フジファブリック、快晴の大阪でデビュー20周年への誓い新たに「何があっても一緒に生きていこう」

22

1042

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 221 803
  • 18 シェア

フジファブリックの全国ツアー「フジファブリック LIVE TOUR 2023 “Particle Dreams”」の最終公演が、7月17日に大阪・服部緑地野外音楽堂で開催された。

フジファブリック(撮影:ヨシモリユウナ)

フジファブリック(撮影:ヨシモリユウナ)

大きなサイズで見る(全8件)

このツアーは最新曲「Particle Dreams」を携え、6月28日の宮城・Rensaからスタートした。しかしツアー終盤、7月12日の東京・LIQUIDROOM公演は山内総一郎(Vo, G)の新型コロナウイルス感染により中止に。大阪公演の開催も危ぶまれたが、14日には予定通りの開催が発表された。本稿では大阪公演の詳細をレポートするため、東京振替公演に参加予定の人はネタバレにご注意を。

山内総一郎(Vo, G)(撮影:ヨシモリユウナ)

山内総一郎(Vo, G)(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

いざ迎えた当日は雲ひとつない快晴となり、集まったファンは気温35℃に迫る猛暑の中で開演の時を待った。強い日差しが差し込むステージに、山内とサングラス姿の金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)、サポートメンバーの伊藤大地(Dr)が登場し、最初に奏でられたのは「陽炎」。熱気がゆらめくこの日のシチュエーションにぴったりな楽曲を、4人はじっくりと届けた。

観客の大きな拍手に笑顔を浮かべた山内は「今日は来てくれてどうもありがとう。『Particle Dreams』、始めます!」と元気よく挨拶し、「自分勝手エモーション」の軽快なビートを鳴らした。「楽園」で妖しく幻想的な世界を展開したあとは「SHINY DAYS」へ。「ちょっとだけ はしゃぎ過ぎたかもね」と歌った山内は「もっとはしゃいでいいよね?」と客席に呼びかけ、オーディエンスのテンションを上昇させた。

金澤ダイスケ(Key)(撮影:ヨシモリユウナ)

金澤ダイスケ(Key)(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

最初のMCで山内は、服部緑地野外音楽堂のステージに立つのが25年ぶりだと話し「今日ライブできるのがめっちゃうれしいです。25年ぶりに帰ってこれたんで言わせてください、ただいま!」と話す。そして2024年のメジャーデビュー20周年を控え「フジファブリックは周年のときに美しい景色を作ってきました。20周年でもまた、この大阪の地ででっかい花火を上げたいと思っていて。それに向けて今日のライブをスタートにする覚悟を決めていたので、どうしても今日やりたかったんです」と、この日のステージに懸けた思いを熱く語った。

そんな言葉を体現した「Particle Dreams」の演奏中には徐々に陽が傾き、涼しい風も吹き抜ける。続いては金澤が奏でたイントロで大歓声が起こった「地平線を越えて」。山内はダブルネックギターで熱いサウンドを鳴らし、オーディエンスを圧倒した。汗びっしょりで4人の熱演を見つめる観客に、山内は心配そうに「大丈夫?」と声をかける。その傍らで金澤はステージ上の暑さについて「椅子も、機材のツマミも熱くて(笑)。iPadも熱暴走しないようにタオルを巻かれているんだけど、冷えピタも貼られてるんだよね(笑)。効いてるのかな?」と苦笑いした。

加藤慎一(B)(撮影:ヨシモリユウナ)

加藤慎一(B)(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

会場の熱気をクールダウンさせるように披露されたのは、2013年リリースのアルバム「VOYAGER」収録曲の「Time」。アルバム発売当時のツアー以来となるレアな選曲で観客を驚かせたあとは「ブルー」が演奏された。アウトロでは4人がエモーショナルなインプロビゼーションを展開。暑さを忘れたかのような気迫に満ちたプレイでオーディエンスを引き込んだ。

