のっちさん

のっちはゲームがしたい! 第19回(前編) [バックナンバー]

集英社ゲームズってどんな会社?「都市伝説解体センター」開発画面に隠された秘密も見ちゃいました

メガネ姿の"あざみスタイル"でおしゃれオフィス訪問!

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キャラデザ初期案のラフを見せてもらいました

ここからは、「都市伝説解体センター」開発中に描かれたグラフィックのラフや、ムービーの絵コンテなどを見せてもらうことに。ゲーム内に登場するビジュアルは、まず墓場文庫のグラフィック担当「ハフハフ・おでーん」さんがイメージラフを描き、キャラクターデザイン担当の「きっきゃわー」さんが清書してイラストを仕上げ、それをもとに再び「ハフハフ・おでーん」さんがドット絵を描く……というリレー形式で作られています。

まだドット絵になっていない、きっきゃわーさんが描いたグラフィックを見たのっちさんは、「もうこの時点で世に出せるくらい、かわいいじゃないですか!」と絶賛しつつ、「でもドット絵にするためには2人で往復してやり取りしなきゃならないので、やっぱり大変なんですね……」とその手間に感心しきり。

のっちさんが手にしているのはオープニングムービーの絵コンテ。右手に持っているのがハフハフ・おでーんさんが描いたラフ、左手に持っているのがきっきゃわーさんが描いた清書です。

のっちさんが手にしているのはオープニングムービーの絵コンテ。右手に持っているのがハフハフ・おでーんさんが描いたラフ、左手に持っているのがきっきゃわーさんが描いた清書です。 [高画質で見る]

2枚のイラストを見比べながら「今の私、シゴデキ感、ありますか?」。

2枚のイラストを見比べながら「今の私、シゴデキ感、ありますか?」。 [高画質で見る]

「このゲームのドット絵って、影の感じがめっちゃおしゃれなんですよね」と話すのっちさん。光と影を表現するために、たくさんの色を使って微妙なニュアンスを出しているのかと思いきや、実は画面内に同時に出てくる色の数をあえて4色に絞っているんだとか。

そして、場面によって「明るいシーン用の4色」と「暗いシーン用の4色」という2種類のカラーパレットを使い分けているんだそうです(赤だけは別扱い)。例えば、この夜の公園のシーンは暗いシーンの4色+赤で描かれています。

暗いシーンの4色+赤で描かれた、夜の公園のシーン。

暗いシーンの4色+赤で描かれた、夜の公園のシーン。 [高画質で見る]

「これはなんですか?」とのっちさんが指差したのは、本の表紙のようなタッチで描かれた一枚絵。実はこれ、ゲーム本編や宣伝で使う予定はなく、開発初期にきっきゃわーさんが個人的に描いた“落書き”なのだとか。よく見るとジャスミンさんの髪色がピンクだったり、手袋が指抜きではなかったりと、現在のデザインとは細部が異なっており、試行錯誤の過程が垣間見えます。

下に写っているのが、きっきゃわーさんが個人的に描いたという“落書き”。

下に写っているのが、きっきゃわーさんが個人的に描いたという“落書き”。 [高画質で見る]

そしてこの流れで、キャラクターデザインの初期案も見せてもらうことに。この下の写真に写っているあざみの白黒線画は、かなり初期の段階のものです。「髪の毛に飾りが付いてたり、お洋服もけっこうぶりぶりだったんですね」とのっちさんが指摘する通り、当初は装飾が多かった衣装が、ブラッシュアップを重ねるにつれて現在のシンプルなデザインへと洗練されていったことがわかります。

各キャラクターのデザインのラフ。

各キャラクターのデザインのラフ。 [高画質で見る]

福来あざみの初期案。胸元や襟にもフリルが。

福来あざみの初期案。胸元や襟にもフリルが。 [高画質で見る]

その後ブラッシュアップされた福来あざみの三面図。

その後ブラッシュアップされた福来あざみの三面図。 [高画質で見る]

タブレットで描かれた福来あざみのイラスト。

タブレットで描かれた福来あざみのイラスト。 [高画質で見る]

