CharaとYUKIによるコラボレーションユニットChara+YUKIが、2020年以来となる新曲「背中にリボン」を2月11日にリリースした。
1999年に結成され、1stシングル「愛の火 3つ オレンジ」をリリースしたChara+YUKI。それから20年を経た2020年2月に初のミニアルバム「echo」をリリースし、ライブを行う予定だったが中止となり、それ以降ユニットの活動は休止していた。
音楽ナタリーでは再び動き出したChara+YUKIにインタビュー。新曲「背中にリボン」制作の経緯について詳しく話を聞き、5月5、6日に東京・東京ガーデンシアターで行われるライブ「Chara+YUKI LIVE "echo" 2026」の意気込みも語ってもらった。
取材・文 / 矢隈和恵
まずYUKIがCharaに電話
──2020年にリリースされたChara+YUKIの20年ぶりのミニアルバム「echo」から5年が経ちました。そのときはライブも決まっていたのにやむを得ず中止となってしまいましたが、今改めて当時の思いと、今回また動き始めようと思った気持ちを聞かせていただいてもいいですか?
YUKI あのとき、Charaと私とスタッフも含めてみんなで話し合って、これはもう決断せざるを得ないなという状況でした。本当に何が起きているのか世界的にわからない状況だったので、涙を飲んで中止という形にさせていただきました。私たちもですけど、ファンの方々もすごく楽しみにしてくれていたと思うので、悔しかったです。でも、その後、少しずつ日常が戻ってくるにつれて、Chara+YUKIのライブのことは気になっていました。
──Charaさんはツアーが中止になったとき、どんな心境でしたか?
Chara あの頃は自分のライブもできなくて、音楽がなくなると、すごくバランスが悪かったですね。配信ライブとかいろいろやってはみたけど、声が出せるってこんなにいいんだなって。声を重ねることってすごいんだなって、コロナ禍のときに改めて思いましたね。
──その期間にもお二人は会われていたんですか?
YUKI 会ってないですね。やっと日常に戻ったかなという頃に、Charaからライブに誘ってもらったりはしました。Chara+YUKIのライブのことは気になっていたんですけど、去年の春に、今ならできるかもなと思って私から連絡したんです。ちょうどCharaのデビュー35周年のニュースを見たのかな? 私は来年ソロデビュー25周年なんですけど、今このタイミングだったらできる、2026年だったらライブができるかもと思って、まずCharaに電話をしました。
今やらないと二度とできなそうだと思った
──そこでChara+YUKIを動かそうという話をしたんですか?
YUKI 私が思ったタイミングでいきなり始めようとしても、CharaにはCharaの予定もあるだろうし、すぐにはできないだろうとは思いました。でも、1回会うことになり、そこで「どうかな?」「できるかな?」と話して。それが、ライブをやるんだったら曲を作っちゃう? 作りたいよね、という話になっていったんです。それで決まりましたね。
──その時点で、まず曲を作ろうという話が出たんですね。
YUKI そこから「echo」を聴き直してみたら、改めてよくて。まさにこれは、今ライブでやったらすごくいいんじゃないかなと気持ちが上がりました。これでもし、Charaが「もうやらなくてもいいんじゃない?」という気持ちだったら動いてなかったかもしれないですね。でも、きっとタイミングってあるなと思ったんです。それが去年の春ですね。
Chara 今やらないと二度とできなそうだなとは思いましたね。「『echo』はすごくいいアルバムだけど8曲しかないから、新曲を作ろう」と話して。新曲はどんなのがいいか、いろいろ話しましたね。
YUKI 2人でこういう感じはどう?って、まずはすり合わせて。こういうこともできるし、こういうこともできるよね、とアイデアを送り合いました。
Chara 話だけじゃなくて、家でちょっと音を出してみたり。
YUKI Charaの家にも行って、新曲の骨組みのようなものも作りました。
Chara それも悪くはなかったけど、お互いソロだし自由だし、バンドだとバンド内だけで固まってしまうので、新しい出会いを求めて、楽曲のコンペみたいな感じで、いろいろな曲を聴いて。
YUKI そこで、2人で歌うのにすごくいい楽曲だなという曲があって、それを形にしていこうと2人で詰めていきました。
このユニットは人生勉強
──それが今回リリースされる「背中にリボン」ですね。
Chara 最初のデモ音源にYUKIが「背中にリボン」という仮タイトルをつけたんです。YUKIが歌詞番長だから、そこからまずYUKIが歌詞を書いていって。
──最初にあったデモ音源から、どう構築して作っていったんですか?
