ハ・ジョンウが主演・監督を務めた韓国映画「ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール」が、2月27日より全国で公開されている。
本作は、巨額の国家プロジェクトをめぐり、営業が苦手なテック企業の若社長が人生初の“接待ゴルフ”に挑む社会派コメディ。利害と思惑が入り乱れるゴルフ場を舞台に、不器用な男の奮闘と、韓国社会を風刺する群像劇が描かれる。共演にはキム・ウィソン、イ・ドンフィ、カン・ヘリム、パク・ビョンウン、チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)、パク・ヘスら豪華キャストが顔をそろえた。
映画ナタリーでは、ハ・ジョンウのファンであり、韓国映画やドラマにも出演している俳優・笠松将にインタビュー。作品の見どころはもちろん、ハ・ジョンウの俳優としての凄味や「共演するなら?」の話、そのほかの韓国俳優陣の魅力も語ってもらった。
取材・文 / 西森路代
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ポップだけど社会に切り込む、韓国作品の入り口としていい映画
──「ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール」をご覧になって、まずはどんなことを感じましたか?
面白かったです。冒頭でゴルフのルールやキャラクター、そして状況整理までをスピーディに説明できていて、導入部分もすごくわかりやすかったです。観ていて、シンプルにゴルフをやってみたいと思いましたね。ゴルフをやろうって誘われたこともあったんですけど、実は、いいところだけを聞かされても関心が持てなかったんです。でも、ゴルフにもこんな面があるんだっていう、きれいなだけじゃないダークな部分を見せられると、中二心が刺激されてやりたくなりました。同時に、韓国映画の入り口としてもいいんじゃないかと思いました。
──確かに、この先にいろんな韓国映画の可能性が見えますね。
韓国映画やドラマには、ポップなものからディープなものまでありますよね。この「ロビー!」は、画作り、キャラクター、演技……すべてがわかりやすいポップなエンタテインメントだと思います。でもその中に、自国の社会問題に切り込む部分もあるんですよね。ハッとするセリフもあるけれど、全体的にはポップなところが、韓国作品の入口としていい映画だと思いました。
コップをあふれるくらい満たせる俳優ハ・ジョンウ
──笠松さんは、この映画の監督であり主演でもあるハ・ジョンウさんの出られた映画「チェイサー」や「哀しき獣」なんかもお好きな作品として挙げられていましたね。
その2本は特に好きです。ハ・ジョンウさんは、コップがあるとして、それをギリギリまで満たしてあふれるくらいの演技をすることができる俳優だと思うんです。そんな人ってほとんどいない。これまでに、密度の濃い役を演じきってしまったし、“コップを満たす”ことに関してはもうどんな作品でもできる人だと思います。だから今は、そのコップ自体をどういうものにするか、コップの周りをどんなふうに飾るかというステージに進んでいるんだと感じます。
──笠松さんの中でハ・ジョンウさんはどんな存在ですか?
今のハ・ジョンウさんは、当然僕とはすでに違うステージにいると思っています。だからこそ「ロビー!」で演じたような、不器用だけどいい人で、でも笑えるというキャラクターを演じたり、こういうポップで安心して観られるタイプの映画も撮るようになったんじゃないかと。やっぱり俳優って毎回、本気で自分とぶつかり合う作品にばかり出続けられるわけじゃないんですよ。そんなことをしていたら体も心も持たないですし、たまには力を抜いた役もやりたくなるものなんです。
──なるほど。
それと、俳優ってすごく変な職業なんですよ。例えば、俳優以外の人にも想像してみてほしいんです。もし表舞台に出るとしたら、みんな、ちょっとでもかっこよく見せたいと思って鍛えたり、いい姿を見せられるように全力で準備すると思います。でも俳優の中には、かっこよくなることが作品の邪魔になると判断すれば、自分がどう見えるかを捨てて、役に全力で集中できる人もいるんです。ただ、そんな俳優は世界的に見ても多いわけではないと思っています。ハ・ジョンウさんは、そうやって役に全力でフォーカスできる人であり、そこにただ存在しながら、ただ強烈なインパクトを残せる人。だからこそ僕の中ではハ・ジョンウさんに対する期待値が相当高くなっちゃうんですよね。
──ハ・ジョンウさんは、こういう気楽に観られる映画で肩の力の抜けた演技をするのと並行して、昨今では「1987、ある闘いの真実」のような社会派の映画に出ているイメージもあります。
それでいうと、僕はハ・ジョンウさんのほかにも好きな俳優がいて、それがカン・ドンウォンさんなんですけど、彼も「1987、ある闘いの真実」に出ているんですよね。実は僕のある作品を彼が観てくれて、それがきっかけで仲良くなったんですが、彼は俳優が社会的な作品に出ていくことの重要性についても話してくれました。
それぞれのキャラクターへの愛情を感じた
──「ロビー!」のハ・ジョンウさんのシーンで印象に残ったところはありますか?
