今の日本は、大丈夫なのか?
2022年8月に関西発のオーディション「SSS PROJECT - DANCE & VOCAL GIRLS AUDITION -」を経て結成されたガールズダンス&ボーカルグループSPiNは、「Made In Japan × Inbound × J-POP」をコンセプトに掲げて活動している。今回のライブでは「日本人としての美徳・誇り」と「日本が向き合うべき社会的課題」の両面をパフォーマンスを通して表現。平成に生まれた世代として、日本社会に向けて強いメッセージを発信した。
ライブのオープニング映像では日本が誇る美しい城や町並みをバックに「国内で流れるニュース SNSで拡散される炎上系の投稿 それを見るたびに思う 今の日本は……大丈夫なのか?」という文字が浮かび上がる。戦争で命を懸けてこの国を守り、戦後寝る間も惜しんで未来を築き、高度経済成長を支えてきた世代がいる。その努力と誇りを自分たちの世代は受け継げているのだろうか……昨今の社会に対する強い疑問を映像を通して投げかけるとともに、メンバーのHIIRO、K.SAKURA、OTOHA、SHURI、YUMENA、YUUがステージに姿を現した。ライブのオープニングパートでSPiNのメンバーが着用したのは、和柄の生地を使用してそれぞれオーダーメイドで制作されたメンズスーツ。日本がいまだLGBTQやジェンダー課題において先進国の中でも大きな遅れを取っている現状を問題提起するため、彼女たちはあえてメンズスーツで衣装をそろえ、唇に黒のリップをまとった。「こうあるべき」という固定観念を打破するような佇まいで、メンバーは琴や尺八といった和楽器の音色とシティポップ要素を融合させた楽曲「M.I.J」でライブを開始。赤い月をバックに鋭い眼差しで「誇りを持てる未来を描きたい」「この国でもやれると伝えたい」と力強いメッセージを放ち、革命の狼煙を高々と上げた。
YUMENAがキーボードの前に座り、美しい鍵盤の音色を奏でると、その横でYUUが「これからの未来を生きていくあなたへ。今日までどれだけがんばってきたか……それを一番よく知っているのは、ほかの誰でもなくあなた自身です。だからこそ、これからどんなことがあっても自分を一番に信じて、自分の光で未来を照らしてほしいです。時には不安になったり何をしてもうまくいかないときがあるかもしれないけど、そんなときこそ自分らしく、自分のペースでフッと力を抜いて明日からも笑っていけますように。今日はそんなエールを送ります」と観客に語りかける。鍵盤の音色をバックにYUUが優しく歌い始めたのは「Just 4 U」。ステージにHIIRO、K.SAKURA、OTOHA、SHURIも加わると、6人は笑顔でオーディエンスに寄り添うように歌を届けた。
「陰」と「陽」のコントラスト
E-girlsの楽曲「Dance Dance Dance」をグルーヴ感たっぷりに歌い踊り、オーディエンスと心をつなぎ合ったSPiN。その後はソロ歌唱やユニットパフォーマンスを通して、心の葛藤が見える「陰」と、希望にあふれた「陽」のコントラストを描いていく。まずYUUが歌い上げたのは、EXILE ATSUSHIの楽曲「BLACK RAIN」。彼女は失った何かを求めてさまようにステージを歩き、最後にはひざまずいて悲哀に満ちた歌声を響かせた。続いてYUMENAが奏でる繊細な鍵盤の音色に乗せて、SHURIが中島みゆきの楽曲「糸」をたおやかに歌唱。心温まるような歌声にオーディエンスはじっくりと聞き入る。そしてHIIROとYUUは、明るい未来へをまっすぐに見据えるようにEXILE ATSUSHI + AIの楽曲「No more」をみずみずしく歌い上げた。
出会いに感謝の気持ちを込めて
チェアを使ったパフォーマンスが繰り広げられたのは「CHECK MATE」。6人は憧れと現実の差に苦しみながらも前に進んでいく等身大の思いをエネルギッシュに表現した。「私たちは日本人として、SPiNとして胸を張って、この時代に私たちだけのジャンルを確立しにきました! これは私たちの覚悟であり、挑戦です。ぜひ最後まで目に焼き付けてください」とYUMENAが告げると、彼女たちは「新時代を築いていけるように」という強い意思が込められたデビュー曲「S.A.L.A.N」を歌い踊る。熱い魂のこもった彼女たちのパフォーマンスに共鳴するように、フロアにはオーディエンスの合唱が広がった。
