Ringwanderung インタビュー|3回目のKT Zepp Yokohamaワンマンで見せるリンワンの“未来”

今年の夏も全国各地で多くのアイドルが熱いライブを繰り広げている中、耳の肥えたアイドルファンたちを唸らせているのが5人組グループRingwanderung(リングワンデルング)、通称リンワンだ。2019年11月の結成以降、100%被せなしの生歌、シアトリカルなダンス、“鍵盤ロック&ポップス”を標榜する楽曲群を武器に唯一無二のパフォーマンスを届けてきた彼女たち。2024年9月に新メンバーの篠田百音が加入して以降は個性豊かなメンバーの歌声に深みが加わり、表現の幅がさらに広がっている。

そんなリンワンは9月6日、神奈川・KT Zepp Yokohamaでのワンマンライブ「BEYOND」に臨む。3年連続で同会場にてワンマンを開催している彼女たちは、過去2回の公演で経験した悔しさや喜びを胸に、「迷いながらも上を目指す」という意味を持つグループ名や、公演タイトルに込められた「過去を超え、未来へ進む」思いをステージ上で体現しようと邁進中だ。音楽ナタリー初登場となる本インタビューでは、リンワンが持つ多彩な魅力や篠田加入後の変化を掘り下げた。そして過去のKT Zepp Yokohama公演を振り返りながら、今年のワンマンへの抱負、今まで公言してこなかったというメンバーそれぞれの目標についてもたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 田口俊輔撮影 / 塚原孝顕

公演情報

Ringwanderung ONE MAN LIVE [ BEYOND ]

2025年9月6日(土)神奈川県 KT Zepp Yokohama
OPEN 15:30 / START 16:30

チケットはこちら|イープラス

全力の歌と全力のダンスで魅了

──先日の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025」でのライブを拝見しましたが、素晴らしいパフォーマンスでした! 中でも浮島STAGEでのライブ。リンワンは、あの円形の舞台を生かしたパフォーマンスを見せられる稀有なグループだと思いました。

一同 わー! ありがとうございます!

──この夏、リンワンの魅力に初めて気付いた方をSNS上で多く見かけました。リンワンとはどんなグループなのか?という基礎的な話をまず伺いたいと思います。

佐藤倫子 よく言っていただくのは「パフォーマンス力の高いグループだね」ということ。100%被せなしの生歌を、結成からずっと貫いている部分です。

佐藤倫子

佐藤倫子

──皆さんの歌声は、一聴しただけでその人のキャラクターまで伝わってくるぐらい1人ひとりが粒立って聞こえますし、すごみを感じます。

辺見花琳 本当に1人ひとりの声が特徴的で。それでいてユニゾンだとみんなの波長が合って、きれいにひとつになるのも大きな武器だと思います。

篠田百音 倫ちゃん主導で本番1時間前に声出しを始めて、ユニゾンパートや前回のライブでうまく歌えなかった箇所を舞台袖で練習しているんです。加入したばかりの頃は、この徹底ぶりを見て「歌に真剣向き合っているグループだ!」と驚きました。

佐藤 なんというか……「それぐらいやらないと声が出らんやろ?」と、思って。

寺尾音々 リンワンの楽曲は歌割が細かくて、歌うのが難しいんです。曲によってはダンスも激しいから、生歌で楽曲を100%届けるには相当な下準備が必要なんですよ。

寺尾音々

寺尾音々

──日々どれくらい練習をしているんですか?

増田陽凪 それぞれ自宅で練習してきて、レッスン場では合わせることがメインです。たぶん、レッスン場での練習はほかのグループさんより少ないと思います。

辺見 家で毎日歌っている気がします。隣の家の方には「あの子は歌う職業の人」とバレているかも(笑)。

──皆さんの歌声は自宅での鍛錬で培われたものなんですね! そしてリンワンはダンスパフォーマンスも大きな武器です。ドラマティックな楽曲の世界観を押し広げるシアトリカルな振りを、全力で表現する光景に目を奪われます。

佐藤 リンワンは歌中心のグループに見られがちなんですが、実はダンスもしっかり踊っていて。30分位のステージであればMCなしで歌って踊るので、たとえうまく歌えなくても「そりゃ途中で息が切れて歌えなくなるよね!」って自分を慰めてます(笑)。

増田 動きまくりのうえ、複雑で細かい動きが多いんです。複雑な振りはその難しさが伝わるように踊ったり、わかりやすいダンスは大きく踊ったりして、ファンの方に楽しんでもらえる見せ方を意識しています。

辺見 基本的に振りコピがしづらいダンスばかりなのに、最近はフロアで踊ってくださる方が増えてきました。ターンも一緒に回ってくださるんですよ。

辺見花琳

辺見花琳

寺尾 私はクセで、振りにプラスして余計な踊りをアドリブで入れがちで(笑)。それが悪目立ちしないように、ライブ動画を見直して、バランスを取りながら自分なりの自由と個性を楽しんでいます。

増田 メンバーそれぞれにクセや特徴があって、それがダンスの中にいい感じで織り混ざっているので、見ていて飽きない……と思ってくれていたらうれしいです(笑)。

篠田 全力の歌と全力のダンスでライブを楽しんでいただけるアイドルを目指しています!

メンバーがプレゼン!リンワン楽曲の魅力

──そして、リンワンにとっては楽曲も最大の武器の1つ。複雑かつ流麗なサウンドが疾走しています。

辺見 ジャンルで言うと、“鍵盤ロック&ポップ”なのかな?