Chara まず声を出してみないとわからないから、2人のキーをチェックして。このラインで、このキーで行こうと決めて、それで仮トラックに乗せて歌っていきました。YUKIは先に言葉を作ってくれるし、ハーモニーも好きだからまずやってもらって。私も自分の歌うパートの歌詞を書いたりして。ユニットだからといってお互いの中から出てきたものを閉じ込めないようにしたいし、相乗効果があったほうが面白いから、遠慮せずに作業していきました。
YUKI そもそも「echo」というアルバムは、そういう思いで作った作品なんです。まったく違う2人だけど、これはどう? これはどう?と進めていくと、自分1人では思いつかなかったものが出てくる。共鳴していくんです。それを「echo」を聴いていたら思い出しました。
Chara もちろんそれは信頼関係があるうえで、自由に踊っていようということなんだろうけど、このChara+YUKIというのは、私にとって人生勉強でもあるんです。まったく違うソロアーティスト同士がお互いを消さずにコラボする、というのは勉強になりますね。やってみると、思っている以上に勉強になる。
お互いの曲を聴き直した
──曲作りは、まず歌詞をYUKIさんが書いていくんですね。
YUKI 私、歌詞がないとメロディをなかなか覚えられなくて。私はソングライティングをしないので、メロディを聴いて、そこから歌詞で世界観を作っていくんです。何回もそのメロディを聴いていると言葉が出てくるんですよね。それで最初に出てきたのが「背中に結わったリボン」という言葉でした。この曲を聴いたとき、壊れやすい感じとか、はかない感じが浮かんで、Charaと私でたゆんでいるリボンをはぐれないようにそれぞれが端っこを持っているイメージが出てきたんです。しかも、背中って手が届かなくて、誰かにやってもらわないと結べない。2人じゃないとできないという意味もあって、「背中にリボン」ってすごくいいなと思いました。
Chara 「縦結びでもOK」という案もあったんですよね。うまくできなくてもいいよっていう感じも、雰囲気としては映像的にすごくいいんだけど、日本的には縦結びがね、って。
──日本では、縦結びというのはあまり縁起がよくないと言われていますからね。でも、リボンを結ぶのがぎこちない2人の映像は浮かびますね。
YUKI 私、実はリボン結びが苦手で。
Chara 私も苦手。
YUKI そういう不器用な感じもすごくいいなと思ったけど、そこで実は一度、最初の「背中にリボン」から離れて別の歌詞を作ってみることにしたんです。Charaとやりとりしながら、こういうことを言ってもいいんじゃないか、こういうこともありなんじゃないか、というものを全部拾い集めて、また構築して、またバラして、ということを繰り返していくうちに、また戻って(笑)。「やっぱり『背中にリボン』がいいと思うんだけどどうかな?」とCharaに言ったら「いいんじゃない?」って。さっきもお話ししましたけど、頭に浮かんだことをあまり押し込めないように、こういうことを思った、こういうことも思った、ということをきちんと伝えてみることにしたんです。それで私たちはお互いに周年だし、今までの曲のタイトルとか歌詞を入れていくのも面白いなと思ったので、Charaに言ったら……。
Chara 「オッケー!」って。でも、お互いの歌詞は改めて聴いて勉強しないとわからないので、そこからYUKIの曲をめっちゃ聴きました。
YUKI そしたらCharaから「YUKIの曲を聴いていたら寝落ちした」というメッセージが来て(笑)。あ、聴いてくれているんだなと思いました。歌詞にけっこういろいろ入れてみたんですけど、やりすぎて意味がわからなくなったりして、これは過剰にやらないほうがいいなと思って、なるべくさりげなく入れました。さりげなくはないかな(笑)。
会話で出てきた言葉も盛り込んだ
──作詞にいつも以上に時間がかかったのではないですか?
YUKI Charaがよく「ファーストインプレッションを逃さないほうがいいんだよ」「最初にパッと思ったことってすごく大事だよ」と言うんですけど、私もそれはすごくわかるので、元に戻るというのがすごく大事だなと思って。構築してバラして、私にしては、けっこう時間をかけて書いた歌詞だと思います。歌入れ当日も、歌ってみて、やっぱりこの響きはどうかな?と感じることもあって。ソロでもやっていることではあるんですけど、実際歌ってみて違うと思ったところには別の響きの言葉を探したり。「のうみそ Good ハッピー」という歌詞は、私がすごく気に入って入れていたんですけど、Charaから「なんか違うんじゃない?」と言われました(笑)。
──Charaさんの曲のタイトルで、すごくCharaさんらしい言葉ですよね。
Chara めっちゃCharaだと思ったけど。マニアックなところから持ってくるなって。
YUKI 私はすごく好きな曲なんですけど、歌詞の前後のつながりがあまりうまくいってなかったので、そこをいろいろ変えたらOKが出ました。歌入れのときは、お互いに「こっちのメロディのほうがいい」「こっちのほうがいい」というように、意見を言い合って。このメロディは歌いづらいなということはどうしてもあるので、そこは元のメロディをアレンジしたりしていますね。
Chara 自分たち風にはしています。
YUKI 2番の頭のメロディはけっこうアレンジしましたね。
Chara YUKIっぽいコーラスワークとミュージカル調の雰囲気にしました。YUKIと私でメールのやりとりをしたときに、会話で出た言葉に対して、YUKIが「それいいね!」と言ったんです。
YUKI 「冒険のチケット」はそうですね。Charaがメールに「やっぱり冒険のチケットは持ってなきゃね」と書いていて、いいなと思ったんです。
Chara 普通の人との会話だったら流れていってしまうことも、やっぱりYUKIはそういうものに敏感だから拾ってくれるんです。私は友達に「会話が読み物だね」と言われることも多くて。
YUKI 「冒険のチケット」に続く「Yes, I got it!」という歌詞は、Charaが送ってくれた子供たちが歌っている曲からインスパイアされました。
Chara メールのやりとりでは、「この曲が好き」というのも送ったりするんです。一緒にクリエイトするときは、自分の「これが好き」ということもシェアしたいし、そういうことも意外と大事だと思う。このコーヒーが好きとか、この夕焼けの色が好きとか。一緒に過ごしている時間がたくさんあるわけでもないから、そういうものも共有したいなと思って。
YUKI 子供が歌っている声っていいですよね。それを聴いたとき、みんなで歌っている感じをどうしても入れたいと思ったんです。
──その曲の中で「Yes, I got it!」と歌っていたんですか?
Chara この言葉は歌ってないけど、そういう雰囲気の曲だったんです。女の子が「あの男の子がさ」みたいな話をしていて、その友達が「そうね」って、ちょっとおませな感じで。
YUKI その曲のイメージがあったので、「Yes, I got it!」という歌詞を入れました。ライブでCharaと私が「冒険のチケット」と歌うと、お客さんが「Yes, I got it!」と言える感じはいいなと思ったんです。
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YUKIは最初のテイクが大体いい