ちなみに、のっちさんが「都市伝説解体センター」の劇中に登場する絵で一番好きなものは、夜の上野公園でSNS調査をしているシーンだそう。暗闇の中でスマホの光に照らされるあざみとジャスミンの姿が印象的で、「めっちゃ好きでした(笑)」とプレイ時を思い出していました。

のっちさんがめっちゃ好きな、夜の上野公園でSNS調査をしているシーン。

のっちさんがめっちゃ好きな、夜の上野公園でSNS調査をしているシーン。 [高画質で見る]

開発画面でしか見られない“隠れあざみ”に大笑い

最後に、このあとインタビューを行う「ほのお」の部屋で、Unityというゲームエンジンを使った実際のゲーム開発画面を見せてもらうことに。「このUnityっていうロゴマーク見たことあります! ゲームを作るソフトのマークだったんだー!」と興奮気味ののっちさんに、プログラマーのMOCHIKINさんが解説してくれました。

オープニングのアニメーションは、動画編集アプリに似た「タイムライン」というUnityの機能を使って制作。映像と音楽が完全に同期するように細かく設定されています。

オープニングムービーの開発画面。右下にあるのが「タイムライン」です。

オープニングムービーの開発画面。右下にあるのが「タイムライン」です。 [高画質で見る]

探索パートの画面はUnityで見ると、調べられる場所や、会話できる人物の周りに黄色い枠が表示されていました。そしてプレイヤーであるあざみの前には白い丸が描かれています。MOCHIKINさんによると「この丸は『当たり判定』と言って、丸が黄色い部分に触れるとイベントが発生するんですよ」とのこと。つまりこの当たり判定の大きさによって、プレイヤーがどこまで接近すれば調査することができるのか、人と会話できるのかが決まります。

福来あざみの前にある白い丸が黄色い部分に接触すると、いろいろな出来事が起こります。

福来あざみの前にある白い丸が黄色い部分に接触すると、いろいろな出来事が起こります。 [高画質で見る]

画面内で不思議な動きをしているものを見つけたのっちさん。「あざみちゃんが歩くと、後ろからついてくる点はなんですか?」と尋ねると、これはゲーム画面を映しているカメラの“軸”であることがわかりました。あざみが横に移動したあとで、少しだけ遅れてカメラが追従することで、自然で滑らかな映像表現を生み出しているのです。

裏側の仕組みを教えてもらったのっちさんは、「遊んでるときには気にもしなかったけど、こういう設定の1つひとつがスムーズなゲームの体験につながっているんですね」と納得の表情。

興味深げにUnityを見つめるのっちさん。

興味深げにUnityを見つめるのっちさん。 [高画質で見る]

ここでしか見られない開発画面をいろいろ見せてもらいましたが、極めつけは“隠れあざみ”の存在。タイトル画面をUnityで見せてもらうと、画面の端に見切れる形でポツンとあざみの姿が。のっちさんは「えっ! いる! なんで?」と思わず大笑い。

タイトル画面の左下でちょこちょこ動いている福来あざみ。

タイトル画面の左下でちょこちょこ動いている福来あざみ。 [高画質で見る]

ゲーム内であざみを操作するのは横スクロールの探索シーンだけですが、実はタイトル画面やムービーなどすべての場面にあざみはいて、プレイヤーから見えないように画面外で動いているんだそうです。SNS調査のシーンでもすみっこでちょこちょこ動いているあざみを見て、のっちさんは「見えないけど実はいるよ!って言ってるみたいでかわいい(笑)」と盛り上がっていました。

SNS調査のシーンでも福来あざみが左下でちょこちょっこ。

SNS調査のシーンでも福来あざみが左下でちょこちょっこ。 [高画質で見る]

初期段階のキャラクターイラストや、普段は見られないゲームエンジンの裏側まで、貴重なものをたっぷり見せてもらったのっちさん。このあとは墓場文庫のメンバーたちと林プロデューサーに、「都市伝説解体センター」についてじっくりインタビューを行います。後日公開の後編をお楽しみに。

<後編に続く>

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©Hakababunko / SHUEISHA, SHUEISHA GAMES.

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「のっちはゲームがしたい!」
第19回前編が公開!

今回は集英社ゲームスへ
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