大林宣彦

大林宣彦

オオバヤシノブヒコ

1938年1月9日生まれ、広島県尾道市出身。3歳のときに自宅の納戸で見つけた活動写真機と戯れるうちに映画作りをスタートする。16mmフィルムによる自主映画制作を経て、1960年代には草創期のテレビCM業界に進出。チャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用し、3000本を超えるCMを制作した。

1977年の「HOUSE ハウス」で商業映画デビュー。手塚治虫のマンガ「ブラック・ジャック」を実写化した「瞳の中の訪問者」や、薬師丸ひろ子主演「ねらわれた学園」などを監督後、1980年代に“尾道三部作”と呼ばれる「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」を発表する。

1980年代後半から1990年代にかけての公開作は「異人たちとの夏」「北京的西瓜」「ふたり」「青春デンデケデケデケ」「はるか、ノスタルジィ」など。1998年の「SADA」では、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。大林個人では、2004年春に紫綬褒章、2009年秋に旭日小綬章を受章し、2019年には文化功労者に選ばれた。

2000年代も精力的に活動し、「その日のまえに」「この空の花 長岡花火物語」「野のなななのか」などでメガホンを取る。2016年に肺がんと診断され、治療を続けながら撮り上げた「花筐/HANAGATAMI」は、「この空の花 長岡花火物語」「野のなななのか」に続く“大林的戦争三部作”の最終章となった。

遺作である「海辺の映画館―キネマの玉手箱」は当初、命日となった2020年4月10日の封切りを予定していたが、新型コロナウイルスの影響により7月31日に公開された。