涼しげな空気をブチ破ってお祭り男登場
日本を代表するヒップホッププロデューサーとして活躍し、昨年6月には東京・日本武道館でのワンマンライブを成功させたSTUTS。今回のライブの舞台である日比谷野音と言えば、伝説的イベント「さんピンCAMP」が行われたことでも知られるヒップホップの聖地だが、彼が野音で単独公演を行うのはこれが初となる。STUTSは憧れの舞台でどんなライブを繰り広げたのか? テーマはずばり“夏祭り“だ。
当日の野音は、ジリジリと蝉の鳴き声が響き、いかにも夏真っ盛りといった風情。そこに現れたバンドメンバーの岩見継吾(B)、仰木亮彦(G /
STUTSが歌い始めたきっかけは
夏そのもののような熱いラップで先陣を切ったお祭り男・KMCに続いては、「Ride」で
またゲストを迎えた曲の合間に完全生バンドで演奏された「One」では、STUTS自身がラップし、tofubeatsのパートも自ら歌唱。今では自身の歌声を乗せた楽曲を多数リリースしているSTUTSだが、以前は歌うことに躊躇いがあったという。そんな彼が歌うきっかけになったと語るのが、7年前に行われた長岡亮介(
そうした縁を語りつつ、野音のステージに長岡を迎え入れたSTUTSは、彼とタッグを組んで制作し、NHK Eテレ「あおきいろ」に提供した楽曲「いろどりのうた」をデュエット。STUTSは観客の前に堂々と歩み出て自身の声を野音に響かせ、アウトロでは長岡が仰木と鮮やかなギタープレイを繰り広げた。
誰のせい? それはあれだ?
長岡とC.O.S.A.がそろい、「Above the Clouds」が始まると、
次第に日は落ちていき、BIMが「マジックアワー」を歌い終える頃には、あたりはすっかり真っ暗に。去り際に「誰かのせいにしたくなっちゃうときがあると思うんですよ」と切り出したBIMの「誰のせい? それはあれだ?」「夏のせい!」という唐突なコールアンドレスポンスから登場したのは
スチャダラパーは巧みなトークで巻き気味の進行を調整する熟練芸も見せてステージに残り、「Pointless 5」で
フリースタイルからのブギー・バック・ハラスメント
JJJを迎えた「Changes」でライブ本編は一旦締めくくられるが、祭りはまだまだ続き、PUNPEEとの「夜を使いはたして」でアンコールがスタート。さらにSTUTSが「Renaissance Beat」を演奏し始めると、STUTSのワンマンで恒例となったフリースタイルセッションが始まり、PUNPEE、 KMC、BIMがマイクを回す。
3人のマイクリレーがしばらく続いたのち、スチャダラパーが合流すると、彼らはフリースタイルではなく往年の名曲「今夜はブギー・バック」をパフォーマンス。Boseのやや強引な振り(ブギー・バック・ハラスメント)でPUNPEEと STUTSがフックを歌唱し、観客を大いに楽しませた。そしてSTUTS自身が歌う「Seasons Pass」でライブは穏やかに終演。その人柄ゆえかSTUTSのライブは常にほほえましい空気が流れているが、開放的な野音の雰囲気も相まって、いつも以上にグッドバイブスに満ちたライブだった。
なおSTUTSは、ZOT on the WAVEとのユニット・STUTS on the WAVEとして、10月8日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でワンマンライブを行うことを発表。終演後のBGMとして、ZOT on the WAVEとともに制作したと思われる新曲のトラックをプレイしていた。今後のリリースを楽しみにしておこう。
セットリスト
STUTS「“90 Degrees” LIVE at 日比谷公園大音楽堂」2024年8月10日 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
01. 90 Degrees Intro
02. Rock The Bells feat. KMC
03. Ride feat. 仙人掌
04. One
05. Daylight Avenue feat. 北里彰久
06. Paradise(Ever Green)
07. Flower feat. Yo-Sea
08. Pretenders feat. C.O.S.A., Yo-Sea
09. Come to Me
10. いろどりのうた
11. Above the Clouds feat. 長岡亮介, C.O.S.A., KID FRESINO
12. Presence I feat. KID FRESINO
13. Conflicted
14. Sticky Step feat. Campanella
15. Storm feat. KMC
16. 心 feat. JJJ
17. Voyage feat. JJJ, BIM
18. Veranda feat. BIM
19. マジックアワー feat. BIM
20. サマージャム’95 / Summer Situation feat. スチャダラパー
22. Pointless 5 feat. スチャダラパー, PUNPEE
23. Expressions feat. Campanella, 北里彰久, 仙人掌, スチャダラパー
24. Changes feat. JJJ
<アンコール>
25. 夜を使いはたして
26. Renaissance Beat
27. Seasons Pass
STUTS @STUTS_atik
先日の日比谷野音でのワンマンのライブレポートが音楽ナタリーさんにて掲載されました。
ぜひご覧ください📖
https://t.co/qUnAszv0fQ