音楽ナタリー - 最新音楽ニュース

今年のフジロック、全日晴天で過去最多の14万人動員

2028

7月27日から29日にかけて、新潟・苗場スキー場で恒例の夏フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '12」が行われた。

通算16回目、苗場に会場を移してからは14回目となる今回のフジロック。3日間の来場者数は延べ11万9000人(1日目3万9000人、2日目4万人、3日目4万人)、前夜祭を含めると14万人におよび、過去最高の動員数を記録した。また、雨に見舞われることが多いフジロックだが、今年は3日間とも快晴。3日目夜には稲光が苗場を襲い夜半に小雨が降ったものの、日中やヘッドライナーが演奏している間は雨具を使うことなく過ごすことができた。今回のレポートでは国内アーティストを中心に、今年のフジロックの様子を伝えていく。

■1日目:7月27日(金)

初日の7月27日、GREEN STAGEのトップバッターを務めたのはTHE BACK HORN。「トロイメライ」からスタートしたライブは、金曜の午前中とは思えないほどの盛り上がりをみせた。同じ頃、RED MARQUEEではCOBRAやフラワーカンパニーズ、WHITE STAGEではHEY-SMITHといった国内勢が各ステージのオープニングを飾った。その後もGREEN STAGEではエド・シーランやOWL CITYが、WHITE STAGEはTHIRD COAST KINGSやTHA BLUE HERBが熱いパフォーマンスを展開。一方でFIELD OF HEAVENではハンバートハンバート×COOL WISE MANやCaravan、ORANGE COURTではmouse on the keysやJAH WOBBLE & KEITH LEVENE - METAL BOX IN DUBが独特の世界観を作り上げていった。

夕方が近付くと、GREEN STAGEにはThe BirthdayBOOM BOOM SATELLITESが登場。フジロック常連組ならではの安定したパフォーマンスで観客を沸かせた。そして、セミヘッドライナーのBEADY EYEがステージに現れると、会場からは大歓声が鳴り響く。この日はリアム・ギャラガーの喉が不調だったため、いつものライブよりもボーカルの不安定さが目立ったが、OASIS時代の「Rock'n'Roll Star」や「Morning Glory」が演奏されると一際大きな歓声が沸いた。そして、ヘッドライナーのTHE STONE ROSESの出番になると、GREE STAGE周辺は人で埋め尽くされ、彼らの復活を祝った。17年ぶりの来日公演は、1stアルバムのオープニングナンバー「I Wanna Be Adored」からスタート。イアン・ブラウンの味のあるボーカルに、その歌声に絡みつくようなジョン・スクワイアのギタープレイはこの日も健在で、ライブ中盤で披露された「Fools Gold」では曲後半でライブならではの即興演奏が繰り広げられた。そして17年ぶりの日本公演は1stアルバムのラストナンバー「I Am The Resurrection」で幕を閉じた。

初日はもはや恒例となったORANGE COURTでの「オールナイトフジ」や、RED MARQUEEでの「PLANET GROOVE」が朝まで展開。WHITE STAGEのトリを飾ったジェイムス・ブレイクや、DEXPISTOLS、KEN ISHIIなどが朝5時まで苗場の夜を彩った。

■2日目:7月28日(土)

ソールドアウトを記録した2日目は、SPECIAL OTHERSFRONTIER BACKYARDASPARAGUS伊藤ふみおといった国内勢が各ステージの一番手を担当。どのステージも朝から大勢の観客にでにぎわい、各アクトは後に続くアーティストたちの盛り上げ役として活躍した。FIELD OF HEAVENでの星野源のライブは、今年最初の入場規制がかかるほどの盛況ぶり。星野は焼け付くような熱い太陽とは相反する、涼しげなアコースティックサウンドでオーディエンスを癒していった。ORANGE COURTではMOUNTAIN MOCHA KILIMANJAROが大勢の観客を前に、白熱のステージを展開。そしてWHITE STAGEではMONO with The Holy Ground Orchestra、ROVOといった国内インスト勢が独特の空気感を作り上げていった。

