大林宣彦、「キネマ旬報」表彰式で「歴史の未来変えられる」と映画の力をアピール

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本日2月12日、「2017年 第91回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が東京・文京シビックホールにて開催され、監督賞を受賞した大林宣彦が登壇した。

大林宣彦

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賞状を受け取る大林宣彦(右)。

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花筐/HANAGATAMI」が評価され監督賞を獲得した大林は「キネマ旬報さんは、ともすると観て、忘れて、娯楽になってしまう映画というものを1つのジャーナリズムとして残してくれたことが素晴らしい」と主催者であるキネマ旬報に感謝の意を伝える。「記録は風化するが、映画は観た人の記憶になる。そして記憶というものは風化しない。私は風化しないジャーナリズムが映画だと思っています。映画で過去の歴史を変えることはできませんが、歴史の未来を変えることはできる。歴史の未来とは戦争などない平和な未来」と思いを語った。

石井裕也(右)と握手をする大林宣彦(左)。

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左から大林宣彦、石井裕也。

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「私は、制度が嫌い。それが戦争などを引き起こすから。だから私はどこの会社にも所属せず、たった1人で絵を描くように映画を作ろうと考えました。そんな中で同志として我が妻と家族、仲間たち、そして私の映画を応援してくださる皆さまと一緒に育ってきた」と歩みを振り返った大林。「こんなものは映画ではない」と言われることも多かったと言う大林は、表彰式の前に上映された脚本賞受賞作「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観客とともに観たことに触れ「皆さんと一緒に石井裕也さんの映画を楽しみました。主観的で個人的で、まるでアマチュア映画のような作品が商業映画として作られるようになった。アマチュアと聞くとプロより下だと思う方がいるかもしれませんが、黒澤明さんは『東宝をクビになって、俺はアマチュアになったんだよ。だからこれからは俺が信じる、俺の映画を作るんだ』とおっしゃっていました。今や本当に、若い方々は本当の意味でアマチュア、つまり自分自身の信じるものになったのだと思います」と石井の作品と若い作家たちを称賛した。

「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年度に当時の編集同人の投票によってベストテンを選定したことを発端とする映画賞。映画ナタリーでは、表彰式全体の様子を追ってレポートする。

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森泉岳土@「佐々々奈々の究明」㊤㊦(1/30) @moriizumii

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