まらしぃホールツアーでニコ生しながら即興メドレー、機材不調で“容疑者”呼ばわり

まらしぃが全国ツアー「marasy piano live tour 2016」の追加公演を12月3日に東京・文京シビックホールで開催。この日の会場は彼にとって単独公演としては最大の規模だったが、会場はファンで満員となった。

ステージには中央にグランドピアノが設置されたほか、その脇にはまらしぃの自室を再現したかのようにベッドとRolandの電子ピアノが置かれている。開演後まらしぃが現れグランドピアノの椅子に腰掛けると、会場からは大きな拍手が。軽く伸びをしながら「さあ」とつぶやいた彼が「ナイト・オブ・ナイツ」を弾き始めると、観客の拍手は次第に手拍子に変わり、スクリーンにはまらしぃの流麗で素早い指さばきが映し出された。

その後も彼は「千本桜」「めざせポケモンマスター」「チョコレイト・ディスコ」など、おなじみの楽曲をピアノ1台でカバー。クラシックホールでのピアノコンサートにも関わらず、テクニカルでありながら肩の力が抜けたまらしぃの演奏が、会場をゆっくりと熱気で満たしていく。

maras k（まらしぃ×kors k）が1月25日にリリースするニューアルバム「Beat Piano Music2」の収録曲「poppin' jumpin'」では初音ミクのボーカルが流れるのに合わせてピアノを弾いたり、「Meteorite」「Butter-Fly」ではスクリーンに映るIKUO（B）と淳士（Dr / SIAM SHADE、BULL ZEICHEN 88）の映像と疑似セッションをしたりと、公演中盤にはピアノソロにとどまらないパフォーマンスも披露。さらに彼はベッドに腰掛けながらピアノを弾く様子をニコニコ生放送で配信し始め、「太陽曰く燃えよカオス」を弾きながらスクリーンに流れるリスナーのコメントを見て「曲名を書いてくれたら、僕が気まぐれで拾うかも？」と告げた。

こうして始まった即興メドレーでは、リスナーから寄せられたリクエストに応えつつ「前前前世」「God knows...」「Happy Birthday to You」などを矢継ぎ早に演奏。会場が盛り上がるのみならず、スクリーンも興奮した視聴者の書き込みで埋め尽くされた。しかしメドレー演奏後に配信用マイクにトラブルが発生。まらしぃが「かねてからやりたかった、東方projectの曲を演奏する初めてのライブを、来年2月にやろうと思っています」と真面目なトーンで告知するも、その声がノイズにしか聞こえないリスナーから「容疑者の声みたい」「自称ピアニスト」というコメントが次々に寄せられた。

まらしぃはその後、スマホゲーム「パズル＆ドラゴンズ」のキャラクターに捧げるべく書いた新曲「カリン」を初披露。当初はこの演奏もニコ生で配信するつもりだった彼だが、結局マイクトラブルが解決せず、ピアノを弾き始めるやいなや「ファミコンの音みたい」「ホラー音楽」「不協和音」というコメントが殺到したため、仕方なく配信を中止して会場のオーデイエンスのためだけに曲をお披露目した。さらに本編最後も「パズドラ」のキャラクターをイメージしたオリジナル曲「Sogna」「Hera」「Andromeda」を連続で演奏。静謐とした美しいピアノの音色で観客をうっとりと酔わせた。

アンコールを求める拍手が会場を包み、再び舞台の幕が上がると、そこには彼のトレードマークであるピンク色の猿の巨大なバルーンが。その猿をバックに彼は、「この曲に出会ってなかったらピアノを再開してなかった」と語り、ピアニスト・まらしぃの原点と言える東方Project楽曲「ネイティブフェイス」のカバーを披露した。そして最後に「ソフトバンクでんき」のWeb用CMに提供したオリジナル曲「未来ハ廻る」を演奏。スケッチブックにマジックペンで「東京追加公演ありがとう。2016年楽しかったよ。来年もよろしく」と書いてピアノに立てかけ、そのスケッチブックをスクリーンに映して彼はステージを去った。