曽我部恵一、新作は氷の洞窟でレコーディング

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曽我部恵一の新作「氷穴EP」が9月25日よりOTOTOYにて配信される。

曽我部恵一「氷穴EP」レコーディングの様子。

曽我部恵一「氷穴EP」レコーディングの様子。

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本作はOTOTOYで展開されている「Special Place Recordings」の1つとして発売される。このシリーズはアーティストが銭湯やかまくら、キャンプ場など特殊な環境の中で演奏し、その模様を高音質デジタルフォーマット・DSDで録音するというもの。「氷穴EP」のレコーディングは山梨県の富士山のふもとに存在する溶岩洞、鳴沢氷穴の内部で行われた。

「氷穴EP」には「スパンコール」や「夢の中の人」といった新曲4曲と近田春夫「若者達の心にしみる歌の数々」のカバーを収録。また音源購入者には曽我部がデザインした歌詞ブックレットやレコーディング時の写真を収めたPDFデータが配布される。

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曽我部恵一 コメント

ある日、OTOTOYの飯田くんが「そかべさん、氷穴で歌いませんか?」となめらかな京都弁で言ってくるのだった。「あ、いいねえ」。おだやかな、はんなりとしたその語調にさそわれ、返した。
事前に渡された資料に見える氷穴内部は、幾層もの氷がうす蒼く輝き、しんとした透明さに満ちていた。
かねてより、そのために設けられた場の外で歌ってみたい欲がつよい。氷穴も魅力的だった。

いざはいってみると、氷穴は寒い。とてつもなく。音合わせとしてぽろぽろ歌いはじめるが、指先はすぐにつめたくなり、あしもとから血がうばわれていくようだった。しずくが落ちる音だけが鳴るつめたいほらあなのなか、ぼくも一体の氷像になってしまったようであった。
録音をしているときのことはよくおぼえていない。氷像なので記憶はあいまいだ。この曲はこんなふうに歌った、ということもない。ただ音をたどったのだった。
生のけはいのどこにも感じられない世界。そのなかで、いくつものしずくの音だけが、あるポリリズムを形成していた。それは時間が置き忘れていった遠いむかしの鼓動のようにも思える。

曽我部恵一「氷穴EP」収録曲

01. スパンコール
02. レモンティー
03. 日々
04. 若者達の心にしみる歌の数々(オリジナル:近田春夫)
05. 夢の中の人

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オトトイ @ototoy_info

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