音楽事務所WACK主催の無観客配信ライブ「WACK FUCKiN'SORRY PARTY」が、本日8月1日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開催された。
WACKは2月初旬の宮城・女川町生涯学習センター 公演を皮切りに、同事務所所属グループの全組が出演するイベントツアー「WACK TOUR 2020 "WACK FUCKiN'PARTY"」を開催。新型コロナウイルス感染拡大の影響により2月下旬以降の公演が中止となったため、本日8月1日にツアーの“リベンジ公演”として「WACK TOUR 2020 "WACK FUCKiN'REVENGE PARTY"」を実施予定だった。しかし昨今の状況に鑑み、観客を入れての開催が叶わず、急遽無観客の有料配信ライブという形でこの日を迎えた。
開演時間になり、ステージに
トップバッターを飾ったBiSHは「BiSH-星が瞬く夜に-」でライブをスタートさせ、チッチが「こんにちはBiSHです! 調子はどうですか!」と声を上げる。6人はカメラ目線で歌うなど画面の先にいるオーディエンスを意識しながらパフォーマンスを展開し、モモコグミカンパニーが「WACKスレイブの皆さんこんにちは!」、ハシヤスメ・アツコが「どんなに離れていても心は1つ!」と視聴者に呼びかけた。BiSHは最新アルバム「LETTERS」から疾走感のあるロックチューン「TOMORROW」、人気曲「オーケストラ」を連投。またアイナ・ジ・エンドは「暇な人も忙しい人もいろいろおるやろうけど、今日は観てくれてありがとう。最後まで楽しんで帰ってください」と優しい口調で視聴者に語りかけた。その後、BiSHは壮大なサウンドの「My landscape」や、リンリンのシャウトが冴える「遂に死」、アユニ・D作詞による新曲「スーパーヒーローミュージック」などを披露。チッチが「今日は悔しさと思いの丈をライブで伝えようと思ってここに来ました。また会えることを楽しみにしています。最後にBiSHからあなた宛の手紙を送ります」と話し、最後にコロナ禍を受けて完成した楽曲「LETTERS」をファンに捧げた。
BiSは「はじめまして。私たち、新生アイドル研究会BiSです!」と挨拶してから、1発目にキラーチューン「STUPiD」を投下。1度きりの人生を楽しもうという前向きな歌詞のメッセージを元気いっぱいのパフォーマンスで表現した。「this is not a love song」ではイトー・ムセンシティ部がひときわエモーショナルな歌声を聞かせ、「FUCKiNG OUT」ではネオ・トゥリーズが渾身のシャウトを炸裂させた。続けてBiSは8月19日リリースの新作音源「ANTi CONFORMiST SUPERSTAR」から新曲「イミテーションセンセーション」、間髪入れずにメロディックパンクチューン「BASKET BOX」を披露。「BASKET BOX」のアウトロでは、チャントモンキーが腕を大きく振りながら「今日はみんなの前でライブができるって、やっと会えるって思ってました。めちゃくちゃ悔しいです。私たちはあなたに会いたい! このクソみたいな今を乗り越えて、今は画面の向こうにいるあなたに、会いに行きます!」と胸の内を大きな声で叫んだ。
3組目に登場したCARRY LOOSEは現在、メジャーデビューが決まるまで続く24時間生配信企画「CARRY LOOSEのCARRY OF MAJOR 24時間まるみえです。メジャーデビューするまで帰れません!!!」で共同生活を送っている。ユメカ・ナウカナ?の「画面の向こうの皆さんに精一杯の思いを届けます!」という宣言に続いて、4人は「When we wish upon a star」を披露。彼女たちは過去のライブの経験から振り付けにアップデートを加えており、進化したパフォーマンスを視聴者に見せつけた。パン・ルナリーフィは「約6カ月、皆さんの目の前でライブができなくなって。今日はリベンジがやっとできると楽しみにしていましたが、このようになってしまって悔しいです。少しずつ希望が見えたと思ったら、また見失って。とても悲しい気持ちでいっぱいです。だけど、こうやって配信を観てくれる人がいて。皆さんは私たちを奮い立たせてくれる存在であり、私たちにとっての希望だと思っています。窮屈な世の中になってしまったけど、私たちが今届けられるものをすべて届けにここに来ました」とコメント。その言葉を体現するかのように、4人は最後に「やさしい世界」を届けてステージをあとにした。
続いてWACKの育成プロジェクト・WAggは今年3月の「WACK合同オーディション2020」で合格したユウドット・comを含む7人体制で登場した。彼女たちはWACKのシャッフルユニット・SAiNT SEXの楽曲「WACK is FXXK」と、WAgg初のオリジナル曲「WAggの素晴らしき世界」の2曲を披露。WACK所属グループの中でも大所帯の彼女たちはステージを広く使い、堂々たるパフォーマンスを見せた。
5組目はコロナ禍中の4月に
続くアクトは、PARADISESと同じくGANG PARADEが分裂して誕生したGO TO THE BEDS。一身上の都合でココ・パーティン・ココがライブに不参加となったため、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ユイ・ガ・ドクソンの4人でお披露目ライブの舞台に上がった。GO TO THE BEDSはEDMとロックを融合させた楽曲の多いギャンパレの系譜を受け継いだようなアッパーチューン「行かなくちゃ?」、重厚かつダークなバンドサウンドの「Don't go to the bed」でパワフルなライブを展開。1stアルバム「GO TO THE BEDS」のリード曲「I don't say sentiment」を含めて3曲を届け、去り際にはユアが「やっと、やっと、やっと! ステージに立つことができました! これから私たちはどんなに高い壁でもぶち破って、前に進んで行きます!」と宣言した。
