トゲナシトゲアリ「ガルクラ」聖地・川崎で2ndワンマン、あの感動がよみがえる

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テレビアニメ「ガールズバンドクライ」と連動するガールズバンド・トゲナシトゲアリの2ndワンマンライブ「凛音の理」が9月13日にアニメの舞台となった神奈川県川崎市のCLUB CITTA'で開催された。

理名(Vo)(撮影:冨田味我)

理名(Vo)(撮影:冨田味我)

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「ガルクラ」ロスを埋めるライブ演出

夕莉(G)(撮影:冨田味我)

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「ガールズバンドクライ」は悩みを抱える少女たちがロックバンドを結成し、世の中の不条理に立ち向かいながらそれぞれの居場所を探す姿を描いたアニメ。4月から6月まで放送され、アニメファンのみならず音楽ファンからも注目を浴びた。本作の主軸となるバンド・トゲナシトゲアリのメンバー兼メイン声優を務めたのは、2021年6月から約1年半にわたって開催されたオーディション「Girl's Rock Audition」で選ばれた理名(Vo)、夕莉(G)、美怜(Dr)、凪都(Key)、朱李(B)の5人だ。

朱李(B)(撮影:冨田味我)

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アニメの放送が終わったあとも、トゲナシトゲアリは神奈川・等々力球場で行われた「かわさき100フェス」や埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催の「Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-」といったイベントに出演し、ライブ活動を重ねている。「凛音の理」は3月に神奈川・1000 CLUBで行われた「薄明の序奏」以来半年ぶり、アニメ放送後初となる単独公演で、CLUB CITTA'の収容人数が1300に対して、3万件の応募が殺到するほどの盛況ぶり。そんなプレミアム公演のステージにはメンバーの理名、夕莉、朱李、休養中の美怜と凪都に代わってサポートドラマーの宮内沙弥、キーボードの鈴木栄奈が登場し、アニメの名場面とともにライブを繰り広げた。ライブの様子は生配信され、チケットを入手することができなかった国内外のファンもリアルタイムでステージを楽しんだ。

始まりは仁菜の上京シーン

「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理」の様子。(撮影:冨田味我)

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場内が暗転すると、ステージを覆う紗幕にはアニメ第1話の仁菜(CV:理名)の上京シーンが映し出される。新幹線で東京駅に降り立ち、慣れない様子で広大な駅舎を歩く仁菜。どこか危なっかしい彼女の姿をオーディエンスは温かく見守っている。この映像が途中で終わると、「ガルクラ」のオープニング主題歌「雑踏、僕らの街」で勢いよくライブがスタート。メンバーとオーディエンスの間には透過スクリーンが設置され、そこに登場キャラクターやカラフルなアニメーションが浮かび上がった。次の曲「空の箱」は劇中で仁菜(CV:理名)と桃香(CV:夕莉)が出会う場面で流れる、ファンにとっても思い入れの強いナンバー。川崎駅前の路上で桃香1人がこの曲を歌う印象的なシーンがあるが、それを再現するように夕莉のみがステージに立って堂々と歌い上げる。本編とリンクした演出に、ファンからは歓喜の声が漏れた。夕莉の歌唱が終わると、他メンバーが舞台に戻り改めて「空の箱」をパフォーマンスし、会場の熱気をさらに引き上げた。

理名(Vo)(撮影:冨田味我)

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「1stワンマンから半年も経っているということで時の流れは早いですね」と切り出した仁菜は美怜と凪都の休養に言及し「2人の分までがんばりますので応援よろしくお願いします。『ガルクラ』のストーリーを振り返りながら、最終回の聖地となったCLUB CITTA'でライブを行います!」と声を張り上げて気合いを入れ直す。その後、劇中キャラクターの仁菜(CV:理名)、桃香(CV:夕莉)、すばる(CV:美怜)の3人によるトゲトゲの前身バンド・新川崎(仮)の楽曲「声なき魚」「視界の隅 朽ちる音」がドロップされた。いずれも音源にはキーボードが入っていないが、この日のライブでは厚みのあるバンドサウンドに生まれ変わって観客に迫る。感情をぶつけるような彼女たちの熱演に、会場のテンションは高まるばかりだった。

トゲトゲはめちゃくちゃいい曲が多い

夕莉(G)(撮影:冨田味我)

夕莉(G)(撮影:冨田味我)[拡大]

理名は「自分で言うのもなんですけど、めちゃくちゃいい曲が多いわけですよ」と言い、トゲトゲの曲を改めてアピール。「気鬱、白濁す」では夕莉が激しいギターソロで存在感を見せつけ、「運命に賭けたい論理」では朱李がポニーテールを揺らしながら躍動感のあるベースを奏でた。ここまでアッパーなロックチューンが続いたが、続いてトゲトゲにとって新境地とも言える切ないミディアムバラード「蝶に結いた赤い糸」へ。真っ赤なレーザー光線がフロアに張り巡らされる中、大切な人への思いがつづられたこの曲がしっとり届けられた。