佐藤 最初はそうだったけど、今はさまざまな作家さんが楽曲を提供してくださるので、リンワンらしい曲もあれば、今までのリンワンっぽくない曲もあって幅が広がっています。だから、ファンの方から飽きずに愛してもらっているんだと思います。

IMATETSU(プロデューサー) 楽曲に関しては毎回私がコンペをやっていて、そこから「これはどう?」とメンバーに投げています。そして最終的にメンバーの「これが歌いたい!」という意見で決めています。

──かなり珍しい形ですね!

佐藤 自分たちで曲を選んでいるので、振り幅がありつつも世界観が統一されているんです。歌に気持ちが込めやすいですし、5人の声や表現にも合うんだと思います。

増田 あの! 確かにみんなで選んでいるんですが……なぜか私の意見は基本通らないんですよ。

IMATETSU みんなが「これがいい!」と言った曲の真逆を選んでいるから(笑)。ただ、陽凪さんが「いいですね!」と言って残した曲の中に、代表曲になっているものもあるんですよ。

増田 はい。「カケラ」は私が「どうしてもこの曲で作詞させてください!」と頼んで、完成した曲なんです。

──今をときめくキタニタツヤさんが手がけた代表曲の1つ「カケラ」にそんな歴史が……陽凪さん、救世主ですよ!

増田 やったー! 意外にセンスがあるんですよ(笑)。

──(笑)。では音楽ナタリーの読者に向けて、1人1曲ずつリンワンの楽曲をプレゼンしていただけますか?

佐藤 私は「Lily」をオススメします。アップテンポで攻めた曲が多い中、「Lily」は大人っぽいクールな雰囲気で。デモ音源では、作曲者のきなみうみさんが仮歌を歌っていらして。「きなみさんの声が私になるの……⁉」と考えただけでうれしくなったのを覚えています。この曲を歌っているとすごく幸せな気持ちになるんです。へへっ(笑)。

篠田 「Lily」を歌っているときの倫ちゃんは“イルカ”なんです。

──……イルカ?

篠田 これ、褒め言葉として受け取ってほしいんですけど、倫ちゃんが歌い上げる高音パートが、まるでイルカが超音波を出しているような声に聞こえるんです。ライブで倫ちゃんパートが来るたびに「イルカが歌ってる!」ってうれしくなって、ついニヤニヤしちゃいます。

辺見 私のオススメの曲は「君のいない街」。初期の曲で、しかも年に2、3回歌うか歌わないかのレア曲です。最新曲までリンワンの楽曲をすべて聴いたうえで改めて「君街」を聴くと、いい意味でリンワンらしくないメロディが刺さるんですよ。私としては“卒業”をイメージして歌っていて、これまでの時間をバーッ!と思い出して泣きそうになっちゃいます。

増田 私は「夜彩」をプレゼンします。リンワンの曲を大きく分けると、盛り上がる系、かわいい系、エモい系になるんですけど、「夜彩」はそのどれにも当てはまらない、不思議で独特な曲で。ライブでのハモりがすごく映えるんです。ハモる曲はほかにもありますが、「夜彩」は特にハーモニーを意識して歌っています。

増田陽凪

増田陽凪

篠田 今度発表予定の新曲「Utopia」が、個人的に今一番好きな曲です。大人っぽさもありながら、ジャンルとしてはロック? バンド?……うーん、詳しい音のことはわからないんですが、これも今までのリンワンになかったタイプの楽曲なのに、聴いた瞬間に“リンワンらしさ”を感じられて。対バンライブで戦える、武器になる曲なので、リリースされたらぜひ聴いてほしいですね。

寺尾 私のお気に入りは「パルス」です。ストーリー性のある歌詞が素敵で。中でも私が歌う落ちサビの「僕にだって君にだって とても大事な仕事があって そんなこと知ってる解ってるさ でも君に会いたい」というフレーズが心に刺さるんですよ。ファンの方たちは日々の仕事や勉強をがんばって、そのがんばりを終えたあとに笑顔で会いに来てくれる。そのうれしさや幸せがこの歌詞に込められている気がするので、歌うときはいつも「会いたい!」って、ついつい感情が強く出ちゃうんです。何よりこの曲で振りコピするファンの方を見るのが好きで。みんな楽しそうに、必死な顔をして踊っているんです(笑)。その光景を見ると私も楽しくなるし、ライブに一体感も生まれます。ファンの方とつながっていることを感じられる曲ですね。

百音ちゃんの加入で、リンワンの世界が深くなった

──昨年9月23日に百音さんが加入してから、そろそろ1年です。この5人体制になってから大きく変わった部分もあったかと思います。

篠田百音

篠田百音

佐藤 百音ちゃんは、ほか4人にはない低くて深い声を持っているんですよね。私たち4人はけっこう声が高くて、いい意味でアイドルっぽいけど、それと同時に“埋もれていってしまう声”。楽曲のよさを最大限に表現できていないと思っていたんです。

辺見 4人でのユニゾンになると、ぴょんぴょーん! ぴゃー!って感じに聞こえちゃってね。

佐藤 なので、百音ちゃんの声が加わったことでリンワンの世界観に深みが出ました。楽曲のよさが完全に発揮されています。あとは……シンプルに会話が増えたよね。

増田 ほかの4人は長い時間一緒にいるので、話し尽くしちゃった部分があるんですよ(笑)。

佐藤 百音ちゃんが加入する前、4人体制で半年間活動していたんですけど、その時期はライブのことしか考えられなかったから、毎日精神的にも肉体的にも疲弊しちゃって。気付けば会話がほぼなくなっていました。

増田 でも百音ちゃんが入ってからは、本当に些細な話題で盛り上がることが増えてきた。さっきは「宝くじ当たったら、どうする?」って話で盛り上がっていました。

篠田 よくわからない話題で盛り上がっているよね。そういう瞬間に「リンワンに入れて、よかったなあ」と思います。