やっぱりハ・ジョンウさんは、本気になっているときがいいと思うんですよ。「ロビー!」の中でも、ゴルフで接待をしているチェ室長と、女性プロゴルファーのボールを全速力で走って見に行くシーンがあるじゃないですか。あの必死さが面白かったですね。それと、ゴルフバッグを崖下に落としてしまって、それを取りに行くところ。そこも必死じゃないですか。あそこは少ない切り返しで撮っていて、スタント最小限で本人がやっていると思います。もちろん、テストとかでスタントの人もいたのかもしれないけれど、可能な限り本番は自分でやっている。本気だからこそ情けないし、本気だからこそ笑ってしまうんですよね。
──ハ・ジョンウさん以外のキャストについてはいかがでしたか?
ハ・ジョンウさんが俳優であり監督だからこそ、出ている方々に対しての愛情を感じました。どの人にも見せ場がある。だからこの映画は、好きな俳優が出ているならぜひ観に行ってほしいですね。ハ・ジョンウという監督が、そうやって映画ファンのためにそれぞれ見せ場を用意してくれているんですから。
──特に印象に残った方はいましたか。
僕個人として印象に残ったのは、接待先のチェ室長役のキム・ウィソンさん。実は「復讐代行人3~模範タクシー~」で共演しましたし、今年の初めにも会ったばかりなんですよ。実際に会ったときもめちゃめちゃいい人で丁寧な方なんですけど、この映画の役では、“推し”のプロゴルファーに恋しちゃって、人間味が出ていましたね。後半で一気にギアを上げるのも含め、やっぱりお芝居がうまい方なんだなと感動しました。
──プロゴルファー、ジン役のカン・ヘリムさんはいかがでしたか。
接待に付き合わされたのにかわいそうなところがありましたよね。終盤のシーンについては、もっと彼女が納得できる形にもできたんじゃないかなとは思いました。チャンウクの元研究仲間でライバルのグァンウ(パク・ビョンウン)もよかったですよね。この役って、下手くそな英語と韓国語を交えて話している時点で、すごくキャラの立ってしまう役なんですよ。でも、あえてやりすぎないで抑える彼自身のバランス感覚を感じましたし、監督からの信頼がビシビシと見えました。
──パク・ビョンウンさんは「哀しき獣」「悪いやつら」「暗殺」などで、ハ・ジョンウと共演していますし、今作ではがっつりライバル役をやっているので、信頼が厚いんでしょうね。
そうですよね。あともう1人、チャンウクの親戚で、インターンとして会社に入ってきたホシク(オム・ハヌル)が本当によかったですね。彼って、仕事ができるのかできないのか、真面目にやっているのかそうでないのか、右に行くのか左に行くのか、どっちを選択しようとしているのかが全然見えない。しかも、何もしていないから見えないんじゃなくて、ちゃんと意図的に演技したうえでどっちなのかわからないのがすごいですね。この人は、とても魅力的な俳優さんだなと思いました。
──この方、ご自身で監督もしているそうです。確かにこの映画を観るだけでもすごい才能を知ることができたと思いました。
ゴルフクラブの社長(パク・ヘス)もよかったです。自分が行くところと引くところの使い分けがとにかくよかったです。僕が共演させてもらった作品(「グッドニュース」)でも、短い時間でめちゃくちゃ輝けるし、作品を背負う役でも作品を引っ張れる人だから僕が言うまでもなく圧倒的に素晴らしいですよね。ここで挙げたような俳優たちの、やりすぎない感覚があったことで、コメディとしてもいいバランスになったんじゃないかと思います。映画をご覧になる学生、主婦、社会人、お父さんお母さんの皆様。オーディションに行かれる際はぜひ彼らの芝居を参考にしてみてください。
キャラクター紹介動画
もしハ・ジョンウと共演するなら…?