朱李(B)(撮影:冨田味我)

朱李(B)(撮影:冨田味我)[拡大]

観客が余韻に浸る間もなく、トゲトゲは「無知のち私」や「爆ぜて咲く」といった骨太なロックチューンを次々と投下。ファンのシンガロングやハンドクラップでフロアの一体感がいっそう増していく。ライブ本編のラストは、劇中で仁菜が初めて作詞したシリアスなマイナーチューン「空白とカタルシス」。スクリーンには川崎を代表する音楽フェス「BAYCAMP」の模様を描くアニメの映像が流れ、エネルギッシュにベースをプレイする朱李と向き合う形で理名が力強く歌唱した。一方、夕莉はギターの速弾きやタッピングで観客を大いに盛り上げた。「ありがとうございました!」と元気よく感謝を伝えたメンバーは、さっそうとステージを去って行った。

音楽を始めたきっかけは

「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理」の様子。(撮影:冨田味我)

「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理」の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

熱狂的なアンコールの声に応え、舞台にカムバックしたトゲトゲ。シリアスな雰囲気漂う「偽りの理」では理名が繊細な高音やつぶやくようなボーカルで観客を惹き付けた。「黎明を穿つ」の披露後には、メンバーそれぞれがやっと自己紹介。理名はVOCALOIDをきっかけに歌に興味を持ったこと、夕莉は高校の文化祭で観た軽音楽部のパフォーマンスにあこがれてギターを始めたことを明かす。朱李はベースを始めたきっかけが、中学時代に吹奏楽部でコントラバスを担当したことだと語った。楽しげにトークを展開したあと、彼女たちは観客の熱い声援を一身に浴びながら、「闇に溶けてく」や「碧いif」で疾走感あふれる歪んだバンドサウンドを鳴らす。トゲトゲにはめずらしいにぎやかなポップチューン「運命の華」では理名がギターを初披露。天井から銀テープが降り注ぐ中、フロア中にロングトーンを響かせ、ありったけのエネルギーを届けた。そして、ライブの締めくくりとしてアニメのエンディング主題歌「誰にもなれない私だから」がダイナミックにパフォーマンスされた。すべての曲目を終えたトゲトゲは、ファンとともに記念撮影。理名の「はい、CITTA」のかけ声に合わせて、アニメでおなじみの小指を立てるポーズをして晴れやかな表情を浮かべていた。

次のワンマンはパシフィコ横浜

「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理」の様子。(撮影:冨田味我)

「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理」の様子。(撮影:冨田味我)[拡大]

トゲナシトゲアリは11月2日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで3rdワンマンライブ「咆哮の奏」、12月20日に東京・豊洲PITで4thワンマンライブ「協奏の響」を開催。2025年2月7日にはトゲトゲ史上最大規模となる神奈川・パシフィコ横浜で5thワンマンライブ(タイトル未定)を行う。

5thワンマンの開催とともに、「ガールズバンドクライ」劇場版総集編の前編・後編の制作も決定。さらに、このアニメのゲーム化に伴うキャストオーディションの実施も発表された。

セットリスト

「トゲナシトゲアリ 2nd ONE-MAN LIVE 凛音の理」2024年9月13日 神奈川県 CLUB CITTA'

01. 雑踏、僕らの街
02. 空の箱(夕莉)
03. 空の箱(バンド)
04. 声なき魚
05. 視界の隅 朽ちる音
06. 名もなき何もかも
07. 理想的パラドクスとは
08. 気鬱、白濁す
09. 運命に賭けたい論理
10. 蝶に結いた赤い糸
11. 無知のち私
12. 傷つき傷つけ痛くて辛い
13. サヨナラサヨナラサヨナラ
14. 爆ぜて咲く
15. 空白とカタルシス
<アンコール>
16. 偽りの理
17. 黎明を穿つ
18. 闇に溶けてく
19. 碧いif
20. 極私的極彩色アンサー
21. 運命の華
22. 誰にもなれない私だから

ライブ情報

トゲナシトゲアリ 3rd ONE-MAN LIVE 咆哮の奏

2024年11月2日(土)東京都 TOKYO DOME CITY HALL

トゲナシトゲアリ 4th ONE-MAN LIVE 協奏の響

2024年12月20日(金)東京都 豊洲PIT

トゲナシトゲアリ 5th ONE-MAN LIVE(タイトル未定)

2025年2月7日(金)神奈川県 パシフィコ横浜

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