ドイツ現地時間2月13日、第66回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に出品された「
本作は前川裕の同名小説をもとにしたサスペンススリラー。ある一家の失踪事件を追う犯罪心理学者とその妻が、引越し先で出会った“奇妙な隣人”に翻弄され、深い闇へと引きずり込まれていくさまが描き出される。
黒沢にとって1999年公開作「ニンゲン合格」の出品以来、17年ぶりとなるベルリン国際映画祭。4人は上映後の舞台挨拶にて大きな拍手と歓声で迎えられた。黒沢は「こんな気味の悪い映画を、こんな美しい会場で上映する決断をしていただいたベルリン映画祭には本当に勇気があるなと、深く感謝いたします」と笑いを交えてコメント。観客の反応を受けて西島は「これほどの盛り上がりは、これまで感じたことがない。とても幸せな上映でした」と興奮気味に語った。劇中で不気味な隣人を演じた香川は、ドイツ語で「皆さん、こんばんは。香川照之です。私は映画のキャラクターと同じ性格です」と挨拶し、会場を大いに沸かせる。続けて「素晴らしい監督とともにベルリンの地に立てたことに本当に感謝します。これほど拍手が起きた上映は、今までで一番かもしれません」と喜びをあらわにした。
黒沢はコメントの最後に「ここに並んでいる3人の俳優は、普段はみんな紳士的で優しい人たちだということをこの場を借りて言っておきたいと思います」と一言。会場を盛り上げるとともに、キャストをしっかりとフォローする黒沢の姿が見られた。
このたびタイトルが「クリーピー 偽りの隣人」へと正式に決まった本作は、6月18日より全国で公開。
黒沢清 コメント
記者会見にて
怖いから始まり、徐々に引きこまれて心がウキウキしていく、滅多に観られない映画になったと思います。興奮を感じて欲しいです。
家族という基本的なコミュニティと思われていたものが壊れてきて、孤独と隙間が生まれています。映画はそこにつけ込んだ悪意を描きました。家族という単位が揺らいでいる原因の根は、とても深いと思います。
舞台挨拶にて
こんな気味の悪い映画を、こんな美しい会場で上映するということを決断していただいたベルリン映画祭には本当に勇気があるなと、深く感謝いたします。
世界で初めての上映で、大きな劇場だったので、不安もあったが、満席の客席と、上映中のお客さんの反応がとてもうれしかったです。
映画の中にはかなり変な人ばかり出てくるのですが、ここに並んでいる3人の俳優は、普段はみんな紳士的で優しい人たちだということをこの場を借りて言っておきたいと思います。
西島秀俊 コメント
(黒沢のコメントを受けて)香川さんはちょっとクレイジーなところがあります(笑)。
ベルリン映画祭に呼んでいただいたことを、そしてこんなに素晴らしい劇場で、たくさんの皆さんに観ていただいたことを非常に光栄に思っています。ありがとうございます。
とても大きな劇場で、入った瞬間に驚きました。観客の皆さんと一緒に映画を観て、とても楽しんで観てくれていると感じた。盛り上がりと反応の良さは、これまで感じたことがないほどで、とても幸せな上映でした。
竹内結子 コメント
ああ、これが映画祭ってやつか、ってお客様の反応を見ながら感じました。こうやって反応してくださる方がいて、こうやって映画が完成するんだなって、この作品に出演できてすごく幸せです。とても素晴らしい体験をありがとうございました。
香川照之 コメント
黒沢監督のような本当に素晴らしい監督とともにベルリンの地に立てたことに本当に感謝します。黒沢監督ありがとう。そして最後まで観てくださって本当にありがとうございます。
これほど拍手が起きた上映は、今までで一番かもしれません。
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リンク
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- クリーピー | 光文社文庫 | 光文社
- ベルリン国際映画祭 公式サイト
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