2023年3月にKQエンタテインメントからデビューしたK-POPボーイズグループ・xikersが、ニューシングル「Up All Night」をリリースした。
ATEEZ以来およそ5年ぶりに同事務所から誕生したグループとして注目され、デビューから半年でアメリカ6都市、ヨーロッパ7都市を巡るワールドツアーを成功に導いたxikers。さらに昨年3月には、3rdミニアルバム「HOUSE OF TRICKY : Trial And Error」が「Billboard 200」で73位にランクインし、確かな実力と高い表現力、そして唯一無二のコンセプトで世界から熱視線を浴びている。
そんな彼らから届いたニューシングル「Up All Night」は、昨年8月発表の日本デビューシングル「Tsuki (Lunatic)」に続く日本オリジナル作品。休養からJUNGHOONが復帰し、10人そろった完全体で初めてリリースする日本シングルでもある。“青春の揺らぎ”をコンセプトに据えた表題曲は、シンセサウンドとグルーヴィなビートが心地よく重なり合う爽快な1曲。これまで力強くエネルギッシュな楽曲を多く発表してきたxikersの、新たな一面が引き出されている。
音楽ナタリーでは、今作のプロモーションのため来日していたxikersにインタビューを実施。2003年生まれのMINJAE、JUNMIN、2004年生まれのSUMIN、JINSIK、HYUNWOOの“兄組”、2005年生まれのJUNGHOON、SEEUN、YUJUN、HUNTER、YECHANの“弟組”の2チームに分け、それぞれの視点から話を聞いた。
取材・文 / 岸野恵加撮影 / Kyutai Shim
(JUNGHOON / SEEUN / YUJUN / HUNTER / YECHAN)
本当の性格はわからない
──xikersはこれが音楽ナタリー初登場なので、まずはメンバー紹介をお願いします。今この場にいない5人のメンバーについて、1人ずつ教えていただけますか?
HUNTER MINJAE兄さんはリーダーとしてメンバーをうまくリードしてくれます。ボーカル面でもいろいろと僕たちをサポートしてくれますし、ラップをする際にロートーンになる声も魅力的で。YECHANやSUMIN兄さんとは異なるラップの魅力があると思います。
JUNGHOON HYUNWOO兄さんはあだ名が“じゃがいも”。じゃがいもに似ているところがあります。声がとても柔らかいのに歌声はパワフルなのも魅力ですね。そして下半身がすごくがっしりとしているので、メンバーを持ち上げるような振付を担当することも多いです。
SEEUN SUMIN兄さんは慎重派で、賢くスマートなカッコいい人です。ステージの上ではすごく情熱的でエネルギッシュな一方、とても優しくて子供っぽいところもある。ステージの上と下でギャップがある、面白いメンバーですね。
YUJUN JINSIK兄さんは僕のルームメイトで、性格も生活パターンも似ているんです。本当に面白くて愉快な人ですね。ボーカルがすごく上手で高音パートを上手に歌いこなしますし、ライブのときも安定感があって。xikersの中で頼れる存在です!
YECHAN JUNMIN兄さんはすごくダンスが上手。ステージの上でカッコよくて、学びたい点が多いです。そして彼は、とてもセクシーです! 僕たちの前ではセクシーでカッコいいんですが、road𝓨(xikersファンの呼称)の前ではかわいらしいんですよね。なので彼の本当の性格はまだきちんとわかっていなくて……これからしっかり把握していこうと思っています。
一同 (笑)。
──長年一緒にいても、把握しきれていない部分がまだあるんですね。
YECHAN はい。ミステリアスな人だと言ってもいいかもしれません。
──ありがとうございます(笑)。皆さんは5人とも2005年生まれで、もう1組のメンバーは2003年、2004年生まれのお兄さん組ですよね。歳は近いけど、兄と弟のような関係性があるのでしょうか?
YUJUN お兄さんたちではあるけど、いつも気楽に接してくれるので、年上だと感じたことは正直そんなにないんですよね。本当にフラットでみんな仲がよくて、いい雰囲気のチームです。
長い間練習生生活を送って
──プレデビューチーム・KQ Fellaz 2の頃から皆さんのパフォーマンスを拝見してきたのですが、新人離れしたエネルギッシュなステージに毎回圧倒されます。xikersは2023年3月のデビュー後すぐに米ビルボードにチャートインし、USツアーを行うなどグローバルに活躍してきましたが、2年間で特に印象に残っている出来事を挙げるとすると?
YECHAN 僕たちはツアーを回った際、最終日に全員で集まって話す時間を設けるんです。楽しい話はもちろん、みんなで真剣な話をしているうちにチームワークが強化されているのを感じますし、より親しくなれていますね。特に印象深い出来事は、2023年の「2023 MAMA AWARDS」で東京ドームのステージに立ったこと。いつか立ってみたい舞台でしたし、多くの観客の皆さんを前にしてのパフォーマンスは、とても記憶に残っています。
SEEUN 僕たちは学生時代からずっとお互いのことを知っていて、こうして20代になるまで楽しい時間を共有してきたので、メンバーとの強い絆を感じます。特に僕の心に残っているのは、やはりデビューした日ですね。長い期間デビューを夢見て練習生生活を送り、みんなで同じ日に同じ場所で夢を叶えることができた瞬間が、一番印象深いです。
──JUNGHOONさんは今年1月に休養から復帰しました。合流した際はどんな思いを抱きましたか?
JUNGHOON ひさしぶりに活動するということで少し緊張したんですが、メンバーが隣で優しくサポートしてくれました。9人から10人になることで、振付やダンスのフォーメーションもたくさん修正が必要なのに、メンバーが何も言わずに対応してくれたことがすごくうれしかったです。
──メンバーの皆さんはJUNGHOONさんが戻ってきたことで、どんな変化を感じましたか?