──俳優さんとして現場に立っていないとわからない見方で大変面白いです。笠松さんは、韓国で「グッドニュース」や、先ほどもお話に出てきた「復讐代行人3 ~模範タクシー~」などに出演されています。韓国で演技をしてみていかがでしたか?
僕は一度も「韓国映画に出たい」とか「アメリカの映画に出たい」と言ったことはないんです。いい作品があれば、どこであろうと行くだけ。一生懸命、目の前のお芝居をしていれば、どこの国からでも電話は掛かってきます。僕だって昔はセリフをもらえただけでうれしかった時期もありましたし、バイトを辞められたときもうれしかったです。でも今は、なんでもおいしいわけじゃなくて舌も肥えてきたし、何をやっても最高だと思えるわけではなくなりました。だから、どこで演技をしても自分らしさがないといけない、その作品に出演しただけでは勝てないぞと思うようになりました。なぜそこに立っているかを理解して、強い精神力で、嫌われても作品のために、キャラクターのために、そこに立ち続けていようと思いました。
──その結果、韓国での評価も高まっていると思います。
評価っていうのは花びらですからいずれ散って枯れていくものです。もちろん、いい評価をしてもらって悪い気はしないですけど、僕のことを自分自身が納得できるかのほうが大事です。
──そんな笠松さんが、もしハ・ジョンウさんと共演できるなら、どんな役で対峙したいですか?
いつか一緒にお芝居できる日が必ず来ます。バディとかではなくて、2人でバチバチに戦いたいですね。僕は「俳優は俳優だ」という2013年の映画が大好きなんです。時代は巡ってきますから、こういう映画が撮れるときがまた来ると思っています。その際に、「スター」を演じるのは彼なのか僕なのか、それとも連れて来られた「ホンモノ」を演じるのは僕なのか彼なのか。
プロフィール
笠松将(カサマツショウ)
1992年11月4日生まれ、愛知県出身。2011年に上京し、2013年から本格的に俳優として活動する。2020年公開の映画「花と雨」で長編映画初主演を果たした。主な出演作に映画「リング・ワンダリング」、ドラマ「君と世界が終わる日に」や日米合作「TOKYO VICE」、ディズニープラス「ガンニバル」、連続テレビ小説「らんまん」などがある。2022年にアメリカのエージェンシーCAA(クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー)との契約を発表し、2023年に個人事務所を設立。国内外で活動の幅を広げ、韓国のNetflix映画「グッドニュース」やドラマ「復讐代行人3 ~模範タクシー~」にも出演。NHK夜ドラ「事件は、その周りで起きている」シーズン3が2026年3月より放送される。
笠松将 | Show Kasamatsu Official website
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- 対象劇場
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シネマート、ローソン・ユナイテッドシネマ / ユナイテッド・シネマ / シネプレックス、kino cinéma
- 料金
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一般・大学生 1100円 / 高校生以下 900円
※別途、追加料金が必要な特殊上映や特別席あり
- 対象
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Pontaパス会員、同伴者1名まで
- 利用条件
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- 事前購入
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- 利用方法
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