結成14年目SUPER BEAVER、“終着点ではなく到達点”の日本武道館に立つ

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SUPER BEAVERが昨日4月30日に東京・日本武道館でワンマンライブを開催した。

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」の様子。(撮影:青木カズロー)

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」の様子。(撮影:青木カズロー)

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客席に向けて手を広げる柳沢亮太(G)。(撮影:鈴木公平)

客席に向けて手を広げる柳沢亮太(G)。(撮影:鈴木公平)[拡大]

この日、単独公演としては初めて日本武道館のステージに立ったSUPER BEAVER。ステージ後方の大スクリーンにこれまでのライブ映像やミュージックビデオと共にカウントダウンが映し出され、カウントゼロと同時に照明が消えると客席から歓声が上がる。柳沢亮太(G)はタオルを掲げ、上杉研太(B)と藤原“29才”広明(Dr)は投げキッスをしながらステージに登場。最後に姿を現した渋谷龍太(Vo)は客席に向けて深々とお辞儀し、「レペゼンジャパニーズポップミュージック、フロムトーキョージャパン……なんてもの、恥ずかしげもなく掲げてきた。山あり谷ありなんて言葉じゃ表せないけど、この日が1つの答えだと思ってます」と力強く述べ、「最後のMCみたいになっちゃった」と笑う。「ライブハウスから日の丸の下にやって来ました。14年目のインディーズバンド、SUPER BEAVER始めます!」という言葉から、ライブは「美しい日」でスタート。4人は1曲目からフルスロットルでありながらも、噛みしめるように演奏していく。

「うるさい」演奏時の様子。(撮影:日吉"JP"純平)

「うるさい」演奏時の様子。(撮影:日吉"JP"純平)[拡大]

スポットライトを浴びた渋谷が堂々と歌った「証明」、スクリーンに歌詞が映し出された「うるさい」では早くも会場にオーディエンスの大合唱が響き渡る。この日を迎えるまではファンに“日本武道館に連れて来てもらう”という感覚が強かったと言う渋谷は、客入れの様子を覗いていた際“(ファンを)連れて来られてよかったな”に考えが変わったことを述べる。「敬愛するあなたに、俺たちが14年間どんな戦い方をしてきたか見せてやるよ」と呼びかけたのち、4人はパワフルな演奏で「正攻法」をドロップ。続く「ファンファーレ」では、藤原の疾走感あふれるビートが客席の熱気をさらに引き上げた。

渋谷龍太(Vo)(撮影:日吉"JP"純平)

渋谷龍太(Vo)(撮影:日吉"JP"純平)[拡大]

「らしさ」ではステージ左右に伸びる花道に足を運び、スタンド席のファンの顔を見ながら語りかけるように歌った渋谷。ステージ中央に戻ると「あいつ、歌しかできないんだって思われてそうでちょっと不安です……俺も楽器ができるってところを見せてもいいでしょうか?」と堂々とタンバリンを構えてファンを和ませる。そんなタンバリンの音色が彩った「赤を塗って」では4人のグルーヴィな演奏と渋谷の柔らかな歌声がフロアを揺らした。なおこの日はチケットソールドアウトにより、ステージの全体や一部演出が見えにくい、または見えない可能性がある“注釈付指定席”も満席。会場に来られないファンに向けたGYAO!ストアでの生中継も用意され、渋谷が“注釈付指定席”やカメラの向こうのファンにも「元気? ご飯食べた?」と気遣うシーンも見られた。

左から藤原“29才”広明(Dr)、渋谷龍太(Vo)。(撮影:鈴木公平)

左から藤原“29才”広明(Dr)、渋谷龍太(Vo)。(撮影:鈴木公平)[拡大]

藤原、上杉、柳沢がヘビーな音を鳴らす「→」から「361°」へとつなげ、ギアをトップへ入れたSUPER BEAVER。柳沢と上杉はハイタッチしてステージの立ち位置を入れ替え、花道の端で楽器をかき鳴らす。続く「歓びの明日に」では渋谷がドラムのすぐそばで「どうだ?」と語りかけ、藤原が笑顔を見せるシーンも。メンバーとオーディエンスが共鳴するようなシンガロングが沸き起こった「27」の演奏後にはスクリーンが真っ二つに分かれ、ストリングスセクションが美しい旋律を奏でながら姿を現わす。ストリングスと共に壮大なスケール感で「人として」を届けたのち、渋谷は日本武道館公演について「武道館は、聖地です。ただ俺たちは1個の通過点にしなきゃいけないなって話してたんだけど、でもそれはちょっと違ってた。武道館は立派な到達点です。俺たちは片手間で人と向き合って来たつもりはなくて、いつも1つ1つの到達点として足を止めて向き合って歌って来た。そしたら14年もかかってしまった(笑)。悪くないと思います」と語る。そして「ただ、その到達点が終着点じゃないってことに、俺たちの面白さがあると思ってます。これからもよろしく」と今後の展開を覗かせた。