SEEUN JUNGHOONが戻ってきて、全体的にチームが活気に満ちています! すごくいいムードですね。
YUJUN こうしてまた10人になったことで、ダンスの動線やステージングなどたくさんのものを見せられますし、エネルギーやメンバーのシナジーも増したように思います。
──xikersは3月30日にデビュー2周年を迎えました。皆さんのインタビューなどを拝見しても、新人グループという自己認識から少し意識が変化している部分があるように思うのですが、2年間の活動は、xikersにとってどのようなものを得る時間でしたか?
HUNTER 僕たちは2年間、大きなところから小さなところまで、本当にたくさんのステージに立ってきました。その経験のおかげで、今は大きな舞台に立ってもそれほど緊張しないし、自分たちのすべてを見せられているような気がします。たくさんのいい経験をできた2年間でしたね。
──2年間の経験を経て、改めて「xikersとはこんなグループ」ということを言語化するとしたら?
SEEUN 勢いがとてもよく、メンバーがしっかりとひとつに固まったときに大きな相乗効果を発揮できるグループです。チーム全体が輝いていると感じます。
「HOMEBOY」「ROCKSTAR」の系譜
──7月16日に日本で2作目となる2ndシングル「Up All Night」がリリースされました。パワフルなパフォーマンスが持ち味のxikersですが、「Up All Night」は“青春の揺らぎ”をテーマとしていて、皆さんの等身大の姿が表現されているようで新鮮に感じました。
YECHAN ありがとうございます。xikers楽曲の中では「HOMEBOY」や「ROCKSTAR」といった楽曲もroad𝓨の皆さんにたくさん愛されているのですが、「Up All Night」はそれらの曲と雰囲気が近いので、最初に聴いたときは「ファンの皆さんが喜んでくれそうだな」と感じました。
──xikersは新曲の練習をする際、いつもメンバー間で「どんなアティチュードで臨むか」を話し合うそうですが、「Up All Night」についてはどんなことを話したのでしょうか?
YUJUN 清涼な雰囲気の楽曲なので、それにマッチするようなステージを見せたいと話しました。「Up All Night」はフィーリングを生かしたダンスなので、新たなアティチュードで練習していきました。
JUNGHOON 息をぴったり合わせたり、ラインをそろえたりする部分は、いつも通り意識しています。
──特にお気に入りのパートはありますか?
YUJUN 特に好きなのはブリッジのパート。HYUNWOOさんとJUNMINさんがすれ違ってから、HUNTERが出てきてソロで踊るところがカッコよくてお気に入りです。
SEEUN 僕は1番の「雑踏の中のYouth」というパートでのJUNGHOONのダンス。すごくさわやかでメンバーとダンスのラインが合っていて、気に入っています。
──YECHANさんは収録曲の3曲すべてでラップパートのリリックを書いていますが、特に気に入っている歌詞はありますか?
YECHAN 「Up All Night」の「記憶が全部ピンクに染まる魔法」という歌詞です。最初に自分が韓国語で歌詞を書いたときも言葉選びにこだわったのですが、日本語でもいいワードになっていてお気に入りです。あとは「Period」も、個人的にはうまく書けた感覚があって。メロディアスなトラックに、僕がいつもやるようにリリックを詰め込んだラップを乗せてみたんです。感傷的な楽曲だけど、テンポよく聴けるところが気に入っていますね。
YUJUN 「Period」は落ち着いたバラード曲で、しっかりと感情を込めて歌っています。僕たちの声に集中して聴いてみてほしいです。
SEEUN そしてもう1つの収録曲「100%」は、歌いながら走り出したくなるくらい楽しい1曲です。皆さんも楽しみながら聴いていただけたらうれしいです。
これからすべての瞬間が重要になる
──日本シングルは2作目となりますが、日本語での歌唱はいかがでしたか? 3曲とも歌詞は日本語のボリュームが多いですよね。
SEEUN 以前と比べると、活動を重ねる中でうまくこなせるようになってきているのではないかなと。日本に来るたびにファンの皆さんがたくさん応援してくださるので、僕たちも一生懸命日本語をがんばりたいと思わされます。
HUNTER 日本での1stシングル「Tsuki (Lunatic)」と今回の「Up All Night」を通して、日本語への関心がどんどん高まっています。road𝓨の皆さんとコミュニケーションをとりたいという思いから日本語の勉強をするようになりましたし、レコーディングを重ねるにつれて、メンバーの発音もどんどん上達していて。日本語は難しいけど、楽しいですね。
──最近覚えた日本語は何かありますか?
HUNTER お腹が……ぱるぱる……? あ、ペコペコ!(笑)
YECHAN 僕は「なんでやねん」を覚えました!
YUJUN 僕は最近、ひらがなを練習しています。まだ全部は頭の中に入っていないので、もっとがんばりたいですね。
──活動3年目に突入しましたが、これからどんなグループになっていきたいですか?
SEEUN キャリアも年齢も重ねていく中で大人っぽい姿を見せたいと思って、がんばっている最中です。3年目に入って、これからのすべての瞬間が本当に重要になっていく気がしていて。今までよりさらにカッコいい姿を見せていきたいですね。
JUNGHOON SEEUNが言った通り、これまでにはなかった成熟した魅力をお見せできるようになりたいです。チームワークも際立たせたいし、その両方を兼ね備えていきたいですね。
YECHAN いつかxikersの単独コンサートを東京ドームでやりたいです!