令和の渋谷で「メルト」「チルノ」「エアーマン」熱唱!ゴム主催「ニコニコ再会議」にレジェンド集結

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8月21日に東京・LINE CUBE SHIBUYAにてゴム(HoneyWorks)プロデュースのライブイベント「ゴムプロデュース ニコニコ再会議'07~'09 Supported by dwango」が開催された。

左から湯毛、らむだーじゃん、ゴム。

左から湯毛、らむだーじゃん、ゴム。

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「ニコニコ再会議'07~'09」は、ニコニコ動画黎明期から活動しているゴムの「2007年から2009年の間にニコニコ動画で流行した曲でライブをしたい」という思いのもとに企画されたオムニバスライブ。ゴムはもちろんGero、少年T、蛇足、nayuta、花たん、ピコやなぎなぎ、湯毛といった歌い手たちが集結し、当時流行した楽曲を披露した。

ニコニコの歌声と言えば、J

ゴム

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「黒歴史を誇りに変えようじゃないか」「弾幕の準備はできているか?」とニコニコ動画の視聴者たちを煽るオープニングムービーが流れると、ステージ中央にゴムが登場。彼は「ブラック☆ロックシューター」のサビを1人で歌い始めて得意のハイトーンボイスを響かせ、ライブの開幕を飾った。ゴムの歌い出しを合図にこの日の出演者がズラリと並び、1曲目「ブラック★ロックシューター」のパフォーマンスがスタート。ゴムが「声出していけ!」と客席に呼びかけると盛大な歌声が巻き起こり、ライブ会場は大盛り上がり。続くソロステージのトップバッターを務めたゴムは、自身のリリースしたアルバムにも収録されたボカロ曲「1925」を歌唱。ハイトーンボイスのみならず、低く震わせる低音ボイスを響かせてベテランの風格を見せつけた。MCに入るとゴムは懐かしい楽曲の歌唱に心躍らせながら「『ブラック★ロックシューター』と『1925』だよ。令和だぜ?」と話し、オーディエンスと笑い合った。「僕にとってのニコニコの歌声って、Jさんなんですよ」というゴムの紹介を受けて登場したJは、ステージ中央に立ちボカロ黎明期の名曲「ワールドイズマイン」を堂々と歌い始める。生バンドをバックに抜群の歌唱力で高難度の楽曲を歌い上げるその姿に、オーディエンスから万雷の拍手が送られた。

ゼロ年代後半のニコニコ動画を賑やかにしていたのはボカロ曲だけではない。4曲目の「アンインストール」からは、当時の歌い手たちがこぞって投稿していたアニソンが連発する流れに。Re:はオーディエンスの方にマイクを向けて「アンインストール」の合唱を促した。湯毛は鉄板のアニソン「Butter-fly」をチョイス。湯毛が拳を突き上げると、観客たちは赤く灯ったペンライトを掲げてライブを楽しむ。その風景を見た湯毛は「うわあ、すごいな!」と感嘆の声を上げた。

ゴム、J、Re:、湯毛の4人はいずれも2007年に投稿を開始した歌い手たちの最古参と言える存在。2007年2月に動画を投稿し始めたゴムは、同年9月デビューの湯毛のことを、「おっそ!」と笑いながら先輩風を吹かす。投稿時期の違いこそあるものの、4人は互いにリスペクトを送り合っていたことをステージ上で再確認し合い、湯毛は「2007年に巻き戻ったみたい」と感慨深そうに語った。

40代になった“荒ぶるチワワ”

ピコ

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“歌ってみた”カテゴリのみならず、“弾いてみた”動画でも人気曲だった「God knows...」を歌唱したのはnayuta。海賊王(G)がかき鳴らすギターとnayutaの伸びやかな歌声が交差し、会場内は学園祭さながらの盛り上がりに。社長は紳士的な佇まいでkzのデビュー曲「Packaged」をしっとりと歌唱。多くの歌い手たちが得意とする高音や早口とは別ベクトルの歌唱力で、オーディエンスを魅了した。ピコが「おかえりみんな!」と当時のニコ厨たちを歓迎すると、客席から割れんばかりの声援が上がる。ピコは2度にわたって“歌ってみた”動画を投稿した「恋は戦争」を披露。“両声類”というタグを思い起こさせるような伸びやかな高音ボーカルでオーディエンスを圧倒した。