日が暮れる頃になると、GREEN STAGEにはレジェンドアーティストのレイ・デイヴィス、THE SPECIALが立て続けに登場。WHITE STAGEではサカナクションがこの日2度目の入場規制を記録し、圧倒的なステージを繰り広げた。RED MARQUEEではSPIRITUALIZEDがヘッドライナーを担当。一方、FIELD OF HEAVENではスティーヴ・キモック、ORANGE COURTではバディ・ガイが苗場をアメリカの片田舎に変えてしまうような演奏を聴かせてくれた。

2日目のヘッドライナーを務めたのは元OASISのノエル・ギャラガー率いるNOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS。1stアルバムからの楽曲を中心に展開していくライブ構成は、今年2度行われた来日公演に準ずるもので、アンコールでは「Whatever」「Don't Look Back In Anger」といったOASISの代表曲が連発され、夜の苗場に数万人の大合唱が鳴り響いた。このあと、RED MARQUEEではOL Killer、電気グルーヴ、BUSY Pなどといった濃厚な面々がダンサブルなステージを披露。彼らの奏でるビートは朝まで止むことはなかった。

■3日目:7月29日(日)

最終日の29日はWHITE STAGEでa flood of circle、RED MARQUEEでLOSTAGE、FIELD OF HEAVENで「ROOKIE A GO-GO」出身のcero、ORANGE COURTでゴジラ・放射能・ヒカシューがトップバッターを担当。GREEN STAGEではゲストを多数要したGALACTICが、圧巻のパフォーマンスで観客を沸かせた。また、台湾のブラックメタルバンドCHTHONICは今年唯一のメタルバンドとして、濃厚なステージを展開。曲によってマーティ・フリードマンや琴プレイヤーの市川慎(ZAN)をゲストに迎え、日本人を魅了するエモーショナルな楽曲を聴かせてくれた。

GREEN STAGEにはtoeに続いて、井上陽水が10年ぶりにフジロックに登場。代表曲のひとつ「東へ西へ」から始まったライブは、「リバーサイドホテル」や忌野清志郎との共作曲「帰れない二人」など誰もが耳にしたことがあるような楽曲がずらりと並ぶ。特に後半になると、「最後のニュース」を皮切りに「氷の世界」「夢の中へ」「少年時代」とヒットナンバーを連発。陽水はラストに前回出演時の1曲目「傘がない」を熱唱し、観客から大喝采を浴びた。

各ステージでそれぞれのステージカラーに合ったアーティストが熱演する中、この日のWHITE STAGEの出演者は異彩を放つ。locofrankに続いて登場したFUCKED UPは熱のこもったハードコアパンクで観客を圧倒。ボーカルのダミアン・エイブラハムは開始早々に客席まで降りて、オーディエンスとの一体感を増していった。同じ頃、GREEN STAGEは元THE WHITE STRIPESのジャック・ホワイトが、女性のみのバックバンドを従えてステージに登場。ソロアルバムからの楽曲のみならず、THE WHITE STRIPES、THE RACONTEURS、THE DEAD WEATHERといった自身が参加してきたバンドのナンバーも躊躇することなく演奏していった。

ORANGE COURTのトリを飾ったのは、フジロックではおなじみの渋さ知らズオーケストラ。いつも以上に熱の入った演奏で会場に集まった観客を盛り上げ、アンコールではスペシャルゲストのCharaを迎えて「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」を披露した。WHITE STAGEでは今年奇跡の再結成を果たしたAT THE DRIVE-INが登場。往年のアグレッシブなステージングこそ影を潜めたが、そのサウンドは解散前と変わらぬキレのあるもので、集まった観客を大いに盛り上げた。

そして、GREEN STAGEの3日間の大トリを務めたのはRADIOHEAD。間違いなく3日間で一番の動員となったこの日のステージは、最新アルバム「THE KING OF LIMBS」からの楽曲を中心に展開。ステージ後方には12面ものスクリーンが用意され、ライブを演出していく。合間にアルバム「KID A」からの楽曲などを挟み展開されていくライブは、今年のフジロックの中でも唯一無二の内容。2度のアンコールに応えた彼らは、最後に「Paranoid Android」を演奏して2時間にわたるステージを終えた。

RADIOHEADのライブが終わった後も、RED MARQUEEではgroup_inouDJ BAKUDE DE MOUSE + Drumrolls、Mop of Headなどが朝まで濃厚なパフォーマンスを展開。朝日が昇る頃、ようやく2012年のフジロックは幕を閉じた。

音楽ナタリーをフォロー