大林宣彦「あと30年は映画を作る」、余命3カ月乗り越え「花筺」公開

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本日12月16日、「花筐/HANAGATAMI」の初日舞台挨拶が東京・有楽町スバル座で行われ、監督の大林宣彦窪塚俊介ら7人のキャストとともに登壇した。

「花筐/HANAGATAMI」初日舞台挨拶にて、前列左から山崎紘菜、常盤貴子、大林宣彦、矢作穂香、門脇麦。後列左から村田雄浩、窪塚俊介、満島真之介、原雄次郎。

「花筐/HANAGATAMI」初日舞台挨拶にて、前列左から山崎紘菜、常盤貴子、大林宣彦、矢作穂香、門脇麦。後列左から村田雄浩、窪塚俊介、満島真之介、原雄次郎。

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大林宣彦

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檀一雄の小説をもとにした本作は、佐賀・唐津を舞台に第2次世界大戦真っ只中の日本に生きた若者たちの姿を描く物語。本作の撮影直前、肺にがんが見つかった大林だが、公開初日を迎えて「映像と音楽と言葉で作品を作り、今日皆さんに観ていただいたことで、映画という1つのメッセージとなって伝わったと思います」と挨拶する。

窪塚俊介

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「花筐/HANAGATAMI」初日舞台挨拶の様子。

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出演者からは窪塚のほか、満島真之介矢作穂香山崎紘菜門脇麦常盤貴子村田雄浩が出席。窪塚は劇中で17歳の学生を演じたが、「今36歳です」と笑う。そして「以前、監督が目から鱗な話をしてくださったんです」と切り出し、「『年齢を聞かれたら18歳から80歳と答えなさい。役者とはそういうものだ』と。とても感銘を受けました」と伝えた。また沖縄出身の満島は「戦争がなければ僕はこの世にいないというのを感じていました。数年前に祖父がアメリカの軍人だったということも発覚して。だから役を演じるとかそういう次元の話ではなかった」と素直な思いを吐露。大林は窪塚に「映画の中では17歳の学生であり、同時に語り部でもあり、さらに何役をも1人で担いましたね」と労いの言葉をかけ、満島を「シナリオに書かれたことだけでなく、今なぜ自分がここにいるかを考えると演技も深くなる。それを身をもって証明してくれました」と称えた。

大林宣彦

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大林は「余命3カ月」と宣告されていたというが、「戦争で殺されていたらまだわかりますが、がんごときでは死なないぞ!と思っております。世界が平和になるため、あと30年は生き延びて映画を作りたいです」と新たな決意を口にする。また「がんになって学んだことが。がんも生き物なんです。そして私は宿主。がんが生きるため宿主を病気にさせてしまうと、がんも死ななきゃいけない。ばかなやつだなあ、生きたいなら僕のことも大事にしろってね」と自身の病気をユニークに表現。

さらに「ふと思ったんです。私たち人類も“がん”なんじゃないかと。この地球に生きながら、感謝の気持ちを忘れ、温暖化も戦争も大丈夫だと言って楽しく幸せに暮らしているつもりになっている。でもそれでは地球という“宿主”と一緒に私たちも滅びてしまうのでは」と主張する。そして「がんに『お前をやっつけようとは思わない。一緒に手を取り合って長生きしよう』と声をかけたら、『はい!』と言ったんです」と、“肺”がんとのやり取りを明るく話し、観客の表情を笑顔に変えた。

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