MCではnayutaが「みんな活動していてくれてありがとう」と共演者たちに感謝を述べ、ピコ、社長の3人で「あの頃は1週間でトレンドが目まぐるしく変わっていた」「19時になると追い出された」と、当時のニコニコ動画の仕様の話で盛り上がる。社長は「積年の思いを今日の再会議で出しきっていただいて、またいつか再会できるように」とかつての視聴者たちにメッセージを送った。

ぽこた

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ぽこたは「42歳になってしまった」と時の流れを憂いながら、自身初の殿堂入りを果たした「ダンシング☆サムライ」を歌唱。“荒ぶるチワワ”と呼ばれていた20代の頃の勢いを再現するようなパフォーマンスでオーディエンスを圧倒した。8年ぶりにステージに立ったというyonjiの曲目は、アゴアニキPの代表曲「ダブルラリアット」。投稿当初から話題を呼んでいたボカロの名曲を、投稿し始めの頃は受験生だったというyonjiが歌う姿に当時の視聴者たちは感嘆の息を漏らした。らむだーじゃんはクワガタPの名曲「君の体温」を情感豊かに歌い上げる。歌い手としてキャリアをスタートさせ、のちにメジャーデビューまで果たしたらむだーじゃんの歌声を客席のオーディエンスたちはじっと聴き入っていた。

ライブの幕間ではぽこた、yonji、らむだーじゃんの3人によるMCへ。プライベートでキャッチボールをしたことがあるというyonjiとらむだーじゃんは、それ以来まったく会う機会に恵まれず、ステージでの再会を喜ぶ。さらにらむだーじゃんはぽこたと同時期に「ダンシング☆サムライ」を投稿していたことを明かし、自分の動画がランクインしたと思いきやぽこたの動画だったことを悔しそうに語り、昔話に話を咲かせた。

17年前の“歌ってみた”を再現

Gero

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「再会議の皆さん、こんばんは! 会いたかったよ!」と声を上げた少年Tは、DECO*27の代表曲でもあり、少年Tが佐香智久名義でメジャーデビューシングルとしてリリースした「愛言葉」を歌う。会場中を練り上がりながら歌う彼は、時折最前列のオーディエンスや2階席の観客にも声をかけて、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいた。少年Tに「最年長のおじさん」と紹介されて登場した蛇足は「おひさしぶりです」と控えめに挨拶し、演歌の要素を取り入れた異色のボカロ曲「いろは唄」を歌唱。蛇足が長年持ち味としている妖艶さは今でも健在で、その色気ある歌唱力でオーディエンスを魅了した。特徴的なハイトーンボイスを響かせながら颯爽とステージに現れたGeroは「チルノのパーフェクトさんすう教室」を投下。ステージ上を縦横無尽に駆け回りながら「バーカバーカ」と言い合うコール&レスポンスを繰り返し、往年の名曲で会場内を1つにまとめ上げた。

少年Tは「このメンツでステージに立てるのは奇跡」と喜ぶ。Geroと蛇足は当時「ニコニコ町会議」で北海道を回ったときに、当時10代だった少年Tと出会ったときのことのエピソードを披露。時間を惜しむようにしゃべりまくるGeroに対して少年Tは「Geroさん、ぶん回しありがとうございます!」と頭を下げ、ニコニコ界隈の先輩後輩関係が垣間見えるトークをオーディエンスは楽しそうに見守っていた。花たんのソロステージではスクリーンに懐かしいサムネイル画像が映し出され、「ロミオとシンデレラ」の演奏が始まる。ニコニコ動画で560万回以上再生されている花たん×「ロミオとシンデレラ」の組み合わせに視聴者たちは喜びの声を上げた。

左からゴム、ピコ、少年T。

左からゴム、ピコ、少年T。[拡大]

ライブ中盤からは出演者たちのコラボコーナーに突入。劇中歌が大ヒットしニコニコ動画でも多数の二次創作物が投稿された「マクロスF」より「星間飛行」をやなぎなぎ、nayuta、J、Re:が、「ライオン」を花たん、ピコ、nayuta、Re:が歌唱。社長の「困ったものです」のセリフからは「まっがーれ↓スペクタクル」の演奏が始まり、らむだーじゃん、社長、yonji、湯毛の4人はオリジナルアーティストのライブをトレースするようにカラーボールを投げ込む演出でフロアを沸かした。ゴム、やなぎなぎ、Re:の3人による「創聖のアクエリオン」では、ゴムがあえて当時のうわずった歌い方を再現するひと幕も。「これを聴きに来た」というオーディエンスからの歓声と笑いが場内に巻き起こる中、一世を風靡したアニソンを歌い手と視聴者が一緒に大合唱した。

