AKB、坂道、ハロプログループ含むアイドル212組が夏空の下に大集合!10年目の「TIF」
2019年8月10日 21:57
8 音楽ナタリー編集部
8月2~4日に東京・お台場青海周辺エリアで国内最大級のアイドルイベント「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」が行われた。
2010年にスタートし、今回で10度目の開催となった「TIF」。今年は3日間合わせて8万8000人が来場し、過去最大の動員を記録した。出演アイドルは総勢212組、1393名にのぼり、夏の暑い日差しが降り注ぐ中、野外ステージのSMILE GARDENや東京・Zepp DiverCity TOKYOのHOT STAGEなど計8つのステージでライブやトークを繰り広げた。
DAY 1
8月2日公演のトップバッターを務めたのは、2016年より毎年ソロで「TIF」に出演しているももいろクローバーZの佐々木彩夏。4年連続で初日のオープニングを飾った佐々木は、「だって あーりんなんだもーん☆」「あーりんは反抗期!」などのソロ曲を朝のSMILE GARDENに響かせた。アイドリング!!!は2010年の「TIF」初回から中心となってイベントを牽引し、2015年10月に活動を終了したあとも各メンバーがさまざまな形で参加して「TIF」を盛り上げてきたが、今年はイベント10年目を祝して1日限りの復活ステージを披露。卒業時のメンバー12名で代表曲「ガンバレ乙女(笑)」などをパフォーマンスした。客席には懐かしいオレンジ色のペンライトが光り、最前エリアにはひさびさにタンスの奥から引っ張りだしたであろうアイドリング!!!公式Tシャツを着たリンガー(アイドリング!!!ファンの呼称)の姿も多く見られた。
日中のSMILE GARDENには今月メジャーデビューしたBEYOOOOONDSが初登場。デビューシングルに収録されている「ニッポンノD・N・A!」では途中で音が数秒間止まるハプニングが起きるも、動じることなく観客の手拍子に合わせてライブを続行した。昨年に引き続き行われたDDTプロレスリングとのコラボ企画「TIF2019 x DDT路上プロレス」ではアイドル7人が元LinQの伊藤麻希を含むプロレスラーたちと芝生の上で対決し、最終的に我妻桃実(ハコイリ▽ムスメ)がチャンピオンベルトを手に。夕方には「Hello! Project Special Stage Berryz工房大好きスッペシャル!」と題した企画が展開され、Berryz工房をリスペクトするアイドルたちが集結した。Berryz工房の副キャプテンであった夏焼雅(PINK CRES.)や、BEYOOOOONDSを中心に「付き合ってるのに片思い」「一丁目ロック!」「スッペシャル ジェネレ~ション」などが歌われた。MCでは岩崎夢生(Tokyo Flamingo)が、Berryz工房の徳永千奈美に顔が似ていることを本人に公認してもらったというエピソードをうれしそうに語っていた。
湾岸スタジオ屋上のSKY STAGEではTask have Fun、真っ白なキャンバス、虹のコンキスタドール、夢みるアドレセンス、神宿、はちみつロケット、ラストアイドルファミリーのSomeday SomewhereやLaLuceなどが夏の日差しを浴びながら元気いっぱいにパフォーマンス。元アイドルネッサンスの百岡古宵が所属する新グループ・開歌-かいか-は持ち味であるさわやかなコーラスワークを夏空の下で響かせた。また夕暮れ時には、11月に活動を終了するWHY@DOLLが登場。マジックアワーの美しい景色をバックに「夜を泳いで」「ラブ・ストーリーは週末に」などのアーバンな楽曲を届け、WHY@DOLLとしてもっとも多く立った思い入れのあるSKY STAGEに別れを告げた。
湾岸スタジオ内のDOLL FACTORYには、メンバーへ危害を加える内容の予告がSNSに投稿されたことを受け、出演ステージを変更したわーすたが登場。小玉梨々華は無事にライブを行えたことについて感謝の気持ちを述べながら感極まり、思わず涙を流していた。またメインステージであるHOT STAGEへの出場権を賭けた「TIF2019メインステージ争奪LIVE」決勝戦では、メイビーMEが優勝。夜の時間はセクシー女優によるユニットが多数出演する恒例の「TIFもハジける!スパークリングNIGHT!!」が行われ、イジリー岡田による高速ベロの歯ブラシ舐めなどバラエティ色強い企画で盛り上がった。
初日のSMILE GARDENのラストを飾ったのは乃木坂46の4期生。「TIF」に初出演した彼女たちは4期生のオリジナル楽曲である「4番目の光」「キスの手裏剣」や、乃木坂46の代表曲「君の名は希望」「裸足でSummer」を歌唱し、夜のお台場にフレッシュな空気を届けた。メインのHOT STAGEではアンジュルムが初日のトリを務め、ハロプロ流の鍛え抜かれたパフォーマンスで観客の視線を釘付けに。アッパーなファンクナンバー「大器晩成」で1曲目から熱狂的なグルーヴを作り上げ、畳みかけるように「次々続々」「夢見る15歳」「有頂天LOVE」「夏将軍」を歌うと、最後はキラーチューン「46億年LOVE」でフィニッシュ。短い時間の中に魅力を凝縮したセットリストで、アイドルファンにその存在感をアピールした。