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」の様子。(撮影:鈴木公平)

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」の様子。(撮影:鈴木公平)[拡大]

「俺たちがメジャーにいたときに『これなんじゃないか』って胸を張ってやっていた曲。今日も胸を張ってあなたの前でやってもいいでしょうか」という渋谷の言葉から届けられたのは、メジャーレーベル時代のナンバー「シアワセ」のストリングスバージョン。曲中にストリングスが加わるとつぶやくように歌い始めた渋谷の声にも熱が増し、オーディエンスは息を呑むようにステージを見つめていた。ストリングスセクションを見送ったのち、渋谷は「日本武道館、まだまだそんなもんじゃないですよね!?」と再度オーディエンスを煽り、4人は「青い春」で会場に爽快なサウンドを響かせる。ミラーボールに反射した光が客席を照らした「東京流星群」、メンバーそれぞれの堂々としたソロパートが印象的な「秘密」ではオーディエンスのシンガロングがいっそう大きくなり、渋谷は「これぞまさしく、あなたがいてくれる武道館です!」と誇らしそうに声を上げた。

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)

渋谷龍太(Vo)(撮影:青木カズロー)[拡大]

本編終盤、渋谷は「バンドっつーのは意外にもろいから、簡単なきっかけでなくなったりする。いつもいつもそんな危なっかしい瞬間があったような気がします。でも、この4人で地に足をつけてやって来られたのは、支えてくれるチームのみんな、助けてくれる仲間、何より4人の音楽に賛同して、意思を共有してずっとそばにいてくれるあなたのおかげです。本当にどうもありがとうございます」とバンドの歩みを振り返りながら、感謝の気持ちを表す。客席には大きな拍手が沸き起こり、渋谷は感極まった様子で「もうやめて、もうやめて、つらくなる……心がギューっとなる」と笑った。さらに「俺たちはメジャーから落っこちたバンドだからね。さあどうするか……やるって決めたときに、手を伸ばしてくれた人がたくさんいて。だったら小さいこの事務所でインディーズのまま武道館まで行ってみようよって。それが叶った2018年4月30日。とってもとっても特別な日だけど、とってもとっても普通の日です。毎日繰り返す当たり前があること、近くに誰かがいてくれること。そんな特別な1日が、今日は日本武道館という姿を借りてここにあるんだと思います」と言葉を重ねた。

渋谷が「次の曲、全身全霊で届けようと思います。しっかり受け取ってください」と語り、柳沢の鳴らすギターから「ありがとう」の演奏へ。ギターの音が一度止むと、渋谷は「少しも当たり前だと思ってませんので!! これからもよろしくお願いします!」と肉声で叫び、4人は深々と頭を下げた。「今日から、最高のスタートをあなたと切れますように」という彼の言葉から届けられたラストナンバーは「愛する」。バンドはピンク色の照明の中で温かなアンサンブルを紡ぎ、渋谷は客席を見渡しながら歌声を届けていく。フロアにはファンのシンガロングと共に幸せな空気感が広がっていた。

歓声前夜(初回限定盤)

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歓声前夜(通常盤)

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上杉研太(B)(撮影:青木カズロー)

上杉研太(B)(撮影:青木カズロー)[拡大]