やなぎなぎによる本家の「メルト」

その後も、ジミーサムPによるバラードナンバー「from Y to Y」、2ちゃんねるの作曲スレが発祥の「RAINBOW GIRL」など当時のニコニコ動画で繰り返し再生されていた楽曲がコラボで披露されていく。初音ミクとKAITOのデュエット曲「サンドリヨン」は花たんとぽこたが歌唱を担当。ぽこたが花たんの手を取ってエスコートするなど、レジェンドたちによるレアなパフォーマンスに客席が沸き上がる。

やなぎなぎ

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ライブ終盤にはシークレットゲストとしてthatが登場。リハでも出番が少なかったthatは楽屋でしゃべり倒していたという暴露話も挟みつつ、that、らむだーじゃん、社長、ぽこた、少年T、 湯毛、蛇足、yonjiの男性歌い手たちで「Fire◎Flower」を熱唱した。その後はゴムを中心に「エアーマンが倒せない」「思い出はおっくせんまん!」という「ロックマン」のBGMをもとにした楽曲をパフォーマンス。「思い出はおっくせんまん!」では各出演者が投げかける言葉にオーディエンスが「おっくせんまん! おっくせんまん!」で返すコール&レスポンスが繰り返された。最後のソロステージに立ったやなぎは、ryoの代表曲である「メルト 10th ANNIVERSARY MIX」を歌唱。メルトの“10th ANNIVERSARY MIX”は、やなぎをボーカルとして迎えて制作された楽曲であり、最後の最後にカバーでありながら“本人歌唱”でもある楽曲披露に、客席からは盛大な拍手と歓声が送られた。

熱烈なアンコールに応え、1人ステージに登場したゴムは「思い出の歌と再会できましたか? 僕も本当に幸せでした」と、イベントの感想を話し始める。ゲストを呼び込み、今日の感想を言い合いながら最後にゴムは「ニコニコを始めた頃の曲ってすごく自分の中で残ってて。それを最高の形でよみがえらせることができました。またぜひ、再会してください」と涙ながらに結ぶ。最後に送り出しのBGMとして組曲「ニコニコ動画」が流れる中、この日のイベントはフィナーレを迎えた。

セットリスト

「ゴムプロデュース ニコニコ再会議'07~'09 Supported by dwango」2025年8月21日 LINE CUBE SHIBUYA

01. ブラック★ロックシューター / ゴム
02. 1925 / ゴム
03. ワールドイズマイン / J
04. アンインストール / Re:
05. Butter-fly / 湯毛
06. God knows... / nayuta
07. Packaged / 社長
08. 恋は戦争 / ピコ
09. ダンシング☆サムライ / ぽこた
10. ダブルラリアット / yonji
11. 君の体温 / らむだーじゃん
12. 愛言葉 / 少年T
13. いろは唄 / 蛇足
14. チルノのパーフェクトさんすう教室 / Gero
15. ロミオとシンデレラ / 花たん
16. サイハテ / やなぎなぎ、花たん
17. 星間飛行 / やなぎなぎ、nayuta、J、Re:
18. ライオン / 花たん、ピコ、nayuta、Re:
19. まっがーれ↓スペクタクル / らむだーじゃん、社長、yonji、湯毛
20. 創聖のアクエリオン / ゴム、Re:、やなぎなぎ
21. You / nayuta、社長、yonji
22. rain stops, good-bye / 少年T、蛇足、ぽこた、らむだーじゃん
23. RAINBOW GIRL / Gero、蛇足、湯毛
24. from Y to Y / ゴム、ピコ、少年T
25. サンドリヨン / 花たん、ぽこた
26. Fire◎Flower / らむだーじゃん、社長、ぽこた、少年T、湯毛、蛇足、yonji
27. エアーマンが倒せない / J、ゴム、ピコ、Gero
28. 思い出はおっくせんまん! / ゴム、J、Gero
29. メルト 10th ANNIVERSARY MIX / やなぎなぎ

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