山は「初参戦ですが、初代の和樹さんに負けないように取り組みたい」とそれぞれの立場で意気込んで見せた。

石垣は初演と映画版から続投し、仙九郎役を担当。「仙九郎は、佐助、才蔵、火垂と同じ師匠のもとで学んだ幼馴染という役どころですが、時代の流れに乗れず、佐助たちの宿敵として彼らの目の前に現れます。前作以上に勘九郎さんたちを苦しめようと思っていますよ!」と笑顔を見せた。

山口は、久々津壮介役で再演版から新規参戦。本作の初演時は別のカンパニーによる「真田十勇士」に出演していた過去に触れ、「まさか、こちらの座組のお世話になるとは、夢にも思っていませんでした」と語り会見場を和ませた。「そのときのキャストからは『裏切り者』と温かい言葉をもらいました(笑)。『やるからにはがんばってこい』と送り出されたので楽しもうと思いますが、見渡す限りのチームワークのよさが鼻につくというか、まだ慣れていないので、早く馴染んで同じ空気を共有できたらと思っています」と、出演の喜びを皮肉交じりに伝えた。

初演と映画版を通じて真田幸村に扮する加藤雅也は「ステージが大きくなったので(堤)監督からは『どんどん走ってください』と言われています。先ほど(駿河)太郎ちゃんが自分の年を嘆いていましたが、みんなも同じように年を重ねています。私も53になりました」と苦笑。再演に際しては「ラストに15分間立ち回りがあるんですが、15kg強ある衣装がもう少し軽くならないか、鉄板をプラスチックに変えられないかなと具体的に考えてしまいます」と漏らした。

初演では真矢ミキ、映画版では大竹しのぶが演じた淀殿役には浅野ゆう子がキャスティング。「先ほどから38だ、53だ、年齢を嘆く方もいらっしゃいますが、この中で明らかに最高齢でございます」と言い放つと、会見場は笑いに包まれる。続けて「先ほど『戦のシーン』があると勘九郎さんから言われましたが、無理ですね。立ち回りなんかして、疲労骨折でもしたら大変です。おとなしく笑っていただけるパートだけを任せてもらって、あとはイケメンたちに守っていただく、女冥利に尽きる役どころをまっとうしたいと思います。ぜひ立ち回りはないように。どうぞよろしくお願いいたします」と語り、演出の堤の目を見て念押しした。

マキノは、初演時に堤から「とにかく場数を書いてほしい」とリクエストを受けたエピソードを披露。「『知らないぞ』と内心思っていました。でも実際の舞台を観て納得したんですよね。さらに今回の再演はパワーアップしていると聞いて、掛け値なしにたっぷり楽しめる作品になっていると思います」とできばえに自信を覗かせた。

堤は初演について「100ある人間の能力のうち、毎日120を出し切った舞台。袖にマッサージをする方が常駐していて、立ち回りをしたらベッドに倒れこんで鍼を打ってもらうくらい壮絶な戦場でした」と振り返る。「でも人間は、慣れるという習性を持った動物。120ができたということは、130や140も目指せます。いろいろ聞いていると思いますが“大変”です。どうか覚悟の上で臨んでください。もちろん身の安全は自分で確保してね」と続け、さらなるレベルアップを出演者に期待した。

「真田十勇士」は、9月11日から10月3日まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。その後、10月8日から10日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、10月14日から23日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホールへと巡演する。

「真田十勇士」

2016年9月11日(日)~10月3日(月)
東京都 新国立劇場 中劇場

2016年10月8日(土)~10日(月・祝)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場

2016年10月14日(金)~23日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール

脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦

キャスト

猿飛佐助:中村勘九郎
霧隠才蔵:加藤和樹
火垂:篠田麻里子
筧十蔵:高橋光臣
根津甚八・豊臣秀頼:村井良大
三好清海:駿河太郎
三好伊三:荒井敦史
海野六郎:栗山航
真田大助:望月歩
望月六郎:青木健
由利鎌之助:丸山敦史
仙九郎:石垣佑磨
久々津壮介:山口馬木也
真田幸村:加藤雅也
淀殿:浅野ゆう子

柳生宗矩:野添義弘
大野治長:奥田達士
大野治房:渡辺慎一郎
みつ:田島ゆみか
毛利勝永:荒木健太朗
後藤又兵衛:横山一敏
ほか

ステージナタリーをフォロー