DAY 2
2日目は急遽2日前に出演が決定したNGT48が、朝早くにSMILE GARDENへ登場。荻野由佳の「これからも私たちは全力でパフォーマンスして精一杯がんばります」という挨拶を経て、初のオリジナル曲である「Maxとき315号」やシングル曲「青春時計」「世界はどこまで青空なのか?」を披露した。その後の同ステージでは、SNSの犯行予告の影響で前日の出演をキャンセルした二丁目の魁カミングアウトが猛暑にも負けない力強いステージで観客を盛り上げる。「でんぱ組虹コンJr.メンバー オーディションステージ」には、でんぱ組.incのジュニアグループ・meme tokyo.、虹コンのジュニアグループ・虹のファンタジスタ、元虹コンの奥村野乃花がプロデュースするリルネードと、7月31日にグループ結成を発表したばかりのDEARSTAGEの新人3組がそろって出演。1曲ずつのパフォーマンスでそれぞれのカラーをアピールした。東京女子流とときめき▽宣伝部は合同ユニット「東京▽宣伝部」としてお互いの楽曲でコラボレーション。今回限りのコラボユニットとして結成された東京▽宣伝部だが、新井ひとみ(東京女子流)は「勝手に宣言したいと思います。次のTIF、私たちは再結成してこのステージに立つことをお台場の自由の女神像に誓います!」と予告した。
フジテレビ前に設置されたDREAM STAGEには、「TIF」初登場となる “デジタル声優アイドル”22/7が出演。アメリカ・カリフォルニア出身の天城サリーがきれいな発音で「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019!」と叫んだのち、彼女たちは8月21日にシングルリリースする新曲「何もしてあげられない」などを披露した。また同時刻のHOTSTAGEにはラストアイドルの全ユニットが集結し、大人数でのステージで観客を圧倒した。DOLL FACTORYではもはや「TIF」の恒例行事となりつつある「TIF2019アームレスリング大会 powered by TOWER RECORDS ザ・感謝祭」が行われたが、今年はギュウゾウ(電撃ネットワーク)が率いる「ギュウ農フェス選抜軍」と「TIF・タワレコ連合軍」による5対5の団体戦方式に。本気すぎるTIF・タワレコ連合軍の圧勝という形で対決は終わり、その後のTIF・タワレコ連合軍によるトーナメントではハコムスの我妻が盤石の強さで大会2連覇を果たした。
2日目のSMILE GARDENでトリを務めたのは日向坂46。2017年に「ひらがなけやき」ことけやき坂46として欅坂46との合同で、2018年にけやき坂46単独で出演を果たした彼女たちだが、今年は日向坂46として初出演し、ライブ初披露の「ドレミソラシド」「キツネ」やデビューシングル「キュン」を含む5曲を歌った。
一方、HOT STAGEではSTU48のTIF選抜メンバー、Task have Fun、神宿らが会場を沸かせたあと、でんぱ組.incがラストに登場。最新シングル曲「いのちのよろこび」でライブをスタートさせた6人は、続けて「NEO JAPONISM」「でんでんぱっしょん」などのアッパーチューンを連発し、独特の世界観が漂うにぎやかなステージで観客を楽しませる。そして最後はサマーソング「プレシャスサマー!」で「TIF2019」の2日目を締めくくった。
DAY 3
3日目は昼のSMILE GARDENにて、「美と知性を併せ持つユニット」として結成された現役女子大生グループのカレッジ・コスモスがカントリー・ガールズと兼任する山木梨沙を中心に可憐なダンスを披露したほか、ハロプロ研修生ユニットの5人が堂々としたステージを見せる。「TIF」初参加の眉村ちあきは、初日のHOT STAGEと3日目のSMILE GARDENの2ステージに出演した。SMILE GARDENでは自作のトラックをバックにパフォーマンスしたほか、得意の即興ソングでアイドルとアイドルオタクへの愛を歌う場面も。「TIFは怖いところだと思ってたけど、なんだ全然オタクたち超優しいじゃん! ありがとう、もっと好きになった」という言葉から「ピッコロ虫」へとつなぎ、SMILE GARDENを感動の渦に巻き込んだ。
午後には=LOVEの姉妹グループ≠MEが、SMILE GARDENでデビューライブを行った。「今日このステージから長い人生の1ページを皆さんと一緒に過ごしたいです!」という呼びかけを合図に、12人は「スタート!」「探せ ダイヤモンドリリー」などの=LOVEの楽曲や、初のオリジナルソング「≠ME」をフレッシュに歌唱。テレビ東京「青春高校3年C組」から生まれた部活動ユニット・青春高校3年C組女子アイドル部は「青春のスピード」「チャイムの途中で」など秋元康作詞のオリジナルナンバーでフレッシュな魅力を見せ、フジテレビ主催の「TIF」でチャンネルの垣根を超えた活躍を見せた。昼間のSKY STAGEにはBILLIE IDLEやラストアイドルファミリーのGood Tears、ハコムス、さくら学院らが登場。初日の「TIF2019メインステージ争奪LIVE 決勝戦」で優勝したメイビーMEはSKY STAGEでのパフォーマンスを終えてからHOT STAGEへと向かった。