続く豆柴の大群はTBS系のバラエティ番組「水曜日のダウンタウン」発のアイドルグループ。1stアルバム「スタート」のリリースに合わせ、7月に東京・マイナビBLITZ赤坂で自身初のワンマンライブを予定していたが、中止を余儀なくされた。「WACK TOUR 2020 "WACK FUCKiN'PARTY"」で披露したのは各公演1曲のみだったが、今回のライブではナオ・オブ・ナオがグループ加入前に起こした未成年飲酒に関する騒動をきっかけに生まれた楽曲「FLASH」をはじめ、「豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-」「大丈夫サンライズ」「りスタート」の4曲をパフォーマンス。ミユキエンジェルがエモーショナルな歌声を聞かせ、ハナエモンスターがダイナミックに足を蹴り上げるアクションを見せるなど、ひさしぶりのステージでタフな姿を見せつけた。グループのアドバイザーを務めるクロちゃん(安田大サーカス)の提供曲「りスタート」を最後に披露する前、カエデフェニックスは「楽しみにしていたいろんなことが予定通りに進められなくなってしまい、すぐ先の未来がわからなくて不安になることもあります。でも豆柴の大群はまだ始まったばかりです。前を向いて、進んでいきます。私たちは何度でもスタートできます!」と前向きに語った。
イベントのトリを務めたのはEMPiRE。8月5日にリリースする新作音源「SUPER COOL EP」のリード曲「This is EMPiRE SOUNDS」でクールなパフォーマンスを見せつけ、「ひさしぶりに踊ろうぜ!」とキラーチューン「Have it my way」につなぐ。彼女たちは難易度の高いダンス、畳みかけるようなフロウを次々に決めていった。MCでMAYU EMPiREはライブができない日々を振り返り、「ライブを生きがいにしていたし、ファンのみんなから元気をもらっていたことを再認識して。みんなに何かしたいと思ったけどライブができなくてモヤモヤした日々を過ごしてました。今日ほかのグループのライブを観て、やっぱりライブっていいなって思いました。だからEMPiREもEMPiREなりのライブをお届けして、『ライブっていいな』と思ってもらえるように一生懸命やります」とコメントした。MAHO EMPiREが「皆さんに会うことを楽しみにしていたし、やっぱり会いたかったな。離れていても今日は歌を届けることができてよかったです。また皆さんに会えることを楽しみにして、最後にこの曲を届けたいと思います」と話してからラストに用意された楽曲は「MAD LOVE」。EMPiREは無人のフロアを前にしても目の前に観客がいるかのようにパフォーマンスを繰り出し、画面の向こうの視聴者に思いを届けた。
全演目が終わると、ステージに再び全8組が集結した。BiSのトギーは「今日は楽しすぎて死ねへんかったわー!! ここに立てて幸せです」、PARADISESのナルハワールドは「本当に楽しい時間でした。PARADISES、どんどん登っていきたいと思います」とそれぞれコメント。豆柴のミユキは「すごく楽しかったです! みんなキュンです! 渡辺さんもキュンです!」と話し、チッチに「それ、やめな」とツッコミを食らった。続けてWAggのア・アンズピアは「ライブと音楽で皆さんとのつながりを感じられました。ありがとうございました」、CARRY LOOSEのウルウ・ルは「5カ月ぶりのステージに、改めてライブは代わりのないものなんだなと感じました。また皆さんの前に立てるようにこれからもがんばります」と感想を述べた。GO TO THE BEDSのドクソンが「皆さん、今日は観てくださってありがとうございました。やっぱライブ最高っすわ! でもお客さんが前にいたほうがもっと最高っすわー。その機会をWACKは絶対あきらめないので!」と話すと、渡辺は「WACKを代表して言うのやめてくれる?」と笑っていた。
EMPiREのMAYUは「ライブをやるのも、観るのも楽しくて。ライブが好きだなって思いました。ライブができるうれしい気持ちと、お客さんの前でできない悔しい気持ちでいっぱいです。でもライブをすることをあきらめたくないなって。ライブができる日までがんばっていくので、これからもよろしくお願いします」と涙ながらに語った。最後にチッチは「ライブをやっているときが一番BiSHらしいなと思いました。メンバーがライブを一番に楽しんでいるような感じがして。やっぱりここ(ステージ)なんだなあと思いました。今日1日を通して、音楽は死なないと思ったし、WACKは世界がどんな状況になっても“行かなくちゃ”なので、この先の未来もそれぞれの形で愛を伝えていきます。また会えるときまで強く、生きてください」と視聴者にメッセージを送った。そして全員で「We are WACK!」と唱和し、約4時間におよぶイベントは無事に締めくくられた。
関連する特集・インタビュー
「WACK FUCKiN'SORRY PARTY」2020年8月1日 神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト
BiSH
01.
02. TOMORROW
03. オーケストラ
04. My landscape
05. 遂に死
06. スーパーヒーローミュージック
07. FOR HiM
08. LETTERS
BiS
01. STUPiD
02. this is not a love song
03. FUCKiNG OUT
04. イミテーションセンセーション
05. BASKET BOX
06.
CARRY LOOSE
01. When we wish upon a star
02.
03. にんげん
04. やさしい世界
WAgg
01. WACK is FXXK
02.
PARADISES
01. TWINKLE TWINKLE
02. 終わらない旅
03. GOOD NIGHT
GO TO THE BEDS
01. 行かなくちゃ?
02. Don't go to the bed
03. I don't say sentiment
豆柴の大群
01. FLASH
02.
03. 大丈夫サンライズ
04. りスタート
EMPiRE
01. This is EMPiRE SOUNDS
02. Have it my way
03. S.O.S
04. SUPER FEELiNG GOOD
05. ピアス
06. MAD LOVE
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