令和の時代に『デブデブ』言えるのはココだけ
「百鬼夜行」のキービジュアルには矛を持ったGeroのイラストが描かれており、ここには彼がファンを引き連れてキャリア史上最大規模のツアーを回る意味が込められている。最終公演はGeroにとって初めてのソロアリーナ公演として行われた。
定刻を迎えパスタ(Key)、海賊王(G)、Hiroki169(B)、SHiN(Dr)というGeroのライブに欠かせないバンドメンバーに続きステージに現れたGeroは、つんざくようなシャウトを響かせてライブの始まりを告げる。彼が1曲目に選んだのは、昨年の東京・日本武道館公演「さようなら、武道館」で最後に披露した「The Bandits」。Geroにとって念願だった“武道館という夢”の続きを体現するかのようなセットリストに、ファンは1曲目から大きな盛り上がりを見せる。勢いそのままにGeroは「NO WAY OUT」「名古屋のデブ」と、ハイテンションなオリジナル曲を連投。「名古屋のデブ」では「令和の時代に『デブデブ』言えるのはココだけ!」とうそぶき、会場内を盛大な“デブコール”で満たした。
肩肘張らない等身大のMCで客席の空気を和らげたかと思えば、Gero初のドラマタイアップ曲でもある「イノチケズリ」では鬼気迫る表情で歌声を届けてオーディエンスを圧倒。続く「フィラデルフィア」では、淡々と言葉を紡ぐラップで”復讐者”を演じてみせ、シアトリカルなパフォーマンスで観る者を楽曲の世界に引きずり込む。シリアスな楽曲が続いたあとのMCでは、Gero自身も緊張を解きながら「落ち着いた落ち着いた」と口にし、客席からは彼のパフォーマンスを讃えるように「金城!」「げろりん!」「ちゃんげろ!」と、本名や愛称を呼ぶ声があふれた。
熱い呼びかけに対して「見てるだけ」
ライブ中盤は、Geroの活動の源泉である“歌ってみた”で人気を博した楽曲も披露される展開に。エレクトロなサウンドの「CH4NGE」で客席を揺らしたあとには、「プロポーズ」で甘く切ない歌声を響かせてオーディエンスを魅了した。さらに“日替わり曲”では「武道館でやる予定だった曲」という言葉から「空の青さと思い上がり」を歌唱。2010年代のGeroのライブでラストを飾ることが多かったこの曲が流れ始めると、客席からは古参ファンの感嘆の声が漏れた。
「見てるだけ」では、曲名の通り“見てるだけ”を作り出すべく、Geroの指示のもと客席が静まり返るひと幕も。「まだまだいけるかー!」「声出せるかー!」というGeroの呼びかけに対してオーディエンスは声を一切発さず、壮観の“見てるだけ”状態を作り上げた。
東京、最後の曲や。暴れて帰ってくれ
終盤のMCではGeroが客席に向けて「どこから来た?」と話しかけ、オーディエンスのリクエストのもとにカバーを披露する即興を繰り広げた。ファンが「肉チョモランマ」のファンだとわかれば、相方・めいちゃんの代表曲「小悪魔だってかまわない!」を、JAM Projectの話になると影山ヒロノブ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を1コーラス披露。突然の曲振りにバンドメンバーが翻弄される中でGeroは「次、何する?」と笑みを浮かべ、MCの最後に客席から多くのリクエストが上がった、きただにひろし「ウィーアー!」を熱唱した。
Geroのオリジナル曲の中でも屈指の人気を誇る「ヴィータ」、歌い手として活動初期に投稿していた「リンネ」を経て、会場内はライブならではの熱気で満たされていく。彼の「東京、最後の曲や。暴れて帰ってくれ」というメッセージから繰り出されたのは「しゃよう」。客席は赤いペンライトを振り上げる者、激しく頭を振り続ける者、ジャンプを繰り返す者と思い思いに楽しむファンであふれた。そしてGeroが体を反らせて渾身のシャウトを轟かせたところでライブ本編の幕が閉じた。
そして次の夢へ
アンコールの1発目は、Geroのメジャーデビュー曲「BELOVED×SURVIVAL」。MCでの即興も含めばここまで歌われた楽曲は20曲近くにおよぶがGeroのパフォーマンスはまったく衰えず、渾身の歌声をファンに届けていく。「一緒に歌ってください」という呼びかけとともに披露された「HALO」では、オーディエンスの歌声も合わさった心地よいハーモニーが会場内を満たした。最後にGeroは「お待たせしました。これをやらないと終われない」と口にし、代表曲「うどん」を繰り出す。オーディエンスは右手を回しながら上半身を動かす“Choo Choo Trainの動き”で客席に大きなうねりを生み出し、最後には満場一致の「おいなりさん」の大合唱を響かせた。
すべての曲目を披露し終えたGeroは「次の夢に向かいます」と話し、憧れの会場として大阪・大阪城ホール、神奈川・横浜アリーナ、埼玉・さいたまスーパーアリーナの名前を挙げる。「一緒にまた、ライブを作ってください。生きてまた会いましょう」というメッセージを伝えたGeroはバンドメンバーと手をつないで深々とお辞儀をし、ステージをあとにした。会場の照明が点くとオーディエンスは三本締めでGeroとバンドの熱演を讃えた。
セットリスト
Gero「百鬼夜行」2026年2月21日 TOYOTA ARENA TOKYO
01. The Bandits
02. NO WAY OUT
03. 名古屋のデブ
04. イノチケズリ
05. フィラデルフィア
06. CH4NGE
07. プロポーズ
08. アンノウン・マザーグース
09. アンチェインゲイザー
10. 空の青さと思い上がり
11. 見てるだけ
12. 爆笑
13. Gravity
14. シャンティ
15. やぶさか
16. ヴィータ
17. リンネ
18. しゃよう
<アンコール>
19. BELOVED×SURVIVAL
20. HALO
21. うどん
Gero Official @Gero_NEWS
✍️音楽ナタリーさんに【百鬼夜行】ファイナル公演のライブレポートを掲載していただきました!是非ご覧下さい🗒 https://t.co/YnTLfmaBk2