この発表会は、人工生命×アンドロイド“オルタ3”に関する共同研究プロジェクトの始動を報告するもの。オルタ3は人間とのコミュニケーションの可能性を探るために開発されたロボットで、性別や年齢を感じさせない抽象的な見かけや動きから、対峙する人間の想像力を喚起する。
2017年にオーストラリアで“アンドロイドオペラ”「Scary Beauty」に世界で初めて挑戦した渋谷は、アンドロイドオペラをやることになった経緯を「2012年に『THE END』という初音ミクが出演する作品で大成功し、その直後にフランスのシャトレ座の方から『次は何をやるの?』と聞かれて、とっさに『アンドロイドオペラを作りたいと思います』と言ってしまった(笑)」と振り返る。そして「今はテクノロジーとアートが流行っていますが、気持ちいいとか面白いってものはあるけれど、心に刺さるものはあまりない。『Scary Beauty』では死と生が大きなテーマとしてありましたが、アンドロイドしかできないものと人間しかできないことがあって、それを掛け合わせると、すごくドキっとしたものができる瞬間がある」とその魅力を語った。
2020年8月下旬には渋谷作曲による新作オペラが新国立劇場で上演される。新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士は「オリンピックとパラリンピックの間の時期に、アンドロイドを主人公にした、また子供が100人くらい登場する新作オペラを新国立劇場で上演します」と説明。渋谷は新作オペラについて「僕もオペラをいろいろ勉強しているところですが、『こういうことがオペラではやられなかった』というようなことをやっていきたい。それを象徴するものの1つが、アンドロイドじゃないかなと思います。アンドロイドは人間と機械の境界をゆらゆらしているところが面白いのでは」とコメントした。
会見の最後には渋谷はオルタ3、国立音楽大学学生・卒業生有志オーケストラと共に「Scary Beauty」を披露。緊張感が漂う空気の中、オルタ3はゆっくりと手を動かし指揮を執り始めた。渋谷をはじめオーケストラの面々は、オルタ3に目をやりながら繊細なメロディを奏でる。そしてオルタ3はくるりと客席に身体を向けて高音で歌い始め、演奏が終わると会場は大きな拍手に包まれた。
渋谷慶一郎のリリース情報
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- 渋谷慶一郎 (@keiichiroshibuy) | Twitter
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