「團菊祭五月大歌舞伎」尾上菊五郎が市川男女蔵の弾正に「お父つぁんに大分似てきましたね」

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「團菊祭五月大歌舞伎」が、去る5月2日に東京・歌舞伎座で開幕した。

「團菊祭五月大歌舞伎」初日の様子。

「團菊祭五月大歌舞伎」初日の様子。

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「團菊祭五月大歌舞伎」は、九世市川團十郎と五世尾上菊五郎の偉業を顕彰するため、毎年5月に行われている公演。昼の部は「『鴛鴦襖恋睦』おしどり」で幕開け。尾上松也が河津三郎 / 雄鴛鴦の精、尾上右近が遊女喜瀬川 / 雌鴛鴦の精を演じ、中村萬太郎が股野五郎を勤めた。続く「毛抜」は、昨年4月に死去した市川左團次の追善狂言として行われるもので、左團次の当たり役である粂寺弾正を長男・市川男女蔵が演じるほか、後見を市川團十郎が担った。同演目で、小野春道を初役で勤める尾上菊五郎は、男女蔵の弾正について「お父つぁんに大分似てきましたね」とコメントした。

昼の部ラストとなる「極付幡随長兵衛」は、日本の侠客の元祖と言われる、実在の人物・幡随院長兵衛を題材に、河竹黙阿弥が作を手がけた作品。長兵衛を團十郎、水野十郎左衛門を尾上菊之助を担う。團十郎にとって長兵衛は、父・十二世團十郎から教わった最後の役となる。上演に向け團十郎は「長兵衛の孤高の精神は、女房や子分たちには理解されません。しかし、そのもどかしさや心の動きがお客様に伝わるように演じるのが重要です」と語っている。

夜の部には「伽羅先代萩」と「四千両小判梅葉」がラインナップされた。「伽羅先代萩」では、足利家の跡継ぎである鶴千代に対し、忠義を尽くす乳人政岡とその息子・千松の悲劇を描く「御殿」と、御家乗っ取りを企む仁木弾正が登場する「床下」が披露され、「御殿」では政岡を菊之助、千松を、菊之助の長男・尾上丑之助、「床下」では仁木弾正を團十郎が勤める。「御殿」で菊之助は、政岡が鶴千代と千松のために茶道の作法で米を炊く“飯炊き”に初めて挑む。菊之助は“飯炊き”に向け、「鶴千代と千松に対してそれくらい母性を出せるかが課題だと思っています」と話した。

「四千両小判梅葉」は、河竹黙阿弥が幕末の江戸城で起きた御金蔵破りを題材に描いた作品。五世尾上菊五郎により1885年に初演された本作を、今回は祖父の二世尾上松緑が上演を重ね、当代の菊五郎に師事している尾上松緑が主人公・野州無宿富蔵を初役で勤める。四谷見附の堀端でおでん屋の商いをしている富蔵は、夜更けに偶然再会した藤岡藤十郎(中村梅玉)に、江戸城の御金蔵破りの話を持ちかけ……。松緑は富蔵を「物の道理をわきまえた肚の座った人物」、梅玉は藤十郎を「気の弱い、世間知らずのボンボンです」と、それぞれ役について語った。

公演は5月26日まで。なお、「極付幡随長兵衛」の閻魔大助、「四千両小判梅葉」の黒川隼人を勤める予定だった中村鷹之資は、体調不良のため休演。当面の間、閻魔大助を市川升三郎、黒川隼人を中村莟玉が勤める。

なおステージナタリーでは現在、「團菊祭五月大歌舞伎」の特集を展開中。松也が、子役時代から出演してきた「團菊祭」や演目への思い、また歌舞伎俳優としての現在地、そしてこれからを語っている。

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「團菊祭五月大歌舞伎」昼の部

2024年5月2日(木)~2024年5月26日(日) ※公演終了
東京都 歌舞伎座

スタッフ

三、「『極付幡随長兵衛』公平法問諍」

作:河竹黙阿弥

出演

一、「『鴛鴦襖恋睦』おしどり」

河津三郎 / 雄鴛鴦の精:尾上松也
遊女喜瀬川 / 雌鴛鴦の精:尾上右近
股野五郎:中村萬太郎

二、「四世市川左團次一年祭追善狂言 歌舞伎十八番の内『毛抜』」

粂寺弾正:市川男女蔵
腰元巻絹:中村時蔵(5代目)
小野春風:中村鴈治郎
小原万兵衛:尾上松緑
八剣数馬:尾上松也
秦秀太郎:中村梅枝(4代目)
錦の前:市川男寅
乳人若菜:市村萬次郎
秦民部:河原崎権十郎
八剣玄蕃:中村又五郎
小野春道:尾上菊五郎
後見:市川團十郎

三、「『極付幡随長兵衛』公平法問諍」

幡随院長兵衛:市川團十郎
水野十郎左衛門:尾上菊之助
女房お時:中村児太郎
極楽十三:中村歌昇
雷重五郎:尾上右近
神田弥吉:大谷廣松
小仏小平:市川男寅
閻魔大助:中村鷹之資
笠森団六:中村莟玉
加茂次郎義綱:中村玉太郎
下女およし:中村梅花
御台柏の前:中村歌女之丞
坂田金左衛門:市川九團次
伊予守頼義:上村吉弥
坂田公平:片岡市蔵
渡辺綱九郎:市村家橘
出尻清兵衛:市川男女蔵
唐犬権兵衛:市川右團次
近藤登之助:中村錦之助

「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部

2024年5月2日(木)~2024年5月26日(日) ※公演終了
東京都 歌舞伎座

スタッフ

二、「『四千両小判梅葉』四谷見附より牢内言渡しまで」

作:河竹黙阿弥

出演

一、「『伽羅先代萩』御殿」

乳人政岡:尾上菊之助
栄御前:中村雀右衛門
一子千松:尾上丑之助
鶴千代:中村種太郎
沖の井:中村米吉
八汐:中村歌六

一、「『伽羅先代萩』床下」

仁木弾正:市川團十郎
荒獅子男之助:市川右團次

二、「『四千両小判梅葉』四谷見附より牢内言渡しまで」

野州無宿富蔵:尾上松緑
数見役:坂東彦三郎
頭:坂東亀蔵
女房おさよ:中村梅枝(4代目)
三番役:中村歌昇
浅草無宿才次郎:中村萬太郎
伊丹屋徳太郎:坂東巳之助
四番役:中村種之助
黒川隼人:中村鷹之資
寺島無宿長太郎:尾上左近
生馬の眼八:市村橘太郎
田舎役者萬九郎:中村松江
浜田左内:河原崎権十郎
うどん屋六兵衛:坂東彌十郎
隅の隠居:市川團蔵
牢名主松島奥五郎:中村歌六
石出帯刀:坂東楽善
藤岡藤十郎:中村梅玉

※「極付幡随長兵衛」の閻魔大助役、「四千両小判梅葉」の黒川隼人役の中村鷹之資は体調不良のため当面の間休演。代わって閻魔大助役を市川升三郎、黒川隼人を中村莟玉が勤めます。

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yuka @yuuuca

「團菊祭五月大歌舞伎」尾上菊五郎が市川男女蔵の弾正に「お父つぁんに大分似てきましたね」(舞台写真 / コメントあり) https://t.co/remZ2F3fzz

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