映画超初心者・ミルクボーイ駒場孝の手探りコラム「えっ、この映画ってそんなこと言うてた?」 第28回 [バックナンバー]
初めて聖地巡礼をしてみたいと思った「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」
名作は現在も生まれていってるんですね
2026年1月26日 19:00 6
これまで名作をほぼ観たことがないまま育ち、難しいストーリーの作品は苦手。だけど映画を観ること自体は決して嫌いではないし、ちゃんと理解したい……。そんな貴重な人材・
第28回のお題は「
文
観る前は少し「ヘヘッ」という気持ちでした
こんにちは、ミルクボーイ駒場です。今回鑑賞したのは「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」です。2025年1月公開ということで新しめの作品です。新しいのに知らない作品だったので検索してみると、ところどころ、ど真ん中のカンフーみたいな画像ができました。それを見たとき、「なるほど、最近の連載はちょっと考えさせられる、渋い映画が多かったから今回はわかりやすい“アチョー”的な映画をナタリーさんは指定してくれたんだな」と、ありがたさ半分申し訳なさ半分で受け取りました。「酔拳」とか「燃えよドラゴン」とかのアチョー的な映画(そんな単純な話じゃないだろうが)は観たことはないですが、まぁ難しいことはないだろうと勝手に思ってます。あとタイトルが「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」です。これも勝手な偏見ですが、“ウォリアーズ”って付く話は難しくないでしょう。相場はムキムキひげ男同士の戦いとかですよね。絶対難しい訳がありません。さらに言うと、タイトルに“決戦!”とか付けるのがもう面白すぎます。こういうフレーズが付いてると、なんか軽くなりますよね、もちろんいい意味でです。親しみやすくなりますよねという意味です。「実況パワフルプロ野球」とか「大乱闘スマッシュブラザーズ」、「突撃!隣の晩ごはん」とか全部軽くて親しみやすいです。ただ映画のタイトルでこのフレーズ付いてるのってありますか? 僕が知らないだけなのか、あまりないような気がします。「恐怖!エイリアン」とか「戦え!ターミネーター」とか言われるとやはり一気に4コママンガ感が出てしまいます。そんなことから、今回の「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」は観る前は少し「ヘヘッ」という気持ちでした。
九龍城砦、見に行きたかったです
ただ、始まってしまうと、観る前の自分はなんてうがった見方をしていたんだと恥ずかしくなり、監督はじめ役者さん方に謝らないといけないとまで思いました。面白すぎました!
タイトルで検索したときの画像のど真ん中カンフーみたいなシーンもあったのですが、映像で観るとすごい迫力で引き込まれましたし、それぞれのキャラクターもかっこよくてわかりやすく、格闘スタイルもみんな違って見応え抜群でした。ストーリーはたぶんかなりわかりやすいほうなのですが、僕はそれぞれの関係性が後半わからなくなり、一瞬焦りましたが大まかな流れはわかるしとりあえず面白すぎるから観とこうと観続けました。終わってから、相関図などを調べてなるほどなと納得もいきました。
そして何より舞台となる九龍城砦、あの建造物が気持ちよすぎました。なんなんですかあの作り。最初はどこがどうつながってるのかとか気にしてましたが、そんなん追いかけられないくらい入り組んでいて複雑でミステリアス。画面通してずっと湿り気があって、いろんな人の生活があって呼吸があって、怖いくらい魅力がありました。しかもこの建物が実在したというから驚きました。だからここまでのリアリティが出たんですね。
九龍城砦を見て思ったのが、僕は絵本の「かいけつゾロリ」が好きで、小学校の頃図書館とかで読んでいたのですが、お話はもちろんのこと、ゾロリでよく出てくる見開き1ページ使って「これが敵のロボットの中身なのだ」みたいな図解が好きだったんです。とにかく細かいことがびっしり書いてあって、中には別にストーリーに関係ない「〇〇スイッチ」とかそんな細かな説明が書いてあったり、ロボの中で小さいロボが何かアクションしていたり、「これを読んでいる小学生全員が読んでるわけではないだろうな」と思えるような細かいとこまで描かれているところが大好きだったんです。九龍城砦はその感じに似ているなと思いました。隅々まで見落とせない魅力がありました。今はもう九龍城砦はないとのことですが、あったなら絶対見に行きたかったです。
そして今回の「そんなこと言うてた?」ですが、
名作は昔のものに多いのかと思っていましたが、現在のものでも名作は生まれていってるんですね。あと初めて、聖地巡礼ではないですが、そんなことをしに香港まで行きたいなとすら思えました。映画によって人生変わってます。まだまだこれからもいろんな作品を観ていこうと思います!
編集部から一言
「トワイライト・ウォリアーズ」は自分も好きな作品で、当時から作品の盛り上がりを追っているんですが、九龍城砦を「かいけつゾロリ」に例える人は初めて見ました。それはそれとして、これは駒場さんでも楽しんでもらえるのでは……という確信があったので、序盤の「“アチョー”的な映画」「観る前は少し『ヘヘッ』という気持ちでした」という態度が前フリにしか見えず、ちょっとニヤニヤしてしまいました。初見の人の感想はいいものですね。そして「現在でも名作は生まれていってるんですね」「香港まで行きたいなとすら思った」という大絶賛。セットの展示は2028年までやっているらしいのでぜひ行ってきてほしいです。
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」(2024年製作)
舞台は1980年代の香港。密入国した若者チャン・ロッグワンは、黒社会のルールを拒んだことから組織に目を付けられる。彼は逃げ込んだ先である九龍城砦で仲間と出会い、命を懸けた戦いに挑んでいく。約10億円を投じて再現された九龍城砦セットの圧倒的なスケールや、個性的なキャラクターがSNSを中心に大きな話題に。日本では興行収入5.8億円(2026年1月現在) を記録し、2026年3月に開催される第49回日本アカデミー賞では優秀外国作品賞を受賞した。Prime Videoで見放題独占配信されているほか、UHD / Blu-ray / DVDが販売中。出演は
- 駒場孝
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1986年2月5日生まれ、大阪府出身。ミルクボーイのボケ担当。2004年に大阪芸術大学の落語研究会で同級生の内海崇と出会い、活動を開始。2007年7月に吉本興業の劇場「baseよしもと」のオーディションを初めて受け、正式にコンビを結成する。2019年に「M-1グランプリ2019」で優勝し、2022年には「第57回上方漫才大賞」で大賞を受賞。現在、コンビとしてのレギュラーは「よんチャンTV」(毎日放送)月曜日、「ごきげんライフスタイル よ~いドン!」(関西テレビ)月曜日、「ミルクボーイの煩悩の塊」「ミルクボーイの火曜日やないか!」(ともに朝日放送ラジオ)など。またミルクボーイが主催し、デルマパンゲ、金属バット、ツートライブとの4組で2017年から行っているライブ「漫才ブーム」が、2033年までの10年を掛けて47都道府県を巡るツアーとして行われている。
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駒場さん連載、「トワイライト・ウォリアーズ」回です!作品のことを知らなかったところから「名作って昔のものだけじゃなく、現在も生まれていってるんですね」とまで言っててすごいです。 https://t.co/Sy7ZQw2b0S