Melty×Mellowの活動5周年を記念したアルバム「Memorial Best」がリリースされた。
Melty×Mellowは“甘く儚いオルタナティブロック系メンズアイドル”というコンセプトのもと2020年9月に活動を開始したグループ。メンバーは秋山元樹、加藤匡真、小笠原雄人、陽向唯大、朝比奈来知、月城翔、氷織隼斗の7人で構成される。
「Memorial Best」は4月にリリースしたミニアルバムに新曲「僕色Answer」「Melty Love」を含む5曲を追加収録したMelty×Mellow初のフルアルバム。彼らが歩んできた5年間の足跡を感じられる内容となっている。
音楽ナタリーではMelty×Mellowに初インタビュー。「Memorial Best」のオススメ曲やパフォーマンスの注目ポイントなどを、7人全員でわいわい語り合ってもらった。
取材・文 / 小松香里撮影 / はぎひさこ
メルメロのライブは“攻撃力全開”
──Melty×Mellowの“甘く儚いオルタナティブロック系メンズアイドル”というコンセプトを皆さんはどう捉えていますか?
秋山元樹 僕らの楽曲のサウンドや歌詞、振付にはロックな要素と甘くはかない恋愛感が表現されていて、そのギャップが魅力だと思ってます。
月城翔 僕は昨年9月に加入したんですが、その前からメルメロのことは知っていて。バチバチにカッコいい曲もあればかわいい曲もあるなという印象でした。加入前にライブを観たときに、あらゆるものを突き飛ばすようなパワフルなパフォーマンスだなと思って、男の僕としても「すごくカッコいいな」と感じました。
陽向唯大 メルメロの“攻撃力全開”のライブは観てる人の心を揺さぶるんじゃないかなと思ってます。
朝比奈来知 メンズアイドルの中ではかなり男っぽいグループだと思いますね。男らしい曲が多いのに、MCはわいわいした雰囲気があって、それも僕たちの魅力だと思います。
氷織隼斗 僕も月城翔と同じタイミングで加入しました。メンズ地下アイドルさんのラブソングはカジュアルな感じの恋愛ストーリーの歌詞が多くて、そのほうがキャッチーで受け入れられやすいと思うんですが、メルメロの曲ではちょっと重めの恋愛観を表現しています。例えば恋人と出会いたてに感じるときめきや好きっていう気持ちは、長く一緒にいることでネガティブな気持ちに変わってきたりしますよね。恋愛って打ち上げ花火みたいに気持ちが盛り上がるときもありますが、やがて消えて散っていくこともある。それを「殺してしまいたくなるくらい 誰かを好きになる事」(「ヒトリジメ」)と重いメッセージで描くのがメルメロの真骨頂です。メルメロの曲に向き合えば向き合うほど、歌詞で描かれている感情が理解できるようになって、より楽曲の世界観に引き込まれています。
小笠原雄人 「グッバイグッバイ」など僕が作詞に参加している曲もあるので、はやてぃ(氷織隼斗)が歌詞についてそういうふうに思ってくれているのはありがたいですね。初めて感想が聞けたのでうれしかったです。
「Melty Love」でバズりたい
──初のアルバム「Memorial Best」はどんな作品になりましたか?
秋山 メルメロは今年結成5周年で、「Memorial Best」はこれまでの集大成と言えるフルアルバムだと思います。
──リード曲を「Melty Love」にしたのは、メンバーの意見から?
加藤匡真 そうですね。サウンドがかわいくてキャッチーでバズりそうな曲なので「バズればいいな」と思ってこの曲にしました(笑)。
小笠原 バズりたいです。
加藤 「有名になりたい」という気持ちを込めた曲です(笑)。
氷織 例えばアルバムに入っている「Don't blame me」はメルメロを象徴するような攻撃力全開のカッコいい曲ですけど、「Melty Love」は好きな人と出会った時期のときめきを歌ったようなかわいい曲で。メルメロはこういう曲も歌えるんだよとアピールする意味でリード曲にしました。
秋山 「Melty Love」を入り口にアルバムを聴いてもらって、メルメロの表現力の振り幅を感じてもらえたらいいですね。
──「Melty Love」はウキウキするような王道のアイドルソングですよね。
秋山 キラキラしてますよね。
小笠原 CUTIE STREETさんの「かわいいだけじゃだめですか?」とかバズってる曲をたくさん生み出してる早川(博隆)さんという方に詞曲を手がけてもらいました。この曲もヒット曲に仲間入りできたらいいなと思って、「Memorial Best」のリリースイベントでは前面に打ち出していってます。
──早川さんとはどのように制作を進めていったのでしょうか?
小笠原 早川さんとのLINEグループがあって2、3日くらいずっとメンバーがいろんな意見を書き込んでいったんです。「ここの音を足したい」とか僕たちの意見を早川さんが受け入れてくださって、「Melty Love」ができ上がっていきました。
氷織 ラップ担当の匡真くんはこれまでの曲だとカッコよくて重ためのラップをしていたんですが、「Melty Love」ではかわいいに全振りしてるのがポイントです。
加藤 これまでのメルメロの曲とは曲調も歌詞も全然違うので最初は戸惑いましたが、何回も歌う中でかわいい系のラップもできると自信が持てました。僕の新しい一面を出してくれた曲です。自分は声が低いんですが、「Melty Love」のおかげで高いキーで歌えるようになりました。
“かわいい”が詰まったリード曲
──「Melty Love」のレコーディングでこだわったところは?
朝比奈 かわいさ全開で10歳くらい若返った気持ちで歌いました。キャピキャピしてる僕は珍しいと思うので、注目してほしいです。
小笠原 来知はレコーディングで緊張しやすいので、20歳ぐらい老けたように見えましたけどね(笑)。
加藤 「Melty Love」のレコーディングは特に緊張しました。
小笠原 来知の「抱きしめて!」っていうセリフがあるんですが、そこが一番いいと思いました。珍しくかわいくできたよね。
氷織 セリフは「抱きしめて!」というパートが2カ所、「恋しようぜ」が1カ所あって、来知くんと元樹くんと僕が担当しています。各々がこの曲でどう表現しているか、こだわりが見えてくると思うのでぜひ注目していただきたいです。
秋山 レコーディングブースで小笠原が「今のよかったよ」と言ってくれたんですが、僕としては自信がまったくなかったので驚きました。でも、完成版を聴くとこの曲に合った切なくてかわいい感じの声を出せた気がします。
月城 自分は「Melty Love」みたいなかわいくて明るい楽曲よりも、カッコいい曲とかしっとりとした雰囲気の歌のほうが得意だと思っていて。レコーディングのときはブースにいる陽向くんと小笠原くんがアドバイスをくれて、声の“温度”をちょっと上げたり、声色を変えたりして、楽しみながら録れました。その雰囲気が聴いてくれる皆さんに伝わればいいなと思います。
氷織 自分はわりと王子っぽい歌い方をするので、こういう曲は得意だなと思っていました。実際ばっちりハマったと思います。歌い出しのパートは特に気に入ってますし、「抱きしめて!」というセリフパートは実際に女の子に言ってるイメージでレコーディングしました。
陽向 バズるには一度聴いたら耳に残るようなキャッチーさが大事だと思うので、とにかくかわいくなるよう意識しました。
小笠原 それぞれが思う“かわいい”が詰まってる曲だと思います。
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ゴリゴリの火力が強い曲、アイドルにもファンにも寄り添う曲