アンコール前にはスクリーンに映像が投影され、6月27日に約2年ぶりとなる新作フルアルバム「歓声前夜」がリリースされること、7月から10月にかけ、京都・KBSホールから東京・shibuya eggmanまでを回る初の全国ワンマンツアーが行われることがアナウンスされた。メンバーがステージに再登場すると、渋谷は「新譜が出ます。そしてツアーファイナルは、shibuya eggmanです。俺たちは腐ってもライブハウスのバンドなんで、ライブハウスに帰ります」と宣言。「もっともっとでっかいところも考えてるんで、楽しみにしていてください」と笑顔を浮かべた。またここではメンバーそれぞれがMCをすることに。柳沢は「やー、すごい!! すごい!! 本当に楽しい。すごい楽しいです。それに尽きます。ありがとう! これからもよろしく」、上杉は「ありがとー!! 全然言葉が出ないです。すごい1日ですね。本当にありがとうございます!」、藤原は「どうもありがとー!! うれしいですね。こんな……人がいっぱい……! 本当にどうもありがとう!!」とそれぞれ胸がいっぱいの様子で思いを述べる。さらにこの日はメンバー全員の親も観に来ているとのことで、渋谷はファンに向けて「あなたのおかげで親孝行できています」と温かな表情を見せた。

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」の様子。(撮影:日吉"JP"純平)

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」の様子。(撮影:日吉"JP"純平)[拡大]

アンコールでは1曲目にニューアルバム収録の新曲「ラヴソング」が初披露され、オーディエンスを喜ばせる。渋谷が「本当に本当に、今日がうれしかったのと、今日が楽しかった。ありがとね」と改めてファンに感謝し、「これからもレペゼンジャパニーズポップミュージック、フロムトーキョージャパンを背負って、あなたと1対1の対峙。あなたたちじゃなくて、あなたに歌うバンドでいたいと思います。これからもよろしくお願いいたします」と述べると、会場には鳴り止まないほどの盛大な拍手が。渋谷は泣かないように上を向くも、目を潤ませながら「同じ時代を、同じ時を生きられて……(泣くのをこらえながら)うっす!……うっすじゃねえよな」と笑う。そして「今日をゴールにしないために、絶対泣かないって決めてんだ。ラスト2曲、死ぬ気でかかっていくんでよろしく!」と観客に声をかけ、「それでも世界が目を覚ますのなら」を熱く歌い上げる。この日最後の楽曲となった「素晴らしい世界」では金色の紙吹雪が舞い、開放感のあるサウンドに乗せたメンバーとオーディエンスのシンガロングが日本武道館いっぱいに響き渡っていた。最後に渋谷は、「ありがとうございました! 俺たちがSUPER BEAVER! これからもよろしく!」と高らかに声を上げた。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

この記事の画像(全15件)

SUPER BEAVER「SUPER BEAVER 都会のラクダSP at 日本武道館」2018年4月30日 日本武道館 セットリスト

01. 美しい日
02. 証明
03. うるさい
04. 正攻法
05. ファンファーレ
06. らしさ
07. 赤を塗って
08. →
09. 361°
10. 歓びの明日に
11. 27
12. 人として
13. シアワセ
14. 青い春
15. 東京流星群
16. 秘密
17. ありがとう
18. 愛する
<アンコール>
19. ラヴソング
20. それでも世界が目を覚ますのなら
21. 素晴らしい世界

SUPER BEAVER「歓声前夜」収録内容

CD

01. ふがいない夜こそ
02. 虹
03. 閃光
04. ラヴソング
05. シンプリー
06. まちがえた
07. シアワセ
08. 美しい日
09. 嬉しい涙
10. ひとこと
11. なかま
12. 全部

初回限定盤付属ライブCD

2017年12月16日(土)@ZeppTokyo「真ん中のこと」Release Tour 2017 ~ラクダの、中心~ZeppTokyoツアーファイナルのライブ本編を全曲収録
01. ファンファーレ
02. 青い春
03. うるさい
04. 美しい日
05. 贈りもの
06. irony
07. ひなた
08. 人として
09. 27
10. →
11. 361°
12. 証明
13. 正攻法
14. 東京流星群
15. 秘密
16. それくらいのこと
17. 歓びの明日に

SUPER BEAVER「歓声前夜」Release Tour 2018 ~初めての、ラクダ運転~

2018年7月14日(土)京都府 KBSホール
2018年7月20日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
2018年9月7日(金)石川県 金沢EIGHT HALL
2018年9月14日(金)福岡県 DRUM LOGOS
2018年9月15日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2018年9月17日(月・祝)香川県 高松festhalle
2018年9月21日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
2018年9月23日(日・祝)新潟県 NIIGATA LOTS
2018年9月24日(月・振休)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2018年9月29日(土)愛知県 Zepp Nagoya
2018年9月30日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2018年10月13日(土)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
2018年10月14日(日)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
2018年10月16日(火)東京都 shibuya eggman

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まぁ @f0_mBEAVER_Hump

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