冬のバラードソング「Powder Snow」をエモーショナルに届けた6人。「今日の皆さんとの出会いに感謝の気持ちを込めて」とYUUが告げると、彼女たちはEXILE ATSUSHI + AIのナンバー「So Special」を歌い上げ、あふれんばかりの愛をオーディエンスに伝えた。そして壮大な自然の映像と「この地に命を生み出してくれたすべての母へ」という言葉を経て、彼女たちは幼少時代の写真をバックにケルティック・ウーマンの楽曲「You Raise Me Up」を披露。スケール感のある歌声とともに、すべての人々の出会いの原点である“母”という存在への感謝の思いを示した。
自分らしく生きていくことって、何よりも尊くて強いこと
アンコールを求める声に呼ばれて、再びステージに登場したSPiNは、プロデューサーのGiz'Moを擁するグループJam9の楽曲「ARE YOU READY?」を熱唱した。YUMENAは今回のライブのテーマについて「私たちは『Made In Japan × Inbound × J-POP』をコンセプトに掲げています。『Made In Japan』ブランドに自信を持てるように、日本人としての誇りを持てるようにという思いを胸に、80年代、90年代のJ-POPの要素を融合させた楽曲を大阪から世界に発信しているグループです。今回のライブはそんなSPiNのコンセプトをギュッと詰め込んだライブです。これからの日本を象徴する私たちの世代が自分たちのアイデンティティ、表現方法に誇りを持てるようなライブを作りたいという思いがありました」と説明。またYUUは「『よくある“右向け右”とか、“誰かの普通”って何だろう?』と考えたりするんですけど、誰かの言う“普通”に合わせなくていいなと思います。自分らしくありのままに生きていくこと……それは時には笑われたり、孤独に感じるかもしれないけど、どんなことよりも自分らしく生きていくことって、何よりも尊くて強いことだって私たちはこれから先もずっと信じています」と涙で声を詰まらせながらもまっすぐに語る。そしてYUMENAは「私たちもようやく少し光が見えてきたような気がしています。今はその光をつかみ取るために毎日必死に走り続けています。皆さんにもそれぞれの光がきっとあると思うんです。今を皆さんに大切に生きてほしいなと思います。これからの時代をともに生きていく者同士、皆さんそれぞれありのまままで、自分にしかない光がきっとあると思うので、その光のほうに一緒にこれからも歩いていきましょう」と朗らかに告げた。
ラテン調のナンバー「Growin’」で会場を盛り上げたあと、彼女たちは今回のライブのテーマを象徴する楽曲「M.I.J」をもう一度パフォーマンス。これからの日本をともに作り上げていく意思をオーディエンスとともに歌い上げた。ラストナンバーはSPiNの“始まりの曲”である「Let You Go」。フロアにボールを投げ込みながらこの曲を届け、メンバーは弾けるような笑顔でワンマンライブを締めくくった。
セットリスト
SPiN「SPiN ONEMAN LIVE『The SPiN World ~ 魂 Tamashi ~』」2025年8月28日 Yogibo META VALLEY
01. M.I.J
02. Dance Bridge
03. Just 4 U
04. Dance Dance Dance(E-girlsカバー)
05. Dance Track
06. BLACK RAIN / EXILE ATSUSHI
07. 糸(中島みゆきカバー)
08. No more(EXILE ATSUSHI + AIカバー)
09. CHECK MATE
10. S.A.L.A.N
11. Powder Snow
12. So Special(EXILE ATSUSHI + AIカバー)
13. You Raise Me Up(ケルティック・ウーマンカバー)
<アンコール>
14. ARE YOU READY?(Jam9カバー)
15. Growin'
16. M.I.J
17. Let You Go
関連人物
K.SAKURA 【SPiN】 @sp_o5o
音楽ナタリー様にて、ライブレポートを掲載していただきました
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