演奏を終えた山内は「だいぶ今ので魂を使い切ってしまった気がする……(笑)」とつぶやきながらステージに座り込みつつ「25年前にここで弾いていたギターが今の青いギターで。一緒に帰ってくることができました」というエピソードを明かし、メンバー紹介へと移った。金澤は「25年前に山内くんが立っていたこのステージで、私は今日ポップコーンを売っています(笑)」と、「FM802料理部」とのコラボメニューを紹介。加藤は「25年経って新しい思い出を作っている、それを皆さんと共有できているのがうれしいです」と笑顔を見せた。過去に服部緑地で複数のライブに出演してきたという伊藤は「ここでライブを観るのが気持ちいいのは知ってるんで。皆さん、倒れないように」と観客を気遣った。

ここで山内は「今までのライブでやったことないんですけど、トイレ行ってきていいですか?(笑) 水分補給しすぎた」と話して中座し、金澤は「大阪に来ると自由だよね(笑)」と見送る。山内が戻ってきたところで会場には防災無線のスピーカーから、17:15を告げる「夕焼け小焼け」のチャイムが流れた。これを聞いた山内はメンバーに耳打ちし「チャイムが鳴ったので、やる曲を変えます」と次の曲を急遽変更。続いて披露された楽曲はもちろん「若者のすべて」。夏の情景を丁寧に歌った山内は「今日は(2010年に)『フジフジ富士急』を開催した日で。あのときから気持ちは変わらず、志村(正彦)くんとバンドをやるという覚悟で続けています」と思いを明かした。

フジファブリック(撮影:ヨシモリユウナ)

フジファブリック(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

ライブ後半ではフレデリックとのコラボ曲「瞳のランデヴー」を、山内と金澤のツインボーカルでパフォーマンス。さらに「WIRED」「Feverman」「Surfer King」とアッパーチューンを連投し、場内の一体感を高めた。本編最後の曲は、山内が「これからもっと1つになって、未来を作りたいと思って作った曲です」と語る「ミラクルレボリューション No.9」。加藤のレクチャーによる振付を観客も楽しそうに踊り、ライブの締めくくりを華やかに飾った。

アンコールでは金澤が、10月より新たなツアー「プラネットコロコロ TOUR 2023」を開催すること、10月30日に大阪・BIGCATで行うライブイベント「フレンドパークアトラクションズ」のゲストに、けいちゃんと和ぬかを迎えることを発表。山内はツアーについて「ゆるいタイトルだけどエモーショナルな内容になると思います」と語り、「その頃まあ、そのタイトルの何かがあなたのもとに届けられるんじゃないかと」と匂わせてファンの期待を高めた。

フジファブリック(撮影:ヨシモリユウナ)

フジファブリック(撮影:ヨシモリユウナ)[拡大]

「でもいけたね、なんか」とこの日のライブを振り返った山内は「実は昨日の夜中まで中止にするかを話していて……」と体調がまだ万全ではなく、ギリギリまで開催可否の判断を下せなかったという深刻な舞台裏を明かして観客を驚かせた。「でもみんなの前に立って歌ったら『普段よりいいんじゃないか』というぐらい体調が回復しました」と感謝を述べた山内は「何があってもこれからの未来を一緒に生きていきましょう。そして素晴らしい景色を見ていきましょう」と呼びかけ、アンコールの楽曲「徒然モノクローム」「LIFE」を披露した。

「プラネットコロコロ TOUR 2023」のチケットは公式モバイルサイト「FAB CHANNEL」にて7月25日23:59まで先行予約を受付中。

この記事の画像(全8件)

「フジファブリック LIVE TOUR 2023 “Particle Dreams”」2023年7月17日 服部緑地野外音楽堂 セットリスト

01. 陽炎
02. 自分勝手エモーション
03. 楽園
04. SHINY DAYS
05. Particle Dreams
06. 地平線を越えて
07. Time
08. ブルー
09. 若者のすべて
10. 瞳のランデヴー
11. WIRED
12. Feverman
13. Surfer King
14. ミラクルレボリューション No.9
<アンコール>
15. 徒然モノクローム
16. LIFE

全文を表示

読者の反応

ジャックライオン@大阪茨木 @IbarakiJacklion

びっくりギターズで毎年この場所で開催していた「八音祭(やおんさい)」に同じくびっくりギターズで買った初めてのギター「青いフェンダージャパンのストラト」で出たんだよね。

25年前のお話し。

25年後の素晴らしいライブでした! https://t.co/wV3Uhbkkgr

コメントを読む(22件)

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 フジファブリック の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。