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宮世琉弥「GRAVITY」ジャケ写

宮世琉弥 GRAVITY

優しく軽やかに、どこまでも高く──バレー経験者が歌うインスパイアソング

文 / 三橋あずみ

「『2025 TBSバレーボール』の応援サポーターに選ばれたアーティストが書き上げたインスパイアソング」。こんなキャッチフレーズを聞いたとき、頭の中でどんな歌をイメージするだろう。闘志みなぎるアッパーなサウンドに、気持ちを鼓舞する力強いフレーズ? そんな“典型的な想像”を、宮世琉弥は優しく軽やかに飛び越えていく。

自身もバレー経験者である宮世は、6月に「2025 TBSバレーボール」の応援サポーターに就任した。8月27日に配信リリースされる「GRAVITY」は、日の丸を背負ってコートに立つバレーボール選手の勇姿をすぐそばで見守ってきた宮世が、自身で感じたことを歌で表現した自作曲だ。

この曲で歌われているのは、過去の後悔や心の傷といった自分の弱い部分さえも、未来を照らす光に変えていけるというメッセージ。「僕が信じる速度で進む ただそれだけで美しいんだ」とありのままを肯定する、慈愛に満ちた宮世のアティチュードだ。内省的に脈打つ鼓動のようなビートが刻まれる導入から徐々に彩り豊かな音が重なり、壮大な世界へと解き放たれるサビへ。自然と心が前向きになるようなトラックに乗る宮世の歌声は温かな響きをたたえ、聴き手の背中を優しく押してくれる。

「沈む理由」も「濁る理屈」も「震える声」も、夢をつかむための力に変えていける。宮世の言葉とその歌声に宿るしなやかさ、温かさは、痛みや苦悩を知っているからこそ持ちうるものだと感じる。「宮世」という彼の名前には、“宮城から世界へ”という願いが込められているのをご存知だろうか。今年から作詞作曲を手がけるようになり、今回の楽曲で才能の翼をさらに大きく広げた宮世は、重力に抗いどこまで羽ばたいていくのだろう。「GRAVITY」は、そんな彼自身の未来への期待感も高揚させる、魅力的な引力を持つ楽曲だ。

宮世琉弥「GRAVITY」
2025年8月27日(水)配信開始 / Sony Music Records
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作詞:宮世琉弥
作曲:宮世琉弥、LASTorder
編曲:LASTorder

宮世琉弥(ミヤセリュウビ)

宮世琉弥

2004年1月生まれ、宮城県出身。2019年に俳優としてデビューして以降、数々のドラマや映画作品に出演。2025年公開の「顔だけじゃ好きになりません」では初となる映画単独主演を務め、映画「アンダーニンジャ」、「パリピ孔明 THE MOVIE」など話題作への出演が相次ぐ。2024年4月にアルバム「PLAYLIST」でソニー・ミュージックレコーズよりメジャーデビュー。俳優活動と並行してアーティストとしても活動中。