6人組アイドルユニット・INUWASIがバンダイナムコミュージックライブの新設レーベルUNIERAより1st EP「RAIMEI」をリリースし、メジャーデビューを果たした。
ラウドミュージックをルーツにした楽曲と、生バンドを率いたアグレッシブなライブパフォーマンスで着実に注目度を高めているINUWASI。今春にグループ初の追加メンバーである六椛を迎えて新体制に生まれ変わり、8月1~3日開催の「TOKYO IDOL FESTIVAL 2025 supported by にしたんクリニック」ではこのフェスを象徴する野外ステージSMILE GARDENにて最終日のトリを飾った。
満を持してリリースされたメジャーデビュー作「RAIMEI」は、今まで以上にキャッチーなメロディとスケール感のある音像でグループの進化と現在地を提示する意欲作に仕上がっている。音楽ナタリーでは新しい一歩を踏み出したメンバーにインタビューし(※がるむは体調不良により欠席)、新メンバー六椛の魅力やメジャーデビューに際しての心境、「RAIMEI」の聴きどころなどを語ってもらった。
取材・文 / 西澤裕郎(SW)撮影 / 真島洸
新メンバーの六椛は「様子のおかしい美人」
──始めに、新メンバーの六椛さんに話を伺いたいのですが、2020年の活動開始以降メンバーチェンジなく活動してきたINUWASIに加入するのは、かなりのプレッシャーがあったのでは?
六椛 プレッシャーはめちゃめちゃありました。最近はすっかり慣れてきましたけど、お披露目前が一番きつかったですね。「本当に自分にできるのかな?」って。毎日その思いに押し潰されそうになっていました。
──「慣れたな」と思えたタイミングは、どのあたりだったんでしょうか?
六椛 ライブを重ねていくうちに慣れていったのかなと思います。ライブを1本やるのと、レッスンを100回するのとでは、ライブ1本のほうが何倍も身になるんですよ。どれだけ練習しても、お客さんの前に立つ経験は別物なので。ステージに立つ回数が増えるにつれて、自信が付いていきました。
──ほかのメンバーから見た六椛さんの魅力は?
ライカ 六椛ちゃんって、INUWASIでただ1人のスレンダーな……。
すずめ・はのんまゆ・カリヲリ ちょっと!(笑)
ライカ 違う、違う!(笑) ほかのメンバーはみんな小柄なんですけど、六椛ちゃんはスタイルがよくて高身長で、すごくステージ映えするんです。ライブ映像を観ていても、すごく華がある。動くだけで目を引くような華やかさを持っている人だなと思います。うまく言えないんですけど、歌声も、汚いものが入ってないっていうか……。
一同 (笑)
ライカ 言い方が難しい! すごくきれいな声! でも、楽屋とかにいるときは、まったくそういう感じじゃなくて、面白いというか……変というか(笑)。
はのんまゆ 個性的ね(笑)。
ライカ そう、個性的! ちょっと抜けている部分もあって、面白い人だなって思います。
──ライカさんの言葉選びも個性的で面白かったです(笑)。
カリヲリ 六椛ちゃんは面白い一面もあるんですけど、その反面、「社長さん、スタジオを取ってください」と自分からお願いして振りの練習をするほど真面目な性格なんです。最初は振付を覚えなきゃという気持ちから練習していたと思うんですけど、一通り振りを覚えたあとも努力し続けているところが本当に尊敬できます。
はのんまゆ 六椛ちゃんは、「様子のおかしい美人」という表現がいい意味でしっくりきます(笑)。一見するとクールでおとなしくて、しっかりしてそうな印象があるんですけど……やっぱちょっと、おかしい(笑)。すごく面白いセンスを持っているんです。
すずめ INUWASIって、ライブからは想像できないくらい楽屋でふざけるんですよ。私もボケたりするのが大好きなんですけど、六椛ちゃんはそれにちゃんと乗ってくれる。この間レコーディング前に2人きりになったときもずーっとしゃべっていて、ふざけ合っていました。INUWASI特有のおふざけにちゃんと乗れるどころか、ほかのメンバーを超えてくるくらいの面白さを持っていて。いい意味で新メンバー感があまりないですし、自然に溶け込んでいます。
地道に活動してきたからこそのメジャーデビュー
──INUWASIはこの新体制で、バンダイナムコミュージックライブの新設レーベルUNIERAからメジャーデビューを果たします。メジャーデビューが決まったときの率直な気持ちを聞かせていただけますか?
六椛 私は加入する前からメジャーデビューの話を聞いていたんですけど、そのときは全然実感がなくて。でもこうやって取材を受ける中で、やっと実感が湧いてきました。バンダイナムコさんという有名なレーベルからメジャーデビューすると聞いたときはすごくうれしかったですし、私はアニメが好きなので、いつか主題歌とか歌えたらいいなって。メジャーデビューによっていろんな可能性が広がると思うので、いただいたチャンスを無駄にしないようにINUWASIをもっと大きくしていきたいです。
はのんまゆ 私も素直にうれしかったです。「アニメの主題歌を歌ってみたい」「大きなフェスに出てみたい」とか、これまでいろいろな夢を語ってきたんですけど、それって夢の先の夢みたいな感覚だったんですよね。でも、メジャーデビューによって協力してくれる方たちも増えて、夢が現実に近付いたのかなと感じています。ここまで応援してくれたファンの人たちに、今までとは違う景色を見せていけたらなって。不安ももちろんありますけど、今はとにかくがんばろう!と前向きな気持ちです。
カリヲリ メジャーデビューが決定したことは事務所の社長さんが口頭で伝えてくれたんですけど、そのときはあまり実感がなかったんです。目標がたくさんある中、メジャーデビューのいうのは自分の中で想像してなかったので、正直ちょっと他人事みたいな気持ちもあったというか。でも、ファンの方にメジャーデビューすることを自分たちの口で伝えたら、だんだんと実感が湧いてきて。もっと幅広い層の方にINUWASIのことを見てもらえると思うので、もっと力を付けていかないとなと考えています。
すずめ INUWASIは結成からの5年半、ずっと順調だったわけではなくて、うまくいかない時期もあったんです。そんなときも支え合いながらがんばってきたし、社長さんがグループのために全力を注いでいる姿を間近で見てきました。だからこそ、バンダイナムコの担当さんが「一緒にがんばりましょう」と言ってくださったときは本当に夢みたいで、涙が出ました。これまで積み重ねてきたメンバーの努力や社長さんの思いがやっと報われたんだなと感じられて、すごくうれしかった。バンダイナムコさんと巡り合えたのは、これまで地道に活動してきたからこそのご縁だと信じているので、5年半続けてきて本当によかったです。
ライカ 私も率直にすごくうれしいですが、メジャーデビューはあくまで新たなスタートだと思ってるので、もっとがんばらなきゃいけないという気持ちが強くあります。5月のライブで「バンダイナムコさんからデビューします」と発表してから実感が湧いてきたんですけど、さらに気を引き締めていかないといけない、覚悟を持って活動に臨まないといけないという強い気持ちが生まれています。
次のページ »
メジャー1st EP「RAIMEI」全曲を解説