SMILE GARDENで行われたWACKによるスペシャルプログラム「WACK presents DREAMLIGHTS in TIF」では、まずBiSHのアイナ・ジ・エンドが松隈ケンタ(G)、吉岡紘希(Per)を引き連れたアコースティック編成でステージへ。アイナは時折、汗をぬぐいながら「SMACK baby SMACK」や「DiSTANCE」を歌って観客を魅了した。サプライズで現れた第3期BiSは、「STUPiD」で組体操をモチーフにした振り付けを繰り広げて観客にインパクトを与える。さらに「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」で初ライブとは思えない貫禄すら漂うエモーショナルな歌声を響かせ、ラストの「thousand crickets」の曲中にはスクワットやヘッドバンギングを繰り返した。また、コギャルに扮したGANG PARADEのユイ・ガ・ドクソンはソロ曲「Like a virgin」をコミカルにパフォーマンス。シャッフルユニットのSAiNT SEXの出番では元BiSで現在はカレールーず(仮)のパン・ルナリーフィがひさびさに姿を見せ、次のHOLY SHiTSはWAggのア・アンズピアとウルウ・ルを新たに迎えた編成で「WACK is SHiT」を披露した。プログラムのラストには「TIF」のために書き下ろされた楽曲「WACK is BEAUTiFUL(this is love song)」をWACK全メンバーで歌唱。元BiSでパンと同じくカレールーず(仮)での活動準備中のYUiNA EMPiREもステージに上がって声援に応えていた。
その後のSMILE GARDENではフィロソフィーのダンスとprediaがコラボ。メンバーが“声量おばけ対決”と称したように、フィロのスの日向ハル、prediaの湊あかねを筆頭とする2組の迫力の歌声が交わった。吉本坂46の出番になると金田哲(はんにゃ)、ゆりやんレトリィバァら人気芸人たちが次々に登場して歓声を浴び、スタッフから巻きのサインが送られる中、騒がしくMCを続けて会場に笑いを起こす。日がすっかり落ちた頃には黒いTシャツを着たTask have Funがボンボンを手にステージに現れ、キラーチューン「3WD」を投下。「ギュッと、チュッと」の冒頭ではTシャツを引き裂いてさわやかな本来の衣装になってライブを継続した。アフターパーティ前のSMILE GARDEN本編のトリを飾った26時のマスカレイドは、今月リリースしたメジャーデビュー曲「ちゅるサマ!」などを歌唱し、清涼感あふれるパフォーマンスで会場を大いに盛り上げた。
その頃、SKY STAGEには凝ったサウンドの楽曲でアイドルファン以外からも注目を集めるsora tob sakanaとamiinAが登場。それぞれライブを披露したのち、お台場の夜景をバックに「夜空を全部」「Canvas」といった両組の代表曲をコラボし、幻想的でエモーショナルな空気を生み出した。HOT STAGE最終日の大トリは、AKB48のTIF2019選抜チーム。48グループ総監督の向井地美音を筆頭に、柏木由紀、岡田奈々ら総勢16名の強力な布陣でHOT STAGEに挑んだ。勇ましい「RIVER」で幕を開けたAKB48 TIF2019選抜のステージは、「フライングゲット」「言い訳Maybe」「前しか向かねえ」などのシングルヒット曲から「LOVE修行」「only today」「Seventeen」といったコアなファンに人気の楽曲までノンストップで8連発。メンバーも観客も汗だくな中、最後は「私たちへの『好き』という気持ちを全力で伝えていただけるとうれしいです」という前振りから2008年のシングル「大声ダイヤモンド」が歌われ、10年目ラストのHOT STAGEは異様な熱気に包まれた。
AKB48 TIF2019選抜のアクトを終えたあと、HOT STAGEは恒例のグランドフィナーレへ。濱口まさる(よゐこ)と朝日奈央(ex. アイドリング!!!)、そして「TIF2019」チェアマン・指原莉乃のMCのもと、「TIF2019」の3日間で行われた複数のコラボパフォーマンスが再演されたほか、「TIF」の10年を映像とコラボパフォーマンスで振り返るメドレーも披露され、ももいろクローバー「走れ!」、東京女子流「おんなじキモチ」、SUPER☆GiRLS「MAX!乙女心」、アップアップガールズ(仮)「アッパーカット!」、アイドリング!!!「サマーライオン」、虹コン「トライアングルドリーマー」など「TIF」の歴史を彩ってきたアンセムが歴史を追ってつなげられた。
※▽はハートマークが正式表記。
NEMO @mtokj307
【ライブレポート】AKB、坂道、ハロプログループ含むアイドル212組が夏空の下に大集合!10年目の「TIF」(写真300枚) - 音楽ナタリー https://t.co/RsKmWEoWzl