東京スカパラダイスオーケストラがB'zのボーカリスト・稲葉浩志を迎え、9月3日にニューシングル「Action (VS. 稲葉浩志)」をリリースする。
コラボが発表されるやいなや、大きな話題を呼んだスカパラと稲葉のコラボ。「戦うように一緒に音楽を作っていく」というコンセプトを掲げた「VS.シリーズ」の第4弾としてリリースされる今作のために、2組は「Action (VS. 稲葉浩志)」「タイムカプセル (VS. 稲葉浩志)」の2曲を制作した。
ニューシングルのリリースを記念し、音楽ナタリーではスカパラのフルメンバーにインタビュー。前後編にわたる特集を展開する。前編では“VS.シリーズのこれまで”をテーマに、その歩みを振り返る。スカパラにとって、VS.シリーズとはどんな意味合いを持つプロジェクトなのか? 2022年の始動から今に至るまでを、メンバーに掘り下げてもらった。また後編では“VS. 稲葉浩志”をテーマに、今回のコラボの経緯、そして稲葉との楽曲制作にまつわるエピソードを9人に聞いた。
取材・文 / 大山卓也撮影 / YOSHIHITO KOBA
どんどん壊してもらう「VS.シリーズ」の刺激
──ここ最近「VS.シリーズ」と題した新曲リリースが続いています。これはこれまで数多く展開してきたフィーチャリングの歌モノシリーズとどう違うんでしょうか?
加藤隆志(G) もっとフレキシブルに若手の新人バンドとも一緒にやれたらいいなと思って始めたのがVS.シリーズで、作詞作曲やアレンジの段階から「戦うように一緒に音楽を作っていく」というコンセプトなんです。
──フィーチャリングはスカパラが作った楽曲にボーカリストを招くスタイルですよね。
大森はじめ(Per) 基本そうですね。詞も曲も用意してメロディ通りに歌ってもらう形です。
谷中敦(Baritone Sax) 最初の歌モノ3部作(田島貴男、チバユウスケ、奥田民生が参加)はフィーチャリング表記もなかったですから。全員で同じスーツを着てメンバーの一員になってもらおうって考え方で。
──それに対してVS.シリーズは衣装も違うし、コラボアーティストが作詞や作曲にも参加する点が大きく違うわけですね。
茂木欣一(Dr) コロナ禍で思い通りにライブができない時期に新しいこと、面白いことを探してたんだよね。これまでのフィーチャリング形式より、もっと深い刺激を求めてたんだと思う。
谷中 VS.シリーズに先駆けてバンドコラボ企画もあったんですけど、10-FEET、MONGOL800、ASIAN KUNG-FU GENERATIONと一緒にみんなで音を作っていくのがすごく楽しくて、振り返ってみるとそれが始まりだった気がします。
茂木 それで言うと2021年に「会いたいね。゚(゚´ω`゚)゚。 feat.長谷川白紙」っていう曲を長谷川白紙くんと作ったのも大きかったかな。川上(つよし)さんがモチーフとなる曲を作って、白紙くんにメロディや歌詞を自由に紡いでもらった。そのときにめちゃくちゃ面白い化学反応が起きたんです(参照:東京スカパラダイスオーケストラ×長谷川白紙「SKA=ALMIGHTY」特集)。
NARGO(Tp) あれは今思えばVS.シリーズと言えますね。
茂木 ホントだ!
北原雅彦(Tb) あのとき白紙くんがスカパラの音を打ち込みのトラックで再構築してくれて、それをうちらが生でどう表現していくかみたいな。これまでとは違う発想での曲作りができたんですよね。
──お互いの音やアイデアをぶつけ合って楽曲を作る楽しさに目覚めた?
加藤 そうですね。VS.シリーズはバンドコラボのときよりもさらに自由に作ってる感覚があるんです。例えばこちらが楽曲のモチーフとなるコード進行だけ渡してメロディは自由に書いてもらったりとか。どんどん壊してもらうのが面白いなって。
第1弾「サボタージュ (VS. ALI)」
──VS.シリーズの第1弾は2022年にALIとのコラボで作った「サボタージュ (VS. ALI)」でした。
加藤 僕らがトラックダウンをやってたスタジオにALIのLEOくん(Vo)が遊びに来てくれたんですよ。そこでいろいろ話してみたら僕らが好きなソウルミュージックとかスカに詳しくて、初対面だったのにすごく盛り上がって。
茂木 LEOくん血気盛んなんだよね(笑)。やる気がすごかった。
──「サボタージュ」の作曲はNARGOさんですよね。
NARGO はい。まず「この曲どうなるのかな」っていう余白をかなり残したままシーケンスとコード進行だけを渡して、そこにALIがコーラス入れたりAメロを作ってくれたりっていうやり方をしました。でもそこで返ってきたものがすごくよくて、まさにVS.というか、お互いかなり踏み込んで曲を作っていけたんですよね。
──LEOさんは初期スカパラにかなり影響を受けていると聞きました。
茂木 めちゃくちゃ詳しかったよね。
NARGO 「はじめまして、NARGOです」と挨拶したら「よく知ってます!」って(笑)。
──楽曲からも初期スカパラを思わせる爆発力を感じます。
加藤 落ち着かないというかね、カマしてくる感じあるもんね(笑)。
──作詞のクレジットは谷中さんとLEOさんの共作になっていますが作業分担はどのように?
谷中 英語の歌詞はLEOくんです。日本語部分は「谷中さんの歌詞を歌ってみたい」と言ってもらったんで、LEOくんをイメージして一生懸命書きました。
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第2弾「私たちのカノン (VS. Chevon)」