リーガルリリーの東名阪ツアー終幕、中野サンプラザホールに轟音響かせた夜

リーガルリリーが2月8日に東京・中野サンプラザホールで東名阪ワンマンツアー「Cとし生けるもの」のファイナル公演を開催した。

リーガルリリーが最新アルバム「Cとし生けるもの」を携えて、大阪・BIGCAT、愛知・名古屋CLUB QUATTRO、中野サンプラザホールの3カ所を回ったこのツアー。彼女たちはバンド史上最大キャパシティとなる中野サンプラザホールでアルバムの収録曲を中心に全20曲を披露した。

ステージを覆うカーテンがゆっくりと上がると、大きな拍手に迎えられて3人がステージに登場。印象的なギターリフとともに最新アルバムの1曲目「たたかわないらいおん」でライブの幕を開け、無垢な歌声と三位一体の心地のいいアンサンブルを会場に響かせた。そして彼女たちは「GOLD TRAIN」「1997」をプレイし、激情と熱をはらんだ美しいサウンドをオーディエンスの心に浸透させていく。さらに「風にとどけ」を衝動に身を任せるように勢いよく演奏したあと、3人は軽快に音を弾ませるように「林檎の花束」を披露した。

「ほしのなみだ」では叫ぶような歌声と気迫のこもったサウンドが広がり、残響音の中で自然と拍手が会場に沸き起こった。続いてたかはしほのか（Vo, G）が高校時代に楽曲の1番を作り、大人になってから続きを完成させたという「教室のドアの向こう」を語り上げるように歌う。疾走感のあるビートにセンチメンタルな思いを乗せた「中央線」を経て、「東京」では3人が緩急を付けた演奏を繰り広げ、最後は激しい轟音で会場を満たした。たかはしが「私は自分の体のことを乗り物だと思っていて。自分の体を大切にしようと思って作った曲があります」と前置きをして弾き始めたのは「きれいなおと」。切迫感の中にどこか優しさをはらんだ歌声とエモーショナルなプレイで観客の胸を打ったあと、彼女たちは幻想的な雰囲気のある「そらめカナ」を奏でた。

「9mmの花」では3人の躍動感のある音が加速するように疾走していく。たかはしがポエトリーリーディングのように言葉を紡ぐ「蛍狩り」を経て、「惑星トラッシュ」では3人のサウンドが美しく絡み合ってドラマティックな世界観を描き、「アルケミラ」ではたゆたうようなメロディと力強いリズムが独特の浮遊感を生み出した。人それぞれの“光り方”に焦点を当てたナンバー「セイントアンガー」が披露されたあと、「リッケンバッカー」ではみずみずしいサウンドが跳ねるように響きわたる。最後にはリラックスしたムードでアルバムのラストナンバー「Candy」を演奏し、彼女たちはステージをあとにした。

アンコールではコンセプトツアー「Light Trap Trip」が4月に始まることが発表された。そしてリーガルリリーは「ハンシー」を清々しくプレイしたあと、「はしるこども」で最後まで爆発的なエネルギーをステージから放っていく。3人がステージを去ったあとも、客席では万感の拍手がしばらく鳴